「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」 2つの損失リスクをFXオプションで確実に軽減する方法
2020-02-19
FXオプションを使うことで確実に制御できる損失リスクとそのやり方についてまとめました。今回の記事は、連載を自分で読み直していて「伝えきれていない部分」と感じたので補足させていただきます。FXオプションでの損失リスク「損失限定」とか「損しにくい」などと似たような表現を使ってきました。ここは混乱しがちな部分なのでここで整理させていただきます。FXオプション 2つの損失リスクについてFXオプションでは、損失リスクは2つに分けて考えると良いと思います。2つの損失リスク損するかもしれないリスク大損するリスクFXでは、この2つは運用スタイルによって違ってきます。高勝率運用(数銭単位でこまめに利益をだしていく)⇒損しにくいが、損失を出したときは大き目になりやすい。損きりを多用する運用法⇒損し易いが、1回辺りの損失額は少な目FXでは売買のやり方で変わってくる部分なので、無理に分けて考える必要はないんですよね。FXオプションでは、作る「ポジション」によって「損失リスク」が大きく違ってきます。なので、FXオプションを使えばFXでは不可能な損失リスの制御ができてしまうのです。やり方は簡単で、FXオプションを「買い」で仕掛けるか「売り」で仕掛けるかの違いです。それだけで、「損失リスクの取り方」が違ってきます。「損するかもしれないリスク」を減らす「売り」ポジションそのトレードが「損失になりやすいかどうか」についての部分が、「損するかもしれないリスク」です。この「損するかもしれないリスク」を減らすには、FXオプションでは「売り」を使うことで可能となります。「損するかもしれないリスク」を減らすポジションコールオプション売りプットオプション売りいずれも「利益限定・損失限定なし」という性質を持ちます。同時に、この2つの「売り」は確率的に「利益となりやすい」傾向があります。裏を返せば、「損するかもしれないリスクを減らしたポジション」が自然にできるということです。具体的にそれがどのようなものか、この画像をご覧ください。損するかもしれないリスクを減らすこの画像は、米ドル円レート109.83円でのプットオプションの売買画面です。薄赤色部分が、損しにくいポジションを作りたいときに仕掛ける部分です。この画像で作るポジションは「プットオプション売り」です。「上げ相場で利益・下げ相場で損失」という性質を持ちます。権利行使価格別に、プレミアム価格を抜き出してみましょう。プットオプション売り 権利行使価格とプレミアム権利行使価格107.00円:プレミアム0.176権利行使価格107.50円:プレミアム0.239権利行使価格108.00円:プレミアム0.322権利行使価格108.50円;プレミアム0.427権利行使価格109.00円:プレミアム0.566権利行使価格109.50円:プレミアム0.750記事を書いている日が2月17日で、この画像の権利行使日が4月8日です。それぞれ、権利行使日にこれらの権利行使価格まで下がらなければプレミアムは満額受け取れます。仮に権利行使価格よりも下がったとしてもプレミアム以上下がらねば最終利益は確保できます。最終利益が確保できるラインを、私は「損益分岐点」と呼んでいます。例えば、権利行使価格107円のプットオプション売りを仕掛けた場合の損益分岐点はこうなります。損益分岐点計算損益分岐点=権利行使価格107円ー0.176=106.824円米ドル円レート109.83円で仕掛けて、106.824円よりも下がらねば損失にはなりませn。この条件であれば、最終的に損失になる可能性は大分薄いですよね。これが、「損するかもしれないリスクを減らす」という意味です。この「売り」は、「出来るだけ損をしたくない」あるいは「高勝率で勝ちやすいトレードをしたい」というときに使えます。でも、このポジションは損しにくいけれど損失は限定されていません。為替相場の展開次第では大きな損失をこうむる可能性もあります。「損しにくい」よりも「損失限定」を防ぐことの方を重要視するのであれば、次の「大損するリスクを減らす」ポジションが有効になります。「大損するリスク」を減らす「買い」ポジションこれは、「損失額自体が大きくなるかどうかのリスク」です。FXオプションは、あらかじめ「大損しないようにする」ということができます。それが、「大損するリスクを減らす」という意味です。これに該当するポジションが以下の2つです。大損するリスクを減らす2つのポジションコールオプション買いプットオプション買い2つとも、「損失限定・利益限定なし」という性質を持ちます。ポジション作成時の必要資金も少なく済む傾向があり、損失自体も限定されます。実際のポジションは以下の画像で説明させていただきます。大損するリスクを減らす先程の画像1と同時館の米ドル円プットオプション買いできるプレミアム表です。薄赤色部分となっているところが、プットオプション買いができる権利行使価格です。これも画像該当部分を抜き出してみましょう。プットオプション買い 権利行使価格とプレミアム権利行使価格107.00円:プレミアム0.243権利行使価格107.50円:プレミアム0.306権利行使価格108.00円:プレミアム0.388権利行使価格108.50円:プレミアム0.493権利行使価格109.00円:プレミアム0.633権利行使価格109.50円:プレミアム0.818権利行使価格110.00円:プレミアム1.058権利行使価格110.50円:プレミアム1.363権利行使価格111.00円:プレミアム1,729権利行使価格111.50円:プレミアム2,142プットオプション買いでは、このプレミアム部分が「損失上限」となります。損失上限ですので、これからどのような相場変動があってもこれ以上は損しないということです。権利行使価格107円のプットオプションを10万通貨保有した場合0.243×10万通貨=24,300円このポジションは米ドル円が107円を割るところまで下げないと大きく上昇することはありません。この時点の米ドル円レートが米ドル円レート109.83円ですので、最終利益を出すには厳しいポジションです。でも、最大損失は24,300円に限定されます。米ドル円がどれだけ上昇しようとも損失額が増えることはありません。FXオプションで、コールオプション買いやプットオプション買いを使う限り、「大損するリスクを減らす」ことが確実にできます。でも、損しにくいわけではありません。むしろ、確率的に損失になりやすいという特長があります。FXオプションを使うことで、2つの損失リスクのどちらかを確実に制御することができます。それは同時に「どちらの損失リスクを制御するか」を選ぶという意味でもあります。FXオプションで制御できる損失リスク「損しにくい事」を重視するか。「大損リスクを減らす事」を重視するか。どちらかを選んで制御する。両方を実現することはできません。どちらかを重視するかで目的に合ったポジションを選ぶ感じになります。 FXと組み合わせてパワーアップ「損するかもしれないリスク」と「大損するリスク」を分けて考えるのは慣れるまではややこしい部分です。でも、この仕組みのお蔭でFXオプションは「損失のコントロールがしやすい」のです。FXと組み合わせることで、この有益性はさらに拡がります。例えば、こういう売買です。FX買いポジション+コールオプション売り⇒相場上昇時には、コールオプション売りで発生する損失をFXポジションが補ってくれる。FX買いポジションではなくプットオプション売りから仕掛ける⇒利益を出しやすいポジションで攻めて、大きく下落したときは有利な値でFXポジションとして引き取るFXでは攻めきれない暴落・暴騰相場の攻略⇒大損する可能性のない「FXオプション買い」で攻める。FXとFXオプションをそれぞれ有利な局面を選んで使い分けていきます。損失額もある程度コントロールしていけるので、長期的に安定した運用にもつなげられるはずです。この組み合わせは現在も試行錯誤中ですので、実際に仕掛けたポジションで順次紹介させていただく予定です。
参照元:お気楽FX 相場生活入門編