米国追加利上げ可能性がググっと高まる! なのに、米ドルを買いきれないのはなぜ?
2017-03-02
これまで、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁やウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁をはじめとするFRB(米連邦準備制度理事会)の関係者が利上げに関して前向きな発言をしてきましたが、本日3月2日(木)早朝には、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの中でも、もっともハト派として知られているFRBのブレイナード理事が、講演で米国の利上げに関して「すぐに適切になりそうだ」と発言しました。
ハト派として知られているFRBのブレイナード理事。米国の利上げについて「すぐに適切になりそうだ」などと発言し、ますます米利上げ期待が高まってきた!(C)Bloomberg/Getty images
もう少し詳しく言うと、「前進が続くと想定すると、追加的な緩和を解除し、緩やかな道筋をたどり続けることがすぐに適切になりそうだ」と指摘。
「我々は完全雇用に近付いており、インフレは我々の目標に緩やかに向かっている。海外の経済成長は足元が固まりつつあり、見通しへのリスクは過去に見られていたような均衡に近い」と説明したわけです。
これで、3月14日(火)~15日(水)に行われるFOMCで0.25%の利上げを実施する可能性が、相当、高くなってきました。
■米国の雇用状況を見ると、利上げ余地は大きい もともと、米国の雇用状況はリーマンショックで大幅に悪化していましたが、現在は普通の景気状況の時の水準に戻っています。
※Bloombergのデータより、ザイFX!編集部が作成
大体、5%程度の失業率の時は、米国の政策金利は4~5%程度はありました。それが現在は、0.50%-0.75%。まだまだ、金融はかなり緩んでいる状態ですので、利上げの余地は大きくあります。
※FRB発表のデータより、ザイFX!編集部が作成
■消費者物価指数は、目標値2%を上回ってきた また、消費者物価指数は上昇傾向にあり、目標値の2%を上回ってきています。
【参考記事】
●利上げ期待高まって上昇した米ドル/円。けれど、115円手前で失速した理由とは?(2月16日、今井雅人)
※Bloombergのデータより、ザイFX!編集部が作成
FRB、FOMCの役目は、法律で「物価を安定させること」と「雇用を拡大させること」の2つと定められています。
物価が上昇してきて、雇用はすでに拡大しているのではあれば、当然、利上げしていくということになるわけですから、ごく自然の流れでしょう。
また、3月1日(水)には…