売りシグナル点灯のユーロ/米ドルは、大きく 下落する可能性も!その理由と対応策は?

■2016年夏以降のユーロ/米ドルの日足チャートを分析 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まず、日足チャートをご覧いただきたい。
ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)
 日足チャートを俯瞰すると、ユーロ/米ドルは、ボックス相場「茶色の破線」を形成した、と考える。このボックス相場「茶色の破線」の上限は1.16ドル台前半程度、下限は1.0500ドル近辺、と考える。
 昨年(2016年)の11月8日(火)に行われた米国大統領選挙で、事前の予想とは逆に、トランプ候補が勝利したので、マーケット(外国為替市場)は、大混乱した、と考える。
 トランプ米国大統領が確定すると、ユーロ/米ドルは、1.1300ドル近辺にまで急騰し、その後、大きく急落している。
 この大きな急落で、ボックス相場「茶色の破線」の下限(1.0500ドル近辺)を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
 振り返ると、(この日足チャートでは表示していないが、)2015年3月に付けたユーロ/米ドルの最安値は、1.0460-65ドル水準だった。
 この最安値を更新して、さらに「売りシグナル」を発した、と考える(日足チャートには、1.0450ドル近辺の「売りシグナル」は表示していない)。
 1.0500ドル近辺と1.0450ドル近辺で発せられた「売りシグナル」に従い、ユーロ/米ドルは、下落して安値を更新して、1.0350ドル割れの安値を付けた。しかし、1.0350ドル近辺を底値に反発(上昇)している。
 それで、ユーロ/米ドルは、日足チャートに表示したように、ボックス相場「青の破線」を形成した、と考える。
ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「青の破線」の上限は1.1000ドル近辺、下限は1.0350ドル近辺、と考える。
■2017年4月の仏大統領選の影響で急騰 2017年4月23日(日)に行われたフランス大統領選の第1回投票の結果、中道系独立候補のマクロン前経済相と極右政党・国民戦線のルペン党首が5月7日(日)の決選投票に進むこととなった。
 第1回投票直後の市場の予想では、マクロン候補が勝つ可能性が高い、と判断しており、その場合は、フランスのEU(欧州連合)離脱の懸念はなくなる。
 それで、「リスク回避」の思惑でユーロ/米ドルを売っていた市場参加者が、その買い戻しを行った。
 そのため、日足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、「窓(Gap)」を開けて急上昇している。
ユーロ/米ドル 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
  この「窓(Gap)」は、「買いシグナル」と考える。
 そして、このボックス相場「青の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
■上値ターゲットを達成し、さらに上昇 ユーロ/米ドルは上昇を続け、昨年(2016年)11月の米国大統領選挙で、トランプ大統領が確定した後に付けた高値(1.1300ドル近辺)を越えて、「買いシグナル」を発した、と考える。
 この「買いシグナル」に従い、ユーロ/米ドルは上昇して、心理的な節目の1.1500ドルを上に抜けて、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。
 ボックス相場「青の破線」に注目すると、このボックス相場の値幅は、約650ポイントだ。
ユーロ/米ドル 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
  この「窓(Gap)」は、「買いシグナル」と考える。
 ボックス相場「青の破線」の上限は1.1000ドル近辺、下限は1.0350ドル近辺、と考える。
 このボックス相場「青の破線」を上抜けした場合のターゲットは、1.1650ドル近辺になる(「青の破線(両端矢印)」で表示した)。
 日足チャートを見てのとおりに、上述のターゲットを達成した、と考える。
■1.1750ドル超えで「買いシグナル」点灯、上昇トレンドに転換 7月下旬の値動きで、1.17ドル台前半の従来の高値を更新した。日足チャートには、1.1750ドルで、「買いシグナル」を発したように表示した。
ユーロ/米ドル 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 この時点で、上昇トレンドにトレンド転換した可能性が高くなったと考える。
 「1.18ドル台ミドルのチャート・ポイントを、明確に、上抜けするか、否か?」に注目していたが、1.1850ドルを上に抜けて、さらにトレンド転換した可能性が高くなった、と考える。
 1.1900ドルを上に抜けて、高値を更新したが、1.19ドル台前半を高値に、いったん下落している。
 この1.19ドル台を付けた時点で、相場を考察すると、ユーロ/米ドルが、大きく急上昇した後の調整が起こった、と考える。
 ユーロ/米ドルは、1.19ドル台から1.16ドル台ミドル(1.1650ドル近辺)に下落した。調整が終わると、ユーロ/米ドルは1.16ドル台ミドル(1.1650ドル近辺)から上昇して、1.19ドル台の高値を更新し、そして8月末(8月29日)には、重要なチャート・ポイントの1.2000ドルを上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
 1.20ドル台を付けて、高値を更新した後は、ユーロ/米ドルは急落している。この急落は、「調整の下落」と考える。
 9月7日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会では…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です