米利上げ後の米ドル安継続、米ドル/円は 110円割れへ。下値模索はなぜまだ続く?
2017-03-23
前回、前々回と当コラムでご紹介してきた、FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げ後の「米ドル安・円高」は今週(3月20日~)に入って加速しています。
【参考記事】
●FOMC後のセル・ザ・ファクトを警戒! 米ドル/円が115円を突破するカギは…!?(3月9日、西原宏一)
●FOMC後の米ドル下落は想定どおり。ドル/円は113円台へ下落。上値は重いか…(3月16日、西原宏一)
●セル・ザ・ファクトによる米ドル安が継続。ドル/円は111.60円、節目110円も視野に?(3月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
米ドル/円は、2月の安値である111.60円をも割り込み、一時110.73円まで急落。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
この米ドル安は対円である米ドル/円だけでなく、ユーロ/米ドル、英ポンド/米ドルなど、主要通貨に対して広範に米ドル安が進行しています。
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
FOMCでの利上げが織り込まれている場合、利上げ後はセル・ザ・ファクトで米ドル安が進むという、マーケットの教科書どおりの相場が展開されました。
■トランプ政策への懸念で米国株の調整が鮮明に では、この米ドル安はどこまで続くのでしょうか?
今週(3月20日~)、米ドル安・円高が加速した背景には、米国株の下落があります。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
米国株の調整が鮮明になってきた背景は、トランプ政策への懸念。
トランポノミクス(※)への期待から続伸してきた米国株ですが、今月(3月)に入っても「トランプ米政権の減税、インフラ投資、金融規制緩和」の具体的な内容が示されないことに失望感が広がっています。
(※編集部注:「トランポノミクス」とは、ドナルド・トランプ氏とエコノミクス(経済学)を合わせた造語で、トランプ氏が掲げる経済政策のこと)
きっかけとなったオバマケア(米医療制度改革法)の改廃を巡る迷走が収まらないと、米国株の調整は続き、米ドル安・円高も継続することになります。
米ドル/円 日足(出所:Bloomberg)
ここで昨年(2016年)12月、FOMCが利上げをしたあと、米ドル/円で…