日経平均1343円暴騰はなぜ起きたのか? さらに利下げ見込むNZドルは0.55ドルへ
2015-09-10 2015-10-04
8月24日(月)のグローバルな株の急落以降、金融市場は不安定な展開が続いています。グローバルに株が不安定であるため、為替も方向感なく不安定な展開。
【参考記事】
●中国人民銀行総裁が株バブルを認めた! なぜ中国の外貨準備高は大幅減になった?(9月8日、西原宏一&松崎美子)
特にSQ(※)を控えた今週(9月7日~)の日経平均は乱高下。9月8日(火)の日経平均は433円安。
(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと。株価指数先物は3月、6月、9月、12月の第2金曜日、オプション取引は毎月第2金曜日がSQ算出日となっている)
それが9月9日(水)の日経平均は一転して急騰。なんと1343円高の1万8770円でクローズ。空売り比率も大幅に低下。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
この21年7カ月ぶりの上昇幅となる日経平均急騰の背景には、英ポンド/円の急騰が影響しています。
■巨大M&Aが影響!? 英ポンド/円は3日で6円急騰! 9月8日(火)のロンドン市場から突然、英ポンド/円が暴騰。前日、7日(月)の英ポンド/円の安値は180.23円ですので、そこからわずか2日で約5円急騰。
9月9日(水)はさらに円安が進行しており、英ポンド/円は、一時、186円台ミドルまで到達しています。実に、3日で6円の暴騰。
英ポンド/円 2時間足(出所:米国FXCM)
この英ポンド/円急騰の背景には、巨大M&Aが影響しています。
三井住友海上が5000億円超で英損保買収。
三井住友海上火災保険は英損害保険大手のアムリンを買収する方向で最終調整に入った。買収額は5000億円超とみられる。保険会社の保険金支払いリスクを引き受ける再保険を中心に、海上保険、航空保険などを幅広く扱う同社の買収で、海外展開を加速する。
出所:日経新聞
人口減による国内の保険需要の縮小に対し、海外で活路を見出す戦略が続きます。
9月8日(火)には、このM&Aが正式発表となり、ロンドン市場ではM&Aに絡む英ポンド/円の買い(ユーロ/円の買い、ユーロ/英ポンドの売り)が大規模に持ち込まれた模様。
これを受けて、英ポンド/円は急騰しました。
英ポンド/円 1時間足(出所:米国FXCM)
連れて、118.00円台後半で軟調に推移していた米ドル/円も、一気に120円台を回復。
米ドル/円 1時間足(出所:米国FXCM)
この円安に呼応して、9月9日(水)の日経平均は前営業日比で1343円の暴騰。これは、史上6番目の上げ幅となるものでした。
日経平均 日足(出所:株マップ.com)
公的年金に加え、巨大M&Aの円売りが、米ドル/円と日経平均をサポートした展開。
ただ、前回のコラムでご紹介したように、NYダウが安定しない限り、グローバルに株はまだ不安定。
【参考記事】
●日本株安・円高でアベノミクスが苦境に。待望される日銀の追加緩和はあるのか?(9月3日、西原宏一)
公的資金に加え、巨大M&Aの円売りにより…