日中株価がさらに急落する可能性は低い。 中国政府の「死に物狂い」の対応策とは?

■ツイッターに書き込んだ懸念が現実のものに… 7月7日(火)の自分のTwitter(ツイッター)に、「ギリシャ問題は、世界の金融市場にはあまり影響が出ないとは思いますが、心配なのは、むしろ中国です」という書き込みをしました。
 いみじくも、翌日7月8日(水)から中国株が急落を始め、日経平均も急落。為替市場でも、リスク回避の円高が進行するという展開となっています。
■上海総合指数は、2000ポイント近くの上昇と下落! 中国株の代表的指数である、上海総合指数を例にとってみましょう。
 2015年に入ってから、3000~3500ポイントの水準でのもみ合いが続いていました。しかし、3月中旬から急上昇を始め、6月12日(金)には、5178ポイントの高値をつけています。
 3カ月の間に、2000ポイント近く上昇したことになります。
上海総合指数 日足(CQG)
 しかし、その後、一転して下落トレンドに入り、わずか1カ月で上昇し始めた頃の水準にまで戻してきています。
 驚くようなスピードで、下落してきたということになります。
■中国政府が打ち出した「死に物狂い」の対応策 これに対して、中国政府も様々な対策を打ち出しています。
 まず中国の主要証券会社が、中国株式投信に2.4兆円の資金をつぎ込むことを発表しました。
 それでも下落が止まらないのを見ると、中国当局は、企業の主要株主などの持ち株売却を禁止するという禁じ手に打って出ました。
 「死に物狂い」という印象です。
 これにより、やはり中国という国は、健全な資本主義国家とは違う、ということをさらけ出してしまったと、私は感じています。
 実質的には、典型的な国家資本主義の国なのでしょう。
■「山高ければ谷深し」で元の水準に戻っただけ 中国の問題は、それだけではありません。一番の問題は、実体経済に陰りが見えているということです。
 中国関係のビジネスを行っている日本企業も、中国での業績が落ちてきていると発言しています。
 新車の販売台数も、伸び悩んでいるようです。GDP成長率も、2015年は7%を下回るという見方が広がってきています。
 こうしたことが、株価急落の背景にあるのだと思います。
 実際には、上がった分だけ下がった、つまり「山高ければ谷深し」ということで、元の水準に戻っただけです。
 一度荒れた相場は、しばらく余韻を残すものであるので、まだしばらくは、乱高下が続くかもしれません。
 しかし、ここからさらに急落していくという展開には、ならないだろうと考えています。
 さて、日本の市場ですが…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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