ユーロ/円がここまで崩れた理由は何? 調整が終われば為替相場も下げ止まる
2018-03-01
世界の株式市場に大きな影響を与えたのは、米国の株式市場でした。代表的な指標であるNYダウは、昨年(2017年)からの上昇基調を継続して年初から上昇を続け、2万6000ドル台半ばに到達しました。
その後、インフレ関連の指標が強かったことを要因とする米長期金利の上昇をきっかけとしてNYダウは急落し、2月9日(金)には2万3360ドルまで下落する展開となりました。
NYダウ 日足(出所:Bloomberg)
2月9日(金)を過ぎると徐々に回復してきましたが、足元ではまた少し、不安定になってきています。
■米利上げは確実。鍵は金融政策に関するメッセージ 米国の長期金利は、一時ほどの勢いはありませんが、それでも年初から見れば、かなり高い水準になっています。
米国債10年物の利回りを見ると、年初は2.4%台から上昇し、一時は2.95%あたりまで上昇しました。
【参考記事】
●米長期金利が「30年レジスタンス」を突破! 日米株の乱高下に警戒! 米ドル/円は…!?(2月12日、西原宏一&大橋ひろこ)
そこから少し緩んではいますが、それでも足元の水準は2.86%程度で、年初から比べれば、かなり高いということがわかります。
米長期金利(米10年債利回り) 日足(出所:Bloomberg)
米国では3月20日(火)~21日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されますが、ここでは、政策金利を0.25%引き上げることが確実視されています。
米政策金利の推移※FRBのデータを基にザイFX!が作成
このときに、金融政策についてどういうメッセージが出されるのかが、大きな鍵になってくると思っています。
■今は強気相場のあとの避けられない調整局面 日本の株式市場の方ですが、こちらも基本的には、米国の株式の動きに連動する形となっているのがわかります。
日経平均を見ると、1月に2万4000円台まで上昇しましたが、その後は急落し、一時2万1000円を割り込む局面もありました。そして、その後、やや回復しましたが、足元は2万1000円台にとどまっています。
日経平均 日足(出所:Bloomberg)
株式市場がこうした動きをしている背景は、やはり、昨年(2017年)の強気相場の影響だと考えています。
強気相場が続くと、どうしてもそのあとに調整局面が起きるというのは避けられないことで、今はそういう段階にあるということだと思います。
そういう点で為替市場を見てみると、今年(2018年)に入ってからの…