米ドル/円は106円を超えれば110円も視野! 米ドル安ではなく、緩やかな円安の可能性

 注目の米大統領選は、バイデン候補の勝利が、ほぼ確定的になりました。トランプ陣営が、不正選挙だと各地で訴訟を起こしていますが、おそらく、上手くいかないと思います。
【参考記事】
●米大統領選とは? 制度のしくみや特徴、米ドルなどの為替相場や株価への影響を解説
●大接戦の米大統領選。結果確定には時間を要するか。バイデン氏勝利なら株高・円安へ(11月5日、今井雅人)
●米大統領選はバイデン氏勝利が既成事実化。米ドル安継続、豪ドル/米ドルの押し目買い!(11月9日、西原宏一&大橋ひろこ)
 市場も、バイデン大統領を前提に動き出していますので、その前提で、今後の展開を考えてみたいと思います。
■バイデン候補の勝利確実視で、なぜ株価は上昇した? バイデン候補の勝利が確実視されてからの市場の反応は、最初は、株上昇と米ドル安でした。
NYダウ 日足(出所:TradingView)
ドルインデックス 日足(出所:TradingView)
 なぜ、株価が上昇したのか? それには、2つの理由が説明されています。
 まず第1は、バイデン大統領は、新型コロナウイルス対策として、巨額の経済対策を講じる可能性が高いということです。
 確かに、トランプ大統領より、マスクの着用など感染拡大対策は厳しくなります。しかし、行動を抑制するものではなく、あくまでも、マスク着用やソーシャルディスタンスの徹底を推進していくわけですから、それほど経済活動に致命的なダメージを与えるものではないと思います。
 その一方で、巨額の財政出動をするということになれば、株式市場が好感するのも、もっともだと思います。
■市場はバイデン大統領の誕生に好意的 2つ目の理由は、ちょっと逆説的なものです。
 バイデン候補は、社会保障の充実などのために、増税政策を打ち出しています。これは、アンチビジネスですので、株式市場にはマイナスになります。
バイデン候補が公約に掲げている増税政策は、株式市場にとってはマイナス要因だが… (C)Scott Olson/Getty Images News
 しかし、上院で共和党が過半数を占める可能性が高くなっていますので、法案が通らず、増税ができない。だから株価が上昇しているという説です。
 しかし、そうであれば、巨額の経済対策は通るのかという、同じ問題を抱えるわけですから、ちょっとこの説は、説得力がないのではないかと考えています。
 いずれにしても、金融市場は、バイデン大統領の誕生を好意的に受け止めた、ということだと思います。
 ところが、それで米ドル安になるということが…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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