ドルは当面低空飛行!? 投資家が米ドルを 買えない一番の原因はトランプ大統領だ!

■米ドルは、よほどのことがない限り上昇しない! この1週間でよりはっきりしたことは、米ドルは、よほどのことがない限り上昇しないということです。
 8月4日(金)に発表された米国の7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が20万人台まで増加したほか、平均時給も高い水準を維持するなど、かなり強い結果となり、一時的に米ドルは上昇。
 米ドル/円は一時、111.053円まで値を上げることとなりましたが、翌週(8月7日~)からすぐに失速しました。
米ドル/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 4時間足)
■北朝鮮問題は、今後も相場に影響を与える材料となりそう… その直接的な原因となったのは、北朝鮮情勢の緊張感が高まったことでした。
 「グアム沖30~40キロメートル地点を弾道ミサイルで攻撃」する北朝鮮の計画が明るみなったほか、トランプ米大統領も挑発的な発言を繰り返すなど、一触即発の状態となりました。
 しかし、北朝鮮側が「米国の出方を見守る」という理由で「ミサイル攻撃」の実施を目先、取り止めたことが伝わると、緊張感がやや緩んだことで影響は急低下しました。
【参考記事】
●北朝鮮リスクは調整材料に使われただけ!? 基本トレンド変化なし。円高進めば買いたい(8月10日、今井雅人)
●トランプ氏の“ご乱心”に市場は過剰反応。今回の「リスクオフ」はホンモノではない!(8月14日、陳満咲杜)
 ただ、この問題は今後もくすぶり続けるので、そのたびに、一時的にせよ相場に影響を与えることになるでしょう。
■一番の原因はトランプ大統領、米ドルは買えない それよりも深刻なのは、やはりトランプ政権に対する不信感です。
【参考記事】
●米ドルを買う気になれない理由はどこに? ドル/円は引っ張り合いでレンジ長期化!?(7月27日、今井雅人)
 8月16日(水)、トランプ大統領は大企業幹部らが参加する大統領の諮問機関「米製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」を解散すると発表しました。
 そもそも、会議が積極的に開かれていた形跡もなく、事実上機能していなかったわけで、実際の影響という面では不透明なところはありますが、米製造業評議会のメンバーであった製薬大手メルク、半導体大手インテル、スポーツ衣料品大手アンダーアーマー、複合企業3M(スリーエム)、航空機エンジン・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ、食品大手キャンベル・スープの各CEO(最高経営責任者)らが、トランプ大統領の白人至上主義に反発して相次いで辞任したため、解散に追い込まれたというのが実情です。
米製造業評議会と戦略・政策フォーラムは解散に追い込まれた格好に…。米ドルを買う気になれない一番の原因は、やっぱりトランプ大統領!? (C)Mark Wilson/Getty Images
 コーンNEC(米国家経済会議)委員長も「嫌悪感を覚えるとともに動揺している」とトランプ大統領を痛烈に批判。トランプ大統領の直近の支持率は、36%程度にまで低下してきています。
 これでは、とても米ドルは買えないというのが、投資家の正直な感想でしょう。
 さらに、8月16日(水)に公表された…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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