ドル/円は110.00円の攻防が流れを決める! ドル安の流れと機関投資家の買い需要交錯

■徐々にテクニカル分析も効き始めたビットコイン みなさん、こんにちは。
 先週(1月8日~)から今週(1月15日~)にかけて、多くのメディアが連日、仮想通貨を取り上げていました。
 もっとも多かったのが、1月17日(水)の仮想通貨全体の暴落を取り上げたものになるのですが…。
 たしかに、ビットコイン/円は、年初の200万円レベルと比較すると暴落と言えますが、昨年(2017年)1月に10万円だったビットコインが105万円になったからといって暴落という表現を使うのは、いまひとつ釈然としません。
ビットコイン/円 週足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 週足)
 個人的に興味を持ったのが、仮想通貨の流動性。
 たとえば、ビットコイン/円・日足のシーケンシャルでは、セットアップカウントダウンをていねいにカウントして反落という、デマーク(※)の教科書どおりの動きとなっています。
(※編集部注:「デマーク」とはTDシーケンシャルなどのテクニカル指標を開発したトーマス・R・デマーク氏のこと)
 アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)は別として、ビットコインは徐々にテクニカル分析も効き始めています。
 これは、参加者が増えて流動性を増しているということになります。仮想通貨の需要は、これからも高まるのではないでしょうか?
■米ドルは上値の重い展開、米ドル/円は110円割れに迫る 為替市場に話題を戻すと、米ドルは、引き続き、上値の重い展開。
 米ドル円は111.00円を割り込み、一時110.00円という大台を割り込む寸前まで急落しました。
米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
 米ドル安は対円のみならず、対ユーロや対英ポンドでも米ドル安が進行。
 以下は、ユーロ/米ドルの日足チャートです。
 ユーロ/米ドルは、昨年(2017年)9月8日に1.2092ドルの高値に到達。
 その後、調整局面入りし、4カ月が経過しました。
 充分な調整を経た後、先週、1月11日(木)のECB(欧州中央銀行)議事要旨がタカ派トーンだったことをきっかけに、節目の1.2092ドルをブレイクし、対ユーロでも再び米ドル安が進行。
【参考記事】
●ECB議事録と独連立暫定合意でユーロ上昇! ドル売り継続も、IMMのユーロロングに注意(1月15日、西原宏一&大橋ひろこ)
ユーロ/米ドル 日足(出所:Bloomberg)
 加えて、英ポンドや豪ドルでも米ドル安が進みつつあります。
英ポンド/米ドル 日足(出所:Bloomberg)
豪ドル/米ドル 日足(出所:Bloomberg)
 総体的な米ドル下落の背景には、オプション市場の動きも反映されています。
 1月15日(月)のオプション市場では、ユーロ/米ドルや米ドル/円のみならず、英ポンド/米ドルや豪ドル/米ドルでも米ドルのプット高(※)が急速に進行。
(編集部注:「プット」は売る権利のことで、「コール」が買う権利のこと)
 前回のコラムで紹介させていただきましたが、米国債利回り上昇が米ドル/円の上昇を誘引せず、相関性が断ち切れて米ドル/円はじり安の展開。
【参考記事】
●米ドル/円、株や米長期金利の上昇に追随できず…。111円割れなら107円台も視野!(1月11日、西原宏一)
 他通貨でもその傾向が鮮明になりつつあり、オプションマーケットでも、米ドルのプット購入が目立ちはじめ、それが米ドルの下落をさらに誘引しました。
 前述の米国債利回りに続き、米ドル/円と…

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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