2大米銀の2020年為替予想は米ドル安! 米大統領選挙は波乱要因になるのか?
2019-12-26
このコラムで何度か取り上げましたが、過去数年の為替市場は、主要米銀の年間予想を年末から年初に、一気に織り込む動きが目立つようになってきました。
【参考記事】
●12月は2020年を先取りする米ドル安進行!? 英総選挙に向けて英ポンドは1.33ドル台へ(12月5日、西原宏一)
そして、その動きが徐々に前倒しになっています。
たとえば、昨年(2019年)の主要米銀の米ドル/円の予測は、105円への円高というのが目立っていました。
【参考記事】
●米ドルは早晩ピークアウトする!? 2019年にかけて、米ドル弱気派が急増するワケは?(2018年11月22日、西原宏一)
●2019年の米ドル/円は105円台へ下落か。リスクオフ相場到来なら100円近くまで想定(2018年12月27日、西原宏一)
その予測は、確かに1月に織り込みに行きましたが、そのタイミングは、なんと1月3日(木)。2019年の米ドル円/は、1月3日(木)に一気に104.87円をつけ、105円というターゲットに早々と到達。その後は、レンジ相場へ突入という展開。
米ドル/円 週足(出所:TradingView)
■2020年の2大米銀の予想をチェック では、2020年の2大米銀の予想はどうか?
(出所:筆者作成)
モルガン・スタンレー、そしてゴールドマン・サックスも、英ポンド/米ドル中心に米ドル安予想。そして、来年(2020年)の英ポンド/米ドルは、1.3500~1.4000ドルへ上昇するとのシナリオです。
確かに、今年(2019年)もそうした動きが顕著になっており、11月後半から英ポンド/米ドル、NZドル/米ドルは続伸。
さらに、今月(12月)13日(金)の英国総選挙では、保守党圧勝というニュースを受けて、英ポンド/米ドルは一気に1.3512ドルまで急騰しました。
その後、セル・ザ・ファクトにより、一時1.2905ドルと、600pipsも反落しています。
英ポンド/米ドル 日足(出所:TradingView)
つまり、年を超えるどころか、年内に最初のターゲットに到達し、調整に入っていることになります。
【参考記事】
●2大イベント終了で利益確定の動き加速!? トランプ大統領の弾劾裁判の影響は…?(12月19日、西原宏一)
モルガン・スタンレーによれば、来年(2020年)のNZドル/米ドルのターゲットは0.6900ドルなのですが、本稿執筆時点でのNZドル/米ドルは0.6649ドルまで上昇しており、ターゲットまであと250pipsということになります。
NZドル/米ドル 週足(出所:TradingView)
NZドル/米ドルは、まだターゲットに向けて順調に上昇中とも言えますが、英ポンド/米ドルは、英国の総選挙までの一方的に上昇する、比較的簡単な相場は終了し、年を超える前にいったん調整局面入り。
ただ、2020年も、「クリフエッジブレグジット」(前回コラムを参照)がささやかれる英ポンド/米ドルは、ボラティリティの高さを維持する可能性が高く、来年(2020年)も注目通貨は、英ポンド/米ドルということになりそうです。
【参考記事】
●2大イベント終了で利益確定の動き加速!? トランプ大統領の弾劾裁判の影響は…?(12月19日、西原宏一)
ここで気になるのは…