世界的株安でも米ドル/円はなぜしっかり? 米ドル高鮮明に。111円台は買い方針で!

■株式市場の下落は投資家の漠然とした不安感!? ここにきて、世界中の株式市場が不安定になってきました。その動きを誘発しているのは、米国です。
 NYダウは、10月3日(水)に2万6951.81ドルの史上最高値を更新したあとは、下落基調に入り、直近では、2万4500ドル台にまで下落する局面もありました。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
 下落の直接的な原因は、特段、見当たりませんでしたが、米国の政策金利が継続的に引き上げられてきたこと、長期金利が上昇してきていること、そして、トランプ米大統領が引き起こしている貿易戦争の影響などが背景にあり、投資家が先行きに漠然とした不安感を抱き始めているという表れだと考えられます。
米長期金利(米10年債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
 実際のところ、キャタピラーや3Mなど、米国の一部企業の業績が悪化してきていることが、一連の貿易戦争によるものではないかという見方も出てきて、株価の下落を誘う場面もありました。
■下落傾向はそろそろ終わり。しばらくは乱高下へ 日経平均をはじめとして、各国の株式市場も、米国の株式市場の下落を受けて、軒並み下落傾向に入っています。
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
 今後、株式市場がどう展開していくか、非常に読みづらくなっていますが、個人的には今回の下落傾向はそろそろ終わり、しばらく乱高下する展開に変っていくのではないかと思います。
【参考記事】
●日米株の調整は終盤戦。株が大波乱でも米ドル/円の動きはなぜ、限定的なのか?(10月19日、陳満咲杜)
■米ドル/円がしっかりしている理由は…? ただ、そうした不安定な動きの中でも、米ドル/円はしっかりしています。
米ドル/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
 これだけ不安定な動きをすれば、リスクオフの流れから、米ドル/円ももっと、円高に振れてもいいところですが、実際は、非常に安定した動きを続けています。
【参考記事】
●NYダウ急落は下落相場の始まりではない!? 想定どおり調整のドル/円は111円台を買い(10月11日、今井雅人)
 昨日(10月25日)も、111円台に突入する場面がありましたが、そこでは日本の実需の米ドル買いが途切れることなく、結局、112円台に押し戻されています。
 米ドル/円に関しては、やはり、円売りの需給が円高になっていくことを、かなり防いでいる面があるのではないかと考えています。
【参考記事】
●金利環境を見れば当面、米国が一人勝ち!? 本邦M&A活況で米ドル高・円安相場に!(6月15日、今井雅人)
●中国はトランプ大統領に徹底抗戦の構え! 市場が注目する、その他2つのポイントとは?(7月5日、今井雅人)
 一方、米ドルサイドで考えてみると、米ドル高の傾向が…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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