金融市場大荒れの背景に3つの要因あり! 米ドル/円は、当面110円~112円程度で推移
2018-12-27
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
大荒れとなっている原因は1つではなく、さまざまな要因が重なり合って、今回の展開となっています。
■FOMCが株式市場にマイナスの影響 まず、1つ目はFOMC(米連邦公開市場委員会)です。先週、12月18日(火)~19日(水)に実施されたFOMCでは、0.25%の利上げは確実視されていた一方で、多くの市場関係者が、来年(2019年)以降の利上げが、今回のFOMCでいったん、ペンディング(保留)になるのではないかという予測をしていました。
※2008年12月以降は誘導目標レンジの上限を掲載
※FRBのデータをもとにザイFX!が作成
しかし、現実には、これまで2019年は年3回の利上げという見込みであったものが、年2回の利上げとなったという程度に留まったことが、株式市場にマイナスの影響を与えてしまいました。
【参考記事】
●ダウ急落。数年間の株価上昇は行き過ぎ! 米ドル/円は110円程度まで下落の可能性(12月21日、今井雅人)
2018年12月FOMCで示されたドットチャート(出所:FRB)
■米中貿易交渉は経済に影響を及ぼし始めている 2つ目は、今まさに火花を散らしている、米中貿易交渉です。
一部では、来年(2019年)1月には、合意文章が交わされるのではないかという観測もありましたが、米国の政府関係者の方から、合意はかなり困難であるという見通しが示されたことで、先行きが、かなり怪しくなってきたということです。
今回の関税措置は、米中両国の経済に、実際に影響を及ぼし始めているということが顕在化してきているため、余計に不安感が強まっています。
■FRB議長と米財務長官が解任される!? 3つ目は、トランプ政権の人事です。
軍事の要であったマティス国防長官が、イランからの軍撤退問題で、トランプ米大統領と対立し、辞任することになりました。
安定感のあったマティス長官の辞任を受けて、国際社会では米国の今後の安全保障政策に対して、かなり不安感が広がっています。
トランプ米大統領と対立したマティス国防長官が辞任を表明。パウエルFRB議長やムニューシン米財務長官の解任も噂されるなど、トランプ政権の人事は混迷を極めている (C)Chip Somodevilla/Getty Images
また、トランプ米大統領がFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げへの不満から、パウエルFRB議長を解任する意向であるという報道が出ると、市場へのマイナスの影響は、さらに拡大しました。
ムニューシン米財務長官も解任されるのでは、という話さえ出てきています。
【参考記事】
●もし、パウエルFRB議長解任なら株高に!? 2019年のテーマは米国経済失速でドル安(12月24日、西原宏一&大橋ひろこ)
こうした材料をまとめて簡潔に言えば…