6月8日、英欧米の重大イベントの行方は? ECB慎重姿勢でユーロ上昇の可能性低いか

■ビッグイベントを前に米ドル安や円高が進行 この1週間は、まず、6月2日(金)に発表された米国の5月雇用統計の結果が、予想を大きく下回ったことを受けて、米ドル全面安の展開となりました。
米ドルVS世界の通貨 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
 その後、今週(6月5日~)に入ると、中東6カ国がカタールとの国交を断絶すると発表したことを受けて、カタールが海外から資産を引き揚げるのではないかという憶測のもと、マクロ系のヘッジファンドなどが一斉に円買いをしたために、円高が進行するという局面もありました。
世界の通貨VS円 1時間足
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 また、本日6月8日(木)に、市場が非常に注目しているイベントがあるので、その前にリスクを減らしておきたいという意図も働いたようです。
【参考記事】
●今こそ米ドル/円押し目買いの好機!? 今晩の雇用統計が悪くてもさほど売られないかも(6月2日、陳満咲杜)
●英国・欧州・米国のビッグイベント集中! 6月8日は何が起こるかわからない……!?(6月5日、西原宏一&大橋ひろこ)
●米ドル/円は売りシグナル!英国総選挙など材料満載の6月8日は予想外の結果に注意(6月7日、松田哲)
 本日は3つの大きなイベントがあり、市場関係者が注目していますが、直前にいろいろな情報が出てきているので、結局は、それほどの波乱要因にはならないような気がしています。
■ECBは引き締めに慎重な姿勢へ、ユーロ上昇の可能性低下 まず、ECB(欧州中央銀行)の定例理事会ですが、7日(水)にブルームバーグがユーロ圏当局者の話として、ECBが政策決定後に発表する最新の経済予測で「2019年までのインフレ率を下方修正する準備をしている」と報じました。
 それが正しいかどうかはともかくとして、市場の一部で憶測が高まっている、テーパリング(※)などの金融引き締め策への転換には、慎重な姿勢をみせるのでないかと考えられます。
(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)
 もちろん、私の予想と反するような動きがあれば、ユーロは上昇すると思いますが、その可能性は低くなったと考えておきたいと思います。
ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
【参考記事】
●しっくりこないユーロ高…原因はどこに? 注目イベント重なる来週は大荒れに警戒!(6月1日、今井雅人)
●重要イベント目白押し! 期待先行で上昇のユーロ/米ドルはイベント通過後に売り狙い(6月6日、バカラ村)
 次に英国の総選挙ですが、大手調査会社の直前の…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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