トランプ氏が「トンデモ発言」なく大統領 就任式を終えたら、来週からドル高期待!
2017-01-20
約1週間の海外出張の間に、相場は大きく乱高下しました。
前半は、先週(1月9日~)からの流れで米ドル安が進行する展開となりました。
特に、1月17日(火)に変動幅が大きくなり、米ドル/円は、一時112円台にまで下落しました。原因は、トランプ氏が新聞社のインタビューで「米ドルは高すぎる」という発言をしたことです。
これは中国人民元に対しての話だったのですが、全体的に米ドル安政策を取るのではないか、という観測が広がったために、米ドル全面安の展開となりました。
米ドル/円 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
■ドルロングポジションの調整売りが出た ただ、これはきっかけであって、やはりドルロングポジションが溜まり過ぎていたために、トランプ氏の大統領就任までに、ドルロングの調整売りが出たということだと思っています。
これは、IMM(国際通貨先物市場)のポジション動向を見れば、はっきりとわかります。
【参考記事】
●調整は続くか…。ドル/円が120円や125円水準へ上昇するために必要なこととは?(1月5日、今井雅人)
●残念な記者会見でドル/円は114円台へ!次はトランプ次期大統領の就任演説に注目(1月19日、今井雅人)
おそらく、今週末に発表される1月17日(火)時点での統計では、かなりドルロングが減っているのではないでしょうか。
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況(米ドル/円)(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
■次期米財務長官いわく、米ドルは一時的に高過ぎる水準 さて、本日1月20日(金)にトランプ氏が正式に米大統領に就任します。彼がどういう政策を実際に進めるのか、就任式のスピーチに注目しておきたいと思います。
就任当日にいくつか大統領令を発表する予定なので、この内容にも注目しておきたいと思います。
ところで、問題の為替政策でありますが、1月19日(木)に行われた次期米財務長官、スティーブン・ムニューチン氏の承認公聴会での発言で、かなり、はっきりしてきました。
彼の発言を簡単に要約すれば、「米国にとって長期的な米ドル高は望ましいが、今の米ドルは一時的に高過ぎる水準にまできている、という認識を持っている」ということです。
ですから、いっそうの米ドル高に対する警戒発言はこれからも出てくるとは思いますが、極端なことはしてこなさそうであるということでしょう。
次期財務長官に指名されているスティーブン・ムニューチン氏。 米証券大手、ゴールドマン・サックスの出身。トランプ政権の金融政策におけるキーマンになりそう。今後、もっと経済ニュースにも登場してきそうなので、しっかり名前と顔を覚えておきましょう! (C)Bloomberg/Getty Images
その認識の上で、現状の…