豪ドル/円は、85円がもう視野に入った! クロス円での円安傾向は今後も続きそう

■基本的な見方は変わらず。クロス円での円売り継続へ ここのところの当コラムでは、基本的にクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円売りポジションをすすめてきました。その一方で、米ドル/円、ユーロ/米ドルに関しては、まだまだレンジが続くという見方を、ずっとしています。
【参考記事】
●トルコリラ/円、年内20円程度までの上昇に期待できるか。緩やかな円安傾向は続く!(2月18日、今井雅人)
●ドル/円、当面は104円台~105円台の推移か。チャートポイントを意識したトレードを!(2月12日、今井雅人)
●細かいトレードの繰り返しでも利益は出る。レンジが狭い相場でも、あきらめないで!(1月28日、今井雅人)
●バイデン大統領就任で米株はご祝儀相場に。一目均衡表で見たドルやユーロの戦略は?(1月21日、今井雅人)
 こうした考えは、今週(2月22日~)も変えないようにしますが、ここで改めて、予想の背景について整理しておきたいと思います。と言っても、非常に単純な理由です。
■バブル状態がもたらす反射的な円安 まず、円相場に関しては、世の中にお金が余っていて、バブル状態になっていることの影響です。株式市場が好調なことはもとより、原油などの商品相場、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)なども、急上昇を続けています。
【参考記事】
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●官製相場の株式市場は当面、崩れない! ならば、為替は円安傾向が緩やかに続くか(2020年11月26日、今井雅人)
日経平均 日足(出所:TradingView)
NY原油(WTI原油先物) 日足(出所:TradingView)
ビットコイン/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → 仮想通貨リアルタイムチャート:ビットコイン/円(BTC/JPY)日足)
 こうした状態になると、反射的に円安になるという、市場の癖があります。
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
 それは、かつて円の金利だけが低かった状態が長く続いたために、いわゆる、円キャリートレードというのが、盛んになった時期があったことが影響しています。
 現在は、米ドルやユーロなどの金利も低いので、円の金利だけが低いわけではないのですが、一度ついた癖というのは、なかなか変わらないもので、今でもリスクオンになると円安になるということです。
【参考記事】
●円キャリートレードとは? リーマンショック時の巻き戻しでは、円安から急速な円高に一転!
●リスクオフの円高とリスクオンの円安。株高なら円安、株安なら円高は正しい?
■各国の通貨に、優劣がつかない状態へ また、米ドルに関しては、米国が他の国と比べて、特別、景気が良いとか景気が悪いとかいう状態にない、ということが挙げられます。
 新型コロナウイルスの影響で景気が落ち込んでいるのは、米国だけではありません。
 現在、ワクチンの接種が各国で進んでいます。イスラエルだけは、他の国を大きく引き離して接種が普及していますが、特に先進国においては、接種のスピードに大きな差が出ているわけでもありません。
 そうなると、コロナによる景気後退からの回復も、おそらく、同じようなペースになるでしょう。
 であれば、各国の通貨に、なかなか優劣がつかない、ということになります。こうしたことが、現在の相場の動きの原因となっているということです。
■豪ドル/円はもう、85円が視野入り! さて、そのうえで今後、どうなるかということですが、基本的にまだ、この動きは続くと考えています。
 自分のトレードで、今、一番うまくいっているのは、豪ドル/円の買いポジションですが、やはり、資源国通貨はこれからも有望だと考えています。豪ドル/円は、85円がもう、視野に入ってきています。
【参考記事】
●豪ドル/円の下値は、かなり堅いと見る! 長期保有目的で買いポジションをキープ(1月15日、今井雅人)
●コロナバブルは2021年も継続。資源国通貨買いが有効。米ドル/円はバイデン政権次第(1月7日、今井雅人)
●強い豪ドル。金利面からも、月足チャートからも、豪ドル/円は押し目買いでよさそう(2月22日、西原宏一)
●ビットコイン急騰の背景にあるものとは? 為替は、豪ドル/円が中期で100円へ上昇中(2月18日、西原宏一&大橋ひろこ)
●主要クロス円にとって、コロナショックは長かった円高時代の終焉を意味する存在!(2月19日、陳満咲杜)
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
■トルコリラ/円は、底固めをしてから再度上昇か ユーロ/円や英ポンド/円も、基本的には上昇傾向が続くと思います。ただ、金利差があまりなく、スワップポイント(スワップ金利)が取れない分だけ、上昇のスピードは鈍くなるのかもしれません。
【参考記事】
●FX初心者のための基礎知識入門:スワップポイントとは
ユーロ/円 日足(出所:TradingView)
英ポンド/円 日足(出所:TradingView)
 トルコリラ/円は、今年(2021年)に入ってからの上昇スピードがあまりに早かったため、現在、反動が起きています。しかし、これもそろそろ下げ止まり、底固めをしてからまた、上昇するのではないかと考えています。
【参考記事】
●トルコリラ/円、年内20円程度までの上昇に期待できるか。緩やかな円安傾向は続く!(2月18日、今井雅人)
トルコリラ/円 日足(出所:TradingView)
■米ドル/円は105~107円程度のレンジを想定 最後に米ドル/円ですが、これに関しては、前回のコラムで、レンジが切り上がった程度に考えておいた方が良い、という話をしましたが、その認識に変わりはありません。
【参考記事】
●トルコリラ/円、年内20円程度までの上昇に期待できるか。緩やかな円安傾向は続く!(2月18日、今井雅人)
 実際にその後、一時104円台まで下がる局面があり、そこからまた上昇するという展開となっています。
 105円~107円程度のレンジを想定しておけば、良いのではないでしょうか。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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