利上げでも米ドル安の衝撃。自慢はするが トランプ政権は結局、何も前に進んでいない
2017-03-30
まず、イスラム諸国からの入国を制限した大統領令は、2度にわたり裁判所からNOを突きつけられました。今度、トランプ米大統領がどう対応するのか、まったくわからない状態になっています。
次に、オバマケア(医療保険制度改革)の廃止と代替法案。これも、先週末、3月24日(金)に米下院で法案の採決が予定されていたにもかかわらず、土壇場になって一部共和党保守派の反対で可決に必要な票がまとめきれずに、採決自体を中止して頓挫しています。
来週(4月3日~)、再チャレンジがあるようですが、予断を許さない状況です。
トランプ政権誕生から2カ月が経過。イスラム諸国からの入国を制限する大統領令は裁判所に差し止めされ、オバマケア代替法案の採決は撤回される事態に… (C)Chip Somodevilla/Getty images
【参考記事】
●トランプ政権への不安がドル/円の重し!? たとえ戻りがあっても、頭は重くなりそう(3月23日、今井雅人)
トランプ米大統領は、過去のどの大統領よりも迅速な行動をしていると自慢していますが、結局、何も前に進んでいません。
■大規模なインフラ整備や減税も具体的な形見えず… さらには、市場がもっとも期待していた、大規模なインフラ整備や減税。これも、まったく具体的な形がいまだに見えてきていません。
外交的にはG20(20カ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)の場で、反保護主義の文言などを削除させましたが、これもトランプ政権のわがままと否定的に捉えられています。
結局のところ、まだ何もうまくいっていないどころか、混乱させているだけという状況になってしまっています。
さらに言えば、為替政策についても、まったく発信がありません。おそらく、頭の中の整理ができていないのでありましょう。
【参考記事】
●「本当にやるの!?」 トランプ氏に市場困惑! 日米首脳会談で、まともな理屈は通じるか(2月2日、今井雅人)
●日米首脳会談最大の注目は為替の議論があるかないか。米ドル/円は110円まで下落も(2月9日、今井雅人)
こういう状況を反映して、米ドル相場は…