主要クロス円の反落は押し目買いの好機。 NYダウのバブルは3万ドルを超えてから!

■ユーロ/円、豪ドル/円の反落が米ドル/円の頭を押さえた 米中合意の可能性が注目される中、為替相場は米ドル全体がやや米ドル高の方向に傾いた。ドルインデックスは200日移動平均線(200日線)の支持を確認した形で98前半を再打診、主要外貨のうち、ユーロと豪ドルの反落が大きかった。
【参考記事:FX初心者のための基礎知識入門】
●キング・オブ・テクニカル指標。相場の動きをなめらかにする移動平均線とは?
ドルインデックス 日足(クリックで拡大)(出所:TradingView)
 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)において、ユーロ/円と豪ドル/円の反落が米ドル/円の頭を押さえ、200日線乗せの本格化を後ずれさせた感じだ。
世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足) 
米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:TradingView) 
 しかし、米国株を中心に、堅調な値動きが続く以上、リスクオフに逆戻りはなかろう。したがって、ドルインデックスの反発をリスクオフの前兆とは解釈できないだろう。
 要するに、途中のスピード調整という位置づけでフォローしていけば、メインシナリオから外れることはない。
 なにしろ、典型的なリスクオンの局面では、「米ドルは対円のみ上昇の傾向が鮮明となり、米ドルは対主要外貨ではむしろ反落した結果、主要クロス円が揃って上昇を加速する」といった市況が想定されるから、本格的なリスクオンの局面はこれからだともいえる。
■バブルの話はNYダウが3万円台に乗せてからでも 筆者が繰り返し指摘してきたように、足元の米国株はバブルではないことも、非常に重要な視点である。米国株のバブル化があれば、むしろこれからなので、それは為替市場の値動きと整合性をもって表れるだろう。
【参考記事】
●米国株の本格的なバブルはこれからだ! 米ドル/円の反落はスピード調整にすぎない(2019年11月1日、陳満咲杜)
 具体的な数値を言うのは躊躇されるところもあるが、あえて言うなら、NYダウが3万ドルの大台を超えたあとでバブル云々を言っても遅くなかろう(とはいえ、NYダウの3万ドル達成があればバブルと認定できる、とは限らないから、ご注意を)。
NYダウ 日足(クリックで拡大)(出所:TradingView) 
 いずれにせよ、目下の米ドル/円は非常に「出遅れている」感が強い。何しろ、今月(11月)の米ドル/円は、変動率が非常に小さく(値幅は1.6円程度しかない)、このままでは2019年年初来、最低水準の変動率となる。
 しかし、2019年年初来の値幅自体も大したものではない。4月高値112.41円から8月安値104.45円で計算すれば、約8円程度なので、このままで年末を迎えれば、昨年(2018年)の10円足らずよりも低い水準を記録してしまう。
米ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:TradingView) 
 昨年(2018年)は歴史的に低い変動率だったことから考えて、記録更新の可能性もあるが、やはりこれから動く可能性も大きいのではないかと思う。今年(2019年)ももう少しで終わるところではあるが…。
 ゆえに、仮にこれから米ドル/円が上昇を加速していっても、別にサプライズではなかろう。「正常な」市況に戻るだけなので、むしろ当然な成り行きであろう。米ドル/円の続伸、また、上昇モメンタムの加速があれば、クロス円の上昇なしでは整合性が取れないから、前述のドルインデックスの位置づけに関する見方と合致する。
 前述の見方が正しければ、目下みられるユーロ/米ドルの…

参照元:ザイFX! 陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です