好材料多いが、米ドル/円は104円割れ…。 米感謝祭に向けた調整で100円へ下落か
2020-11-19
マーケットでは、新型コロナウイルスのワクチン開発について、進展報道があれば強烈なリスクオンになるというのがコンセンサスでした。
【参考記事】
●新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
先週(11月9日~)のファイザーのワクチン報道を受け、「グロース株からバリュー株へ」という強烈な資金移動はあったのですが、総じて米国株は上昇。
【参考記事】
●上値の重さを確認したドル/円を戻り売り! 日経平均は独歩高。短期的な調整を警戒か(11月16日、西原宏一&大橋ひろこ)
そして、今週(11月16日~)、モデルナのワクチン開発の進展報道を受け、再び米国株、日本株とも急伸。一時NYダウは2万9964ドル、日経平均は2万6057円まで急騰しました。
NYダウ 日足(出所:TradingView)
日経平均 日足(出所:TradingView)
待望のワクチン開発報道を受け、マーケットはリスクオン一色。
ただ、材料出尽くしの感もあり、モデルナのワクチン報道以降、NYダウは3万ドルに乗せられず、じり安。日経平均も2万6000円台を維持できす、軟調推移となりました。
■ワクチン開発報道は、米ドル/円の売り場にしかならず… このようなマーケット環境下、ワクチン報道を完全に織り込み、「単に売り場提供でしかない」としている相場があります。
それは、米ドル/円のマーケット。
ファイザーのワクチン報道がマーケットに流れた時の米ドル/円は、103円台ミドルレベル。そこから一気に、105.68円レベルまで急騰しました。
米ドル/円 日足(出所:TradingView)
筆者もワクチン開発進展の報道が出たときは、米ドル/円か豪ドル/円をロングにすることを決めていたので、豪ドル/円をロングにしました。
【参考記事】
●新型コロナのワクチン開発期待で、市場はリスクオン。豪ドル/円は80円へ向けて上昇(11月12日、西原宏一)
しかし、米ドル/円は、それ以上値を上げられず、反落。
そして今週(11月16日~)は、週初からモデルナのワクチン開発進展の報道が飛び出すのでは?とのウワサがマーケットに流れていました。
さらに、その報道が飛び出すのは先週(11月9日~)同様、月曜日ではないかという憶測がマーケットのコンセンサスになっていたのです。
筆者が執筆しているメルマガ「FXトレード戦略指令! with 日経先物」でも、「今週の注目はモデルナの臨床試験結果」と配信していました。
モデルナのワクチン報道は、憶測どおり月曜日に飛び出し、このウワサを受け、米ドル/円は再び急騰。
ただ、今回は、先週(11月9日~)のファイザーの報道を受けた米ドル/円の反応を確認していたので、多くの参加者は、モデルナのワクチン報道で、仮に米ドル/円が反発すれば、売り場として認識していたことから、105.13円を高値に反落しました。
筆者も「105.10円で米ドル/円のショートを追加」と、メルマガで配信しています。
米ドル/円 4時間足(出所:TradingView)
■節目の104円を割り込んだ米ドル/円 その後の米ドル/円は、あっさり値を下げ、本稿執筆時点では、節目の104.00円を割り込み、103.78円レベルで推移している状況です。
ここでもう一度、米ドル/円の動きを確認すると、ファイザーのワクチン報道を受けての米ドル/円の高値は105.68円。モデルナのワクチン報道を受けての米ドル/円の反発は105.13円止まり。
マーケットが大きな期待を抱いて待っていたワクチン開発報道でも、米ドル/円は一時的に値を上げるのみで、結局反落しています。
さて…