Secured Financeで不正流出、3チェーンのレンディング市場を停止

外部推計ではイーサリアム上で約10.4万ドル、最終損失は未確定

固定金利型の分散型金融(DeFi)プロトコル「セキュアードファイナンス(Secured Finance)」で、不正な資金流出が確認された。

これを受け、イーサリアム(Ethereum)、アービトラム(Arbitrum)、ファイルコイン(Filecoin)上のレンディング市場が停止された。同プロトコルの開発チームが9月7日、公式Xで発表した。

開発チームによると、3チェーン上の全オーダーブックと、ユーザーの資産を管理する「トークンボールト(TokenVault)」を停止したとのこと。スマートコントラクトを停止しても、すでに実行された出金は取り消されないという。 ・なお、イーサリアム上の「axlFIL」市場は当初停止されていなかったが、その後停止され、オンチェーン上で確認済みだという。

開発チームは9月7日の続報で、15件のトランザクションを詳細な調査対象として特定したと説明した。資金移動と影響を受けた残高やポジションを照合しているという。

資産の交換や返済、送付先アドレスへの移動など、途中の取引を二重計上しないよう確認しているとのこと。最終的な損失額や回収可能額、市場の再開時期は確定していない。連携するボールト戦略への間接的な影響も調査しているとのことだ。

また開発チームは、3チェーン上で、特定済みの一部ポジションについて、記録上の残高と未約定注文の照合を進めたという。市場再開には、ソフトウェアの修正と、不正流出後の残高や注文状態を正す修正案の検証が必要になると伝えられている。正当なユーザー残高が維持されるかどうかも確認するという。

資金の移動先から、回収に向けた具体的な手がかりも確認したとのこと。現在は証拠資料を準備しており、ブロックチェーンセキュリティ企業のクオンツスタンプ(Quantstamp)が、修正案の確認と資金追跡を支援しているとのことだ。

セキュアードファイナンスのファウンダー兼CEOであるキクチ・マサカズ(Masa “Senshi” Kikuchi)氏も、対象のレンディングアプリへの入金や操作を控えるよう日本語で呼びかけている。

一方、ブロックチェーンセキュリティ企業デキュリティ(Decurity)が提供する監視サービス「デファイモン(Defimon)」のXアカウント「デファイモン・アラーツ(Defimon Alerts)」は9月7日、イーサリアム上のセキュアードファイナンスのレンディング市場からの流出額を約10万4,000ドル(約1,600万円)と推計した。

これはイーサリアム上に限定した外部推計であり、開発チームが確定した最終損失額ではない。

デファイモンによると、攻撃用コントラクトは日本時間9月6日6時26分に展開され、45分後に最初の資金流出が発生したという。

同サービスは、レンディングポジションの担保価値が、同一ブロック内で約定した注文の価格を基に算出される仕組みが悪用されたと分析。攻撃者はフラッシュローンと自己売買で価格を操作し、不正に作った貸付ポジションを担保として認識させ、米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」やラップドビットコイン「WBTC」を引き出したとしている。

ただし、この攻撃手法はデファイモンによる分析であり、開発チームによる根本原因の正式な説明は、確認時点では公表されていない。

セキュアードファイナンスは、日本人のキクチ氏が創業したDeFiプラットフォームだ。ゼロクーポン債と完全オンチェーンのオーダーブックを用い、3チェーン上で固定金利・固定期間のレンディングを提供している。 また同プロトコルでは、イーサリアム上で日本円連動型ステーブルコイン「JPYC」の固定金利市場も提供されている。ただし今回確認した公式発表では、JPYCを含む資産別の被害の有無や金額は明らかにされていない。

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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