GW相場で円高進行の米ドル/円はどこまで 下落?100円まで「円売り介入」はない!

■GWに入り、円高が一段と進行している ゴールデン・ウィークに入り、一段と円高が進行している。麻生財務大臣は、ゴールデン・ウィークに入ってから早々に、「円売り介入」の可能性を示唆した。
 しかし、米国財務省は、日本を為替政策の「監視国リスト」に指定し、意図的な円安誘導を牽制している。
 今のところ、日本が「円売り介入」を実施することは難しい状況、と考える。
 さて、今回は米ドル/円の分析を行なう。まず、日足チャートからご覧いただきたい。 
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 日足チャートを見ると、米ドル/円は「緑の破線(細線)」で表示した約6円幅のボックス相場を形成した、と考える。
 2015年3月10日の値動きでは、従来の高値である121.85円を上に抜けて、高値122.00-05円水準を付けた。
 しかし、明確に、122.00円を上に抜けていないので(=高値を更新したのに、跳ね上がらなかったので)この時点では、ボックス相場「緑の破線(細線)」が維持されていた、と考える。
 ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限は122.00円近辺、下限は115円台ミドル程度、と考える。
 そして、2015年5月下旬に、ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限である122.00円近辺を明確に上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
 この「買いシグナル」に従い、125円台後半(125.85円近辺)の高値を付けている。
 そして、この最高値圏での米ドル/円は、「茶色の破線(細線)」で表示したボックス相場を形成した、と考える。 
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「茶色の破線(細線)」の上限は、125円台後半程度、下限は120円台ミドル程度、と考える。
 このボックス相場「茶色の破線(細線)」を割り込み、「売りシグナル」を発し、そして、節目だった120.00円も割り込んだので、大きく急落した、と考える。
 米ドル/円は、116円台前半に急落したが、116円台前半からは強烈に反発し、121円台を回復している。
 しかし、その後の相場は、120.00円程度を中心レートにして、上下動を繰り返した。
 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「紫の破線(細線)」を形成した、と考える。 
米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「紫の破線(細線)」の下限は116.00円近辺、上限は122.00円近辺、と考える。
■米国の利上げ開始の思惑が拡大し、買いシグナル 2015年11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに、「12月の米国の利上げ開始」の思惑が拡大し、ボックス相場「紫の破線(細線)」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。
 米ドル/円は、123円台に上昇したが、124円台には届かなかった。
 2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMC(の直前には、120円台程度に下落したが、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、米ドルの利上げ開始が発表されて、123円台に上昇した。しかし、123円台からは下落に転じている。
 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「青の破線(細線)」を形成した、と考える。  
米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「青の破線(細線)」の上限は123円台後半程度、下限は120.00円近辺、と考える。
 2015年末(大みそかの12月31日)の時点では、120.00円がサポートになっていた。それで、2016年年明けの値動き(つまり、1月4日の値動き)に注目していた。
 年明け(1月4日)の値動きで、120.00円を明確に割り込み、つまり、ボックス相場「青の破線(細線)」の下限(120.00円)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と判断する。
 120.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」点灯後の米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成した、と考える。 
米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)
 ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限は121円台後半程度、下限は116.00円近辺、と考える。
 このボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成している最中に、1月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、米ドル/円は、121円台に急上昇した。この時の高値が、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限だ。
 そして、日足チャートを俯瞰すると…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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