大義名分なき追加緩和を見送った日銀! 米FOMC利上げは6月ではなく9月頃か
■かなり下方修正された米FOMC 米国では、4月28日(火)~29日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。
今回は、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の定例記者会見などが予定されていなかったこともあり、声明文のみの判断となりましたが、経済の現状認識が、「冬季の経済成長は鈍化した」などと、かなりの下方修正となりました。
その理由として、「一過性の要因を一部反映している」と断ってはいますが、29日(水)に発表された1-3月期米GDP速報値が、年率換算0.2%と市場予想の1.0%を大幅に下回る弱い数字となったことからしても、そう簡単に回復の軌道に乗るとも思えず、どうしても時間がかかってしまうことは否めません。
■6月FOMCでの利上げ可能性への言及はなし 今回の声明文では、フォワードガイダンスを「委員会はさらに労働市場の改善が見られ、インフレが中期的に目標の2%に向かうとの合理的な確信が持てた時、金利引き上げが適切であると予想している」と、前回と同じ文言としましたが、同時にカレンダー的な言及を削除しています。
前回は、「4月FOMCでの利上げの可能性は低い」と、次回FOMCでの利上げ可能性に言及。今回も、6月FOMCでの利上げ可能性への言及に注目が集まっていたのですが、あえて言及しないという判断となりました。
前回の議事要旨からも明らかなように、数名のタカ派メンバーからは、6月FOMCでの利上げの議論がなされていたわけですが、今回もそういった意見なども尊重した形となりました。
【参考記事】
●FOMC議事録公表で6月利上げ説に暗雲。猫の目みたいなユーロも最終的には下落(2月19日、今井雅人)
●「辛抱強く(patient)」削除は予想どおり!ならばなぜFOMC後にドルは売られたか?(3月19日、今井雅人)
雇用統計も、6月会合までに4月、5月と2回の数字を見極める必要があり、現状では決断することができなかったのかもしれません。
米雇用統計(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
■米利上げ開始の想定時期は2015年9月か!? ただ、前回のコラムでもお伝えしているとおり、たとえ今回の声明文から「6月FOMCでの利上げの可能性が排除されなかった」としても、それは、かなり可能性が低いことだと思っています。
【参考記事】
●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)
今後の想定としては、2015年9月頃に利上げがあるという認識となってくるのではないでしょうか。
■日銀黒田総裁は、大義名分がない追加緩和を見送った また、4月30日(木)には、日銀が金融政策決定会合を開催。金融政策の維持を決定しました。
海外勢中心に直前まで「追加緩和期待」の憶測が台頭していましたが、やはり大方の予想どおり、追加緩和は見送られました。
一部からは「10兆円の資産買入れ増額」などが取り沙汰されてはいたものの、これも前回のコラムからお伝えしているように、最近の黒田日銀総裁の発言からは、追加緩和の兆しは感じられませんでした。
【参考記事】
●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)
●4月日銀追加緩和説は、なぜ盛り上がる?しかし、その可能性は低いとみる理由は?(4月16日、今井雅人)
一貫して「足元のインフレ率は低いままだが、インフレ基調自体は着実に上昇してきている」との認識を崩していません。
黒田日銀総裁自身に、追加緩和に対する大義名分がない以上、選択肢にはなかったような気がしています。
ところで、為替市場ですが…
今回は、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の定例記者会見などが予定されていなかったこともあり、声明文のみの判断となりましたが、経済の現状認識が、「冬季の経済成長は鈍化した」などと、かなりの下方修正となりました。
その理由として、「一過性の要因を一部反映している」と断ってはいますが、29日(水)に発表された1-3月期米GDP速報値が、年率換算0.2%と市場予想の1.0%を大幅に下回る弱い数字となったことからしても、そう簡単に回復の軌道に乗るとも思えず、どうしても時間がかかってしまうことは否めません。
■6月FOMCでの利上げ可能性への言及はなし 今回の声明文では、フォワードガイダンスを「委員会はさらに労働市場の改善が見られ、インフレが中期的に目標の2%に向かうとの合理的な確信が持てた時、金利引き上げが適切であると予想している」と、前回と同じ文言としましたが、同時にカレンダー的な言及を削除しています。
前回は、「4月FOMCでの利上げの可能性は低い」と、次回FOMCでの利上げ可能性に言及。今回も、6月FOMCでの利上げ可能性への言及に注目が集まっていたのですが、あえて言及しないという判断となりました。
前回の議事要旨からも明らかなように、数名のタカ派メンバーからは、6月FOMCでの利上げの議論がなされていたわけですが、今回もそういった意見なども尊重した形となりました。
【参考記事】
●FOMC議事録公表で6月利上げ説に暗雲。猫の目みたいなユーロも最終的には下落(2月19日、今井雅人)
●「辛抱強く(patient)」削除は予想どおり!ならばなぜFOMC後にドルは売られたか?(3月19日、今井雅人)
雇用統計も、6月会合までに4月、5月と2回の数字を見極める必要があり、現状では決断することができなかったのかもしれません。
米雇用統計(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
■米利上げ開始の想定時期は2015年9月か!? ただ、前回のコラムでもお伝えしているとおり、たとえ今回の声明文から「6月FOMCでの利上げの可能性が排除されなかった」としても、それは、かなり可能性が低いことだと思っています。
【参考記事】
●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)
今後の想定としては、2015年9月頃に利上げがあるという認識となってくるのではないでしょうか。
■日銀黒田総裁は、大義名分がない追加緩和を見送った また、4月30日(木)には、日銀が金融政策決定会合を開催。金融政策の維持を決定しました。
海外勢中心に直前まで「追加緩和期待」の憶測が台頭していましたが、やはり大方の予想どおり、追加緩和は見送られました。
一部からは「10兆円の資産買入れ増額」などが取り沙汰されてはいたものの、これも前回のコラムからお伝えしているように、最近の黒田日銀総裁の発言からは、追加緩和の兆しは感じられませんでした。
【参考記事】
●ギリシャの苦しい台所事情に危機感増大。国債が売られ、長期金利は約14%へ上昇!(4月23日、今井雅人)
●4月日銀追加緩和説は、なぜ盛り上がる?しかし、その可能性は低いとみる理由は?(4月16日、今井雅人)
一貫して「足元のインフレ率は低いままだが、インフレ基調自体は着実に上昇してきている」との認識を崩していません。
黒田日銀総裁自身に、追加緩和に対する大義名分がない以上、選択肢にはなかったような気がしています。
ところで、為替市場ですが…