米ドルが魅力的な高金利通貨に変身!? 浜田参与も注目する「シムズ理論」とは?
2017-01-19
先週のコラムでご紹介したとおり、今週(1月16日~)は20日(金)に予定されている米大統領就任式に向けての調整に終始する展開。
【参考記事】
●トランプ氏の記者会見は期待はずれだが、国境税に注目! 中期ドル買いの好機到来(1月12日、西原宏一)
英国のメイ首相による「EU単一市場からの離脱表明」の演説へ向けて、リスクオフの流れとなり、米ドル/円は一時、112.55円まで下落しました。
しかし、下記のとおり、日本時間本日(1月19日)未明に行われた、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の講演がきわめてタカ派だったことから、米ドル/円は一気に115円近くまで反発しました。
昨年12月の利上げについては、景気の回復が継続するとの確信を反映していたと指摘
自身を含めたFRB当局者は、主要短期金利をFRBが2019年にかけて「毎年数回」引き上げていくと予想しているとし、金利水準は長期的に持続可能な金利である3%に近づくとの見通しを示した。
出所:ロイター
米ドル/円 1時間足 (出所:Bloomberg)
■米ドルは立派な高金利通貨に? 実際に米国の政策金利が3.00%に向かうとすれば、米ドルは金利面からも極めて魅力的な通貨となります。
一時、高金利通貨と称された豪ドルも現在の政策金利はわずか1.50%。NZドルですら現在1.75%しかありません。
豪州政策金利(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
NZ政策金利(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
このように主要国が低金利に張り付いていることと比較すると、米ドルは立派な(?)高金利通貨に変わりつつあります。
米ドルVS世界の通貨 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)
とくに日本の金利は日銀によりピン止めされていますので、日米金利差は急速に拡大。
金利面からも米ドル/円は上昇という流れは変わらず。
■今月の米ドル/円の調整はほぼ完了 米ドル/円の調整メドは38.2%である112.00円(38.2%の意味については前回のコラム参照)。
【参考記事】
●トランプ氏の記者会見は期待はずれだが、国境税に注目! 中期ドル買いの好機到来(1月12日、西原宏一)
1月18日(水)に112.55円まで下落し、その後、反発していることから、今月(1月)の米ドル/円の調整は、ほぼ38.2%まで到達し、完了しつつあると言えます。
このあとは、今月(1月)最大のイベントである20日(金)の米大統領就任式を待つのみとなります。
直近のマーケットの話題はトランプ政権の動向に集中していますが…