ECBのQE縮小を織込み急騰のユーロ/ドル、 1.18ドル台半ばを明確に上抜けるかに注目
2017-08-02
ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
相場を振り返る。
2012年半ばころから、2014年半ばころまでの上昇は、サポート・ライン「緑の破線」に従っていた、と考える。
ユーロ/米ドルは、このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ。
このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ時点で、まず、「売りシグナル」を発した、と考える。
長期のサポート・ライン「赤の破線」を表示した。
月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルはこの長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、その時点でさらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
■2008年以降は月足でウェッジを形成 長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を表示した。
ユーロ/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
2008年以降のユーロ/米ドルが、下落トレンド(下落傾向)にあることを示している、と考える。
1.18ドル台に「紫の破線」で水平線を表示した。
これらの2本の「紫の破線」に注目すると、ユーロ/米ドルは、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。
2015年1月の値動きで、重要なチャート・ポイント1.2000ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
そして、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を、割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
この1.18ドル台ミドルを割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、ユーロ/米ドルは、1.04ドル台ミドル(1.0460-65水準)の安値を付けた。
1.04ドル台からは、1.17ドル台に大きく反発(上昇)した。
しかし、1.17ドル台からは、再び下落に転じている。
ユーロ/米ドルは、1.17ドル台から1.05ドル台に下落したが、1.05ドル台から1.16ドル台にまで再度、上昇している。
■直近の「売りシグナル」はフェイルになり、反発上昇 月足チャートに1.04ドル台ミドルの水平線「ピンクの破線」を表示した。
ユーロ/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
昨年末(2016年12月中旬)の値動きで、従来の最安値である1.04ドル台ミドル(1.0460-65ドル水準)を下に抜けた。
最安値の更新で、「売りシグナル」を発した、と考える。
しかし、最安値を更新して、1.03ドル台ミドル(1.0350ドル)も割り込んだが、その後、大きく反発上昇しているので、この「売りシグナル」は、フェイル(失敗)と考える。
1.0350ドル割れの安値から反発(上昇)して、一番右のレジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
1.17ドル台の高値を上に抜けるまでは、この一番右のレジスタンス・ライン「緑の破線」の傾きを緩やかにして、下落トレンドが持続している、と考えることも可能でしたが、先週の値動きで、1.17ドル台の高値を更新した。
それで、レジスタンス・ライン「緑の破線」を上に抜けた時点で、「買いシグナル」を発したことを確認した、と考える。
1.17ドル台の高値を更新したので、トレンド転換を考える必要がある、と考える。
この上には、1.18ドル台ミドル、1.2000ドルと、チャート・ポイント(重要な節目)があるが、上昇トレンドに転換したのならば、それらを意識する必要がある。
まずは、「1.18ドル台ミドルを上に抜けるのか、否か?」に、注目している。
■ヘッド&ショルダー完成による下落局面が終了した? 続いて、別のラインなどを表示したもう1つの月足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」を考えていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。
しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考える。
そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。
ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。
「ヘッド&ショルダー」の形状を「ピンクの破線」で表示している。
この「ヘッド&ショルダー」に着目して、その値幅が最大になる場合のターゲットを「茶色の破線(両端矢印)」で示している。
その場合のターゲットは、週足チャートを見てのとおりに、0.8000ドル近辺になる。
一番右の低い山に注目すると、その値幅は約2000ポイントだ。
今回の安値は、1.0350ドル近辺だから、ネック・ライン(=1.18ドル台ミドル)から、2000ポイント下のターゲットを達成できなかった、と考える。
ユーロ/米ドルは、「ヘッド&ショルダー」を完成したが、先週(7月24日~)、1.17ドル台の高値を上に抜けたことで、上述の「ヘッド&ショルダー」によるユーロ/米ドルの下落局面が、終了した可能性が出てきた。
■週足では「窓」を開けて急落し、「売りシグナル」を発していた 次に、週足チャートを覧いただきたい。ユーロ/米ドルは、1.2000ドルを割り込んだ時点で、「窓(Gap)」を開けて、「売りシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
そして、1.18ドル台ミドルの水平線「赤の破線」を割り込み、従来の安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。
レジスタンス・ライン「ピンクの破線」を表示した。
このレジスタンス・ライン「ピンクの破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
ユーロ/米ドルは、週足チャートに「緑の破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。
ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
ボックス相場「緑の破線」の上限は1.17ドル台前半程度、下限は1.0350ドル近辺、と考える。
チャートの形状を見ると、ボックス相場「緑の破線」の上限(1.17ドル台前半程度)が、レジスタンス(上値抵抗)だ。
このレジスタンス(上値抵抗)を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
さらに、1.18ドル台ミドルを上に抜ける場合は、トレンド転換が起こり、「下落トレンド」から「上昇トレンド」に転換する可能性がある。
現在のマーケット(相場)は、まさに1.18ドル台ミドル水準にある。
明確に、上抜けすると、トレンド転換と判断できる。
ボックス相場「緑の破線」を上に抜けたので、このボックス相場の値幅分(1400ポイント)上昇する可能性がある。
続いて、日足チャートをご覧いただき…