米通商政策に加えて、シリア情勢悪化が 懸念材料に…。 米ドル/円は戻り鈍く反落か

■日経平均と米ドル/円は戻り基調に入ったものの… みなさん、こんにちは。
 先週(4月2日~)のコラムでご紹介させていただいたように、先月(3月)までと今月(4月)の相場は、少々違った展開。
 外国人投資家は、2001年から17年連続で4月に日本株を買い越しており、4月はいったん調整で、株、米ドル/円とも戻すのではないか? というのがアノマリーになっています。
【参考記事】
●米ハイテク株急落ほか悪材料は出尽くし!? セル・イン・メイに向けて米ドル/円は調整へ(4月5日、西原宏一)
 マーケットの想定どおり、4月に入ってから日経平均、米ドル/円とも戻り基調に入ったのですが、戻りが極めて限定的な展開に。
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
 米ドル/円は107.50円にも届かず、本稿執筆時点では106円台後半でもみ合っています。
米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
■シリア情勢悪化が不安定要因に この背景には、米国の通商政策に加え、もう1つの不安定要因がマーケットに投下されたことがあります。
 それは、シリア問題。
 4月11日(水)の欧州市場で注目を集めたのが、トランプ大統領の下記のツイートでした。
ロシアは「準備せよ」、ミサイルがシリアに来る
トランプ大統領は「ロシアはシリアに向けられたいかなるミサイルも打ち落とすと宣言している。準備に入ったほうがいい。(ミサイルが)来るからだ。見事で、新しく、『スマート』だ!」と述べた。
またロシアに対し、「自国民の殺害を楽しんでいる、ガス殺の獣(けだもの)」であるアサド氏と「手を組む」べきではないと警告した。
トランプ氏は、先週末に女性・子どもを含む40人以上が犠牲となったシリアでの空爆にロシアやイランが関与したとの結論に達した場合、両国に厳しい措置を取ると宣言している。だが米国はシリアに展開するロシアやイラン軍を標的とすることは示唆していない。
出所:Bloomberg
 トランプ大統領としては、2013年のオバマ政権の失敗をかなり意識している模様。
 オバマ前大統領は、シリアに対し、「化学兵器の使用はレッドライン越え」になると明言しました。
 しかし、2013年に、今回と同じ東グータで化学兵器が使用された際、当時のオバマ大統領は軍事介入を見送り、これが、かなり批判を浴びました。
 ただし、この局面では、ロシアの仲介で、シリアが化学兵器の廃棄に合意したことで、オバマ大統領が軍事介入をしなかったことは、ある意味正当化されます。
 合意に沿ってシリアは、大量の化学物質を廃棄。サリンも、そこに含まれていました。
 ところが、実際は廃棄していなかったという結末。
 そして、2017年4月。
 シリアが、再びサリンを使用したと判断した米国は、シリアのシャイラット空軍基地を巡航ミサイルで攻撃しました。
 先週(4月2日~)末には、シリアの…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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