基本は米ドル高と考え、米ドル買いを継続。 米ドル/円の買いと、ユーロ/米ドルの売り 方針が基本戦略

「米長期金利上昇=株価下落」の関係に大きな変化。米長期金利が上昇しても株価は上昇 この1週間で、米長期金利(米10年債利回り)と株価の関係に大きな変化が出て来ています。
 それ以前の金融市場ですが、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めに政策転換をしてから、米長期金利上昇が企業業績や株価にマイナスの影響という懸念が広がり、株価が下落傾向に入っていました。
 つまり、「米長期金利上昇=株価下落」という関係になっていました。
 そのため、FX市場ではリスクオフから円高になるという展開となっていました。
【参考記事】●チャートをよく見て、相場の転換点を探れ。大きな動きは長続きしないと考え、自分のトレードを相場に合わせていくしかない(2月3日、今井雅人)
 しかし、ここ1週間ほどでこの関係に変化が出てきました。
 米長期金利はここに来て、上昇傾向が鮮明になってきており、2%近くまでに上昇しています。
米長期金利(米10年債利回り) 日足(出所:TradingView)
 これまでであれば、米長期金利の上昇から株価が下落していたのですが、今回は株価が上昇しています。
NYダウ 日足(出所:TradingView)
時間が経過してくると市場も冷静になり、違う反応を見せるようになってくる この変化をどう考えるかということです。私の考えは次の通りです。
 ある事象があった場合、最初は市場が敏感になって過剰反応をすることがあります。
 しかし、時間が経過してくると市場も冷静になり、違う反応を見せるようになってくることがあります。
 たしかに米長期金利上昇は株価にマイナスの影響を与えることがありますが、超低金利の水準で、金利が上がり始めるときというのは、景気が回復しているときですので、企業業績は基本的には良好であるはずです。
 ですから、市場が冷静になってくると、米長期金利が上昇しても、株価も上昇するという流れになることがよくあります。
 今回もそういうことだったのではないかと考えています。
基本は米ドル高方向。米ドル/円は前回高値の116円台が視野に さて、その上で今後の相場展開について考えてみたいと思います。
 結論からいうと、米ドル高にまた戻るのではないかということです。
 株があまり下がらないということであれば、円高になるリスクがかなり軽減されることになります。
 そうすると、日米金利差を背景にした米ドル高という展開になりやすくなるのではないかと考えています。
 現在の米ドル/円は115円台半ばですが、前回高値の116円台が視野に入ってきました。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
 私は、現在でも120円までの上昇を中長期的には予想していますが、ただ、今回はそこまでの流れは出来ないかもしれません。
【参考記事】●米ドル/円は120円を目指し、さらには125円も視野に入ってくるか。2022年は、いよいよ本格的な米ドル高・円安の相場がやってくる!(1月6日、今井雅人)
 しかし、基本は米ドル高方向と考えて、米ドル買い方針を続けたいと思います。
ユーロ/米ドルは金利先高観の違いから下落する可能性が高い。日足チャートはダブルトップのような形 また、ユーロ/米ドルに関しても、米ドル高を予想しています。
 米国の金融引き締めが本格化することはまず確実です。
 一方のECB(欧州中央銀行)ですが、インフレに対する懸念は持っていますが、まだ、インフレが一時的なものであるという認識をECB関係者の多くは持っているようで、本格的な金融引き締めへの転換には慎重のようです。
 そうなると、米ドルとユーロの金利先高観の違いから、ユーロ/米ドルが下落する可能性が高いのではないかと予想しています。
 ちょうど日足チャートを見ると、ダブルトップのような形になっていて、高値圏で伸び悩んでいます。
 ひょっとしたら、うまく下落してくれるのではないかと期待しているところです。
ユーロ/米ドル 日足(出所:TradingView)
 米ドル/円、ユーロ/米ドルへの米ドル買い方針を基本戦略としたいと思います。

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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