FOMC金利見通し引き上げでドル急上昇! 過熱感がない相場はなかなか止まらない

■1年ぶりの米利上げ。利上げ自体は予想どおり 12月14日(水)、FOMC(米連邦公開市場委員会)は、政策金利を0.25%引き上げ、FF金利(※)の誘導目標を0.50-0.75%とすることを決定しました。
(※編集部注:「FF金利」とは、フェデラルファンド金利のことで、FFレートとも呼ばれる。米国の政策金利)
 利上げは2015年の12月以来、1年ぶりのこととなります。
【参考記事】
●ドル/円120円~121円台はなぜ買いなの? 安易な新興国通貨への投資は止めよう!(2015年12月17日、今井雅人)
※FRB発表のデータより、ザイFX!編集部が作成
 今回の決定は、全員一致。これは、ほぼ予想されていたことですので、さほど驚きはありませんでした。
■2017年の利上げ予想回数が2回から3回へ! むしろポイントは、2017年以降の利上げのペースがどうなるか?ということでしたが、同時に発表されたFOMCメンバー全員による「経済・金利見通し」では、2017年末の適切な金利水準の中央値が、9月の1.125%から1.375%に引き上げられました。
 これは、利上げの予想回数が3回ということで、2016年9月時点での2回からペースが速まったことを意味しています。
 これに市場は反応して、米ドルが急上昇したという展開でした。
米ドルVS世界の通貨 1時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 1時間足)
 最近の米国の経済指標を見ると、失業率も4.6%と平常時に戻ってきており、また、その他の指標もかなり良好です。物価上昇率も、堅調になってきています。
米雇用統計(失業率)(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
 イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長も、2017年の利上げ予想が3回となったことについて、定例記者会見の中で、「底堅い雇用増やインフレの加速、さらにトランプ氏の政策に伴い予想される影響を背景としている」との認識を示しています。
■米国経済が上昇サイクルに入ったからこそのラリー 米国は、リーマンショックの影響によって超低金利政策を続けてきましたが、ようやく普通の状態に戻る軌道に乗ってきたということでしょう。
 いずれ、他の先進国もそういう状況が訪れるでしょうが、まずは米国が先行していくことになります。そうなれば、その期間は米ドル高になりやすいというのは当然のことです。
 今回の米ドル高は、トランプ氏の大統領選挙での勝利から始まっていますが、元々、米国経済が上昇サイクルに入っていたからこそ、これだけのラリーが起きているということなのでしょう。
 この点を少し甘く見ていたと反省しています。
【参考記事】
●トランプ大統領誕生で暴落後に株高・円安へ! だが、トレンドを作ると考えるのは早計!?(11月10日、今井雅人)
 一方、日本では…

参照元:ザイFX! 今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

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