市場の過剰反応は利益を上げるチャンス! 米ドル/円は当面、逆張り戦略が有効か?
2019-07-11
※米労働省労働統計局のデータをもとにザイFX!が作成
この結果を受けて、米国の長期金利(10年物国債利回り)が急上昇し、2%を超えてきました。
米長期金利(米10年債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
また、為替市場でも米ドル高の展開となりました。
米ドルVS世界の通貨 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
この発表のあと、今後、米ドル高に転換していくと予想している人がいるようですが、私はまったく、そう思いません。
【参考記事】
●強い雇用統計。今週はパウエル議長証言に注目! 材料顕在化でユーロ/円戻り売りか(7月8日、西原宏一&大橋ひろこ)
■米ドル高は市場の歪みが原因! まず、頭に入れてほしいことは、そもそも、この雇用統計発表前に、市場はかなり歪んでいたということです。
米国の短期金利の先物市場を見ると、指標(雇用統計)の発表前は、7月に実施されるFOMC(米連邦公開市場委員会)において、0.5%の利下げが決定される水準まで織り込んでいました。
ここ数年、FOMCでは、利下げにしろ、利上げにしろ、1回につき0.25%の金利変更を実施してきました。それにも関わらず、今回、0.5%の利下げを織り込んでいたわけです。
※2008年12月以降は誘導目標レンジの上限を掲載
※FRBのデータをもとにザイFX!が作成
仮に、リーマンショック級の危機が現在、発生しているのであれば、ある程度は理解できます。しかし、現状を見ると、確かに景気は以前に比べて腰折れしてきているものの、危機が発生しているわけではありません。つまり、そもそも市場の反応が、過剰だったということです。
それが、今回の雇用統計によって、水を差されただけにすぎません。
【参考記事】
●市場の米利下げ織り込みは過剰すぎる! 当面は米ドル安・円高の揺り戻し相場か(6月6日、今井雅人)
■パウエル議長が利下げ示唆。米ドルは再び反落へ すでにFOMCでは、先行きは利下げ方向にあることは、示されていたわけです。今回の雇用統計の結果だけで、その方向が変わるわけではありません。
すぐ、そのことに市場も気がついて、冷静な反応になってくるだろうと考えていましたが、実際、そうなってきました。
7月10日(水)の議会証言で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「米国の景気拡大が鈍化してきている」ことや、「利下げの必要がある」ことを明らかにすると、再び、米ドルは反落しています。
【参考記事】
●7月FOMCでの0.50%利下げ予測が再燃! ドル/円は目先104円台、中期的に100円へ(7月11日、西原宏一)
7月10日(水)に下院金融サービス委員会での証言で、7月FOMCで利下げを行う可能性があることを示唆したパウエルFRB議長 (C)Bloomberg/Getty Images News
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
市場の先行きを考えるときは…