英投資ファンドが東芝に2兆円超の買収提案。 ポンド調整入り。ユーロ/ポンド0.90ポンドへ

■英投資ファンドが東芝に買収提案。買収額は2兆円超 みなさん、こんにちは。
 今週(4月5日~)の話題はなんといっても、英国の投資ファンドが東芝に買収提案をしているという報道。

 4月7日(水)の日経新聞によれば、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが東芝買収を提案しており、買収額は2兆円超の見込み。
東芝に買収提案、英投資ファンドなど 2兆円超で非公開化
出所:日経新聞
 あの東芝がたったの2兆円というのは、私たちのような世代にとっては衝撃的な安さ!!!!
 ただ、若い世代にとっては原発事業が大失敗に終わった東芝ですよね?という感覚なのでしょうか?
 東芝の車谷暢昭(くるまたに のぶあき)社長は、2017年5月~2018年3月までCVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を務めており、いわば古巣からの提案ともいえます。
 「物言う株主」との対立が続く東芝の株式を非公開化した上で、企業統治体制を抜本的に見直し、経営判断を速めるのが狙いといわれています。
 この買収は、外資に買われてはいけないという「世論」が巻き起こることは必至。
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■買収が為替へ与える影響は? そして、為替トレーダーとしての興味は、この総額2兆円の買収が為替へどのような影響をもたらすのかということ。
 シンプルにいえば、「英ポンド売り・円買い?」ですが、大手ファンドであるCVCキャピタル・パートナーズの運用は基本的に「米ドル」でしょうから、影響が出るのは米ドル/円になるのでしょうか?
米ドル/円 日足(出所:IG証券)
 この買収報道は4月7日(水)に出されたばかりなので、今の時点では、為替への実際のインパクトはまったく不透明。
 しかし、マーケットは、この「東芝への買収提案=英ポンド/円下落」との連想で、先週(3月29日~)まで急伸していた英ポンドの動向は一変。
 今週(4月5日~)の英ポンド/円は大きく値を崩し、一時150.66円まで下落しています。
英ポンド/円 日足(出所:IG証券)
■米ドル/円の調整局面は押し目買いのチャンス 英ポンド/円が調整していることもあり、本校執筆時点での米ドル/円は110.00円割れの109.70円レベルで推移しています。
 今年(2021年)の米ドル/円は、年初(1月6日)の安値(=102.59円)から、わずか3カ月で、一時110.97円の高値まで到達。すでに、838pipsも上昇していることから、いったん調整局面入りです。
米ドル/円 日足(出所:IG証券)
 個人的には、中期の米ドル円/上昇スタンスは変わらず、この調整局面における米ドル/円の下押しは、再びロングでエントリーするチャンスだと考えています。
【参考記事】
●米ドル/円、アルケゴスショックへの反応も限定的。短期112円、中期120円へ上昇継続!(4月1日、西原宏一)
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■東芝買収報道きっかけに、英ポンドは調整局面入りか 一方、「東芝の買収」報道をきっかけに値を下げ始めた英ポンドは、調整に入った可能性が高まっています。注目は、ユーロ/英ポンド。
ユーロ/英ポンド 日足(出所:IG証券)
 以前コラムでもピックアップしましたが、英国の金融街・シティ(ロンドン金融市場)の地位低下もあり、英ポンドは年初からの勢いを失っています。
【参考記事】
●年初から暴騰していた英ポンドは急失速! 英金融街・シティの地位低下も影響か(3月25日、西原宏一)
 加えて、「アストラゼネカ製のワクチンと血栓に関連性も?」という報道が、英ポンド/米ドルの上値を重くしています。
英ポンド/米ドル 日足(出所:IG証券)
■ユーロ/英ポンドは0.9000ポンドへの反発過程 年初からの英ポンドの上昇は、対円や対米ドルでも明白でしたが、対ユーロでの上昇も際立っていました。
 そのため、英ポンドの調整も対ユーロであるユーロ/英ポンドの動きが際立っています。以下は、ユーロ/英ポンドの日足チャートです。
ユーロ/英ポンド 日足(出所:IG証券)
 ユーロ/英ポンドは、昨年(2020年)12月21日(月)に0.9217ポンドの高値に到達して以降、一方的に下落。そして、4月5日(月)に0.8472ポンドの安値をつけて、反発開始。いったん、0.9000ポンドへの反発過程にあると考えています。
 3カ月で約9円弱急騰した米ドル/円の調整局面は、再びロングをエントリーする好機。
 加えて、英投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズの東芝への買収提案をきっかけに、調整に入ったユーロ/英ポンドの動向に注目です。

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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