ビットコイン急騰の背景にあるものとは? 為替は、豪ドル/円が中期で100円へ上昇中

■ビットコイン急騰! 対円で500万円の大台突破の背景 みなさん、こんにちは。
 今週(2月15日~)の話題は、なんといってもビットコインの急騰。
 ビットコインは、2月17日(水)に、初めて5万2000ドルを突破。
ビットコイン/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/米ドル 日足)
 そしてビットコイン/円は、本稿執筆時点では500万円の大台に乗せており、553万円レベルで推移しています。
ビットコイン/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ビットコイン/円 日足)
 ビットコインの急騰は、金融市場の投機的バブルの象徴との見方もありますが、企業による受け入れ拡大という要因が大きいとの見方が大勢。
 前回のコラムでご紹介させていただいたとおり、テスラが15億ドル投資したことや、マイクロストラテジーが転換社債の発行を当初発表の6億ドル相当から9億ドルに拡大し、その資金でビットコインを買い増すことを決定したことが材料となっています。
【参考記事】
●ゴールド上昇で豪ドル/円は85円へ続伸中! テスラの購入発表でビットコインが暴騰(2月10日、西原宏一)
 ブルームバーグの報道によれば、「ビットコイン急上昇の理由は幾つかあるが、最も際立っているのは、インフレヘッジとして企業のバランスシートをビットコインに移行するという、マイクロストラテジーが始め、テスラが世に広めた流れだ」とのコメントがありましたが、個人的にも同感。
電気自動車(EV)大手のテスラをはじめ、企業はビットコイン受け入れを拡大していて、これが急騰の要因との見方が大勢。写真はテスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者) (C)Getty Images
 新型コロナウイルスの影響で、世界中で金融緩和の拡大が続くと、通常、インフレヘッジを考えます。そのツールのひとつとして、ビットコインがピックアップされているわけです。
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■台湾の天才・オードリータン氏の時給は1ビットコインだった ビットコインの話題の中で、個人的に興味深かったのが、台湾の天才オードリータン氏の記事でした。
 オードリータン氏は、台湾の政治家であり天才プログラマー。
 オードリータン氏は、「台湾のコンピューター界における偉大な10人の中の1人」として知られていますが、日本で有名になったのは、新型コロナウイルスが蔓延する台湾で、マスク在庫がリアルタイムで確認できるアプリ「マスクマップ」を開発し、その対応が絶賛されたことでした。
 メディアアーティストの落合陽一さんなどとも対談されているのが、よくメディアにあがっているので、そうしたところから名前を知ったという人も多いと思います。
 注目は、そのオードリータン氏がアップルのデジタル顧問をしていた時の契約。
 報酬は、時給=1ビットコイン!
 以下は、2020年3月6日公開された記事の一部を抜粋したものです。
唐鳳が当時、アップルと結んだ契約は時給=1ビットコイン(14年当時は1ビットコインが5、6万円。現在は90万円台)。唐鳳が創業で作った資産と、後に価値が高騰したビットコインを合わせれば相当な金額の資産を有するようになった。
出所:nippon.com
 2014年当時のビットコインは5万円ですが、現在は550万円水準。1日10時間働くとして日当10ビットコイン。現在の価格で換算すると、日当で5500万円ですか…。
 ただ、ここでのポイントは、ビットコインが急騰したということよりも、7年前の2014年に台湾の天才がビットコインに目をつけていたというところ。
 そういえば、アップルのスティーブ・ジョブズ氏の年収も1ドルでしたが、役員報酬として新しいジェット機と1000万株のストックオプションが提供されていたと言われています。天才のやることは違いますね。
 ともあれ、ビットコインは、まず5万ドル、そして最終的には10万ドルといわれていますが、あっという間に5万ドルは超えてしまいました。ビットコインの上昇は続くのでしょう。
■豪ドル/円は中期で90円、100円へ向けて上昇中! 視点を外国為替に戻すと、当コラムで毎週取り上げてる豪ドル/円ですが、一時82.41円まで上昇しました。
【参考記事】
●ゴールド上昇で豪ドル/円は85円へ続伸中! テスラの購入発表でビットコインが暴騰(2月10日、西原宏一)
●対ユーロで上昇余地が拡大している豪ドル。豪ドル/円も85円に向けて上昇再開!(2月4日、西原宏一)
 以下は、豪ドル/円の月足チャートです。
豪ドル/円 月足(出所:TradingView)
 過去10年間に渡っての豪ドル/円の高値は105.43円(2013年4月)で、安値は59.91円(2020年3月)。この50%戻しは82.67円になります。
 そのため、82円台ミドルをクリアに抜いてくるのは、多少時間がかかると想定していますが、豪ドル/円の上昇トレンドは変わらず。中期では90円、次は100円を目指して上昇すると想定しています。
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■菅首相の発言も、豪ドル/円上昇の後押しに? 当コラムで注目の豪ドル/円ですが、今週(2月15日~)は、豪ドル/米ドルが伸び悩む中、米ドル/円が反発することによって、豪ドル/円が82円台ミドルまで上昇しています。
豪ドル/円 日足(出所:TradingView)
 そのきっかけとなったのは、菅首相のコメント。
 菅首相は、衆院予算委員会での答弁において、「米国の株価とか、わが国の株価とかも見るが、基本的に為替について私自身は注視している」とコメントしました。
 今年(2021年)の米ドル/円相場を振り返ってみると、年初に米ドル/円が円高に傾いた局面での103.20円レベルでは、三者会合の報道が飛び出し、円高を抑制。
【参考記事】
●米追加経済対策に絡むサプライズ報道で米ドル反発。 ユーロ/米ドルは戻り売りで(1月14日、西原宏一)
 その後、2月初旬に「マイナス金利深堀り」の話題が出た時も104.50円を割り込み、再び円高に傾きそうな局面でした。
 このように、円高牽制コメントと取られかねないコメントが続くことは偶然ではないのか(?)と勘ぐりたくなります。
 ともあれ、円高に振れると本邦当局からこういうコメントが出るのであれば、米ドル/円のダウンサイドは徐々に限定的になるのではないかと考えます(最近、ユーロ/米ドルもユーロ高に触れると、ECB(欧州中央銀行)からのユーロ高牽制コメントがでてきますが…)。
【参考記事】
●ゴールド上昇で豪ドル/円は85円へ続伸中! テスラの購入発表でビットコインが暴騰(2月10日、西原宏一)
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
 この環境下、米ドル/円が正の相関性を示す米10年債利回りが1.30%を超えて上昇を続けると仮定すれば、米ドル/円は底堅いだけではなく、上昇することになります。
米10年債利回り 日足(出所:TradingView)
 結果、豪ドル/米ドルと米ドル/円が底堅ければ、短期の調整はあっても豪ドル/円の上昇トレンドは変わりません。
豪ドル/円 週足(出所:TradingView)
 節目の82円台ミドルのブレイクには時間を要するでしょうが、やはり中期での豪ドル/円は90円、さらには100円へと続伸するのではないでしょうか。
 台湾の天才・オードリータン氏も目をつけていたビットコインの急騰、そして、続伸する豪ドル/円の行方に注目です。

参照元:ザイFX! 西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

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