
この記事の要点
- Visaがステーブルコイン統合基盤「VSP」を発表
- 発行・償還・送金・管理を一元化する仕組みを提供
まずはステーブルコインを詳しく
Visa、ステーブルコイン発行から送金まで一元管理へ
米決済大手Visa(ビザ)は2026年7月16日、金融機関・フィンテック企業・暗号資産事業者向けにステーブルコイン機能を一括提供する基盤「Visa Stablecoin Platform(VSP)」を発表しました。
同社によると、VSPではステーブルコインの発行(ミント)・償還(バーン)・送金・保有までを一元管理でき、金融機関やフィンテック企業は既存サービスへステーブルコイン機能を組み込みやすくなるとしています。
VSPは選定されたクライアント向けにベータ提供が開始されており、ウォレット機能を外部提供する「Wallet-as-a-Service」や既存のステーブルコイン関連サービスとの連携にも対応しています。
Visa対応「StartaleCard」提供へ
Visa VSP、OUSD対応と4機能の柱を公開
米ドル連動型「OUSD」を初期採用
VisaはVSPで最初に対応するステーブルコインとして、金融・テクノロジー企業などによる共同事業体Open Standard(オープン・スタンダード)が6月30日に発表した米ドル連動型ステーブルコイン「Open USD(OUSD)」を採用しました。
同社が併せて公開した発表資料では、VSPで提供される主な機能を4つの柱として紹介しています。
| 機能の柱 | 概要 |
|---|---|
| Open USDへのアクセス | OUSDの発行・償還・送金・管理をVisaのネットワークサービスと併せて利用できる |
| オンチェーンウォレット基盤 | 資金管理や決済、サービス開発に必要となるウォレット機能・制御機能・運用手順をブロックチェーン上で提供する |
| Visaネットワークとの統合 | 既存の決済フローや資金管理、清算処理にステーブルコイン機能を組み込める |
| セキュリティ機能 | 操作の開始と承認を別の担当者が行うデュアルコントロール承認、監査ログ、パスキー(パスワード不要の認証方式)、送金先を制限するアローリストを備える |
2021年から積み重ねたステーブルコイン決済の実績
Visaは2021年からステーブルコイン決済の実用化に向けた取り組みを進めており、同年3月には主要決済ネットワークとして初めて、米ドル連動型の「USDコイン(USDC)」による取引の決済(清算)を実施したと発表しました。
その後は欧州や中南米などで実証を重ね、2025年12月16日には米国内の提携金融機関向けにUSDC決済の提供を開始したと明らかにしています。
同社によると、ステーブルコイン決済額は2025年11月30日時点で年換算35億ドル(約5,670億円)を超えており、今回のVSPは、こうした実績を踏まえて打ち出されました。
VSP導入は3段階で順次開始
VisaはVSPの導入手順も公開しており、まずはVisaのウォレット基盤へ接続するか既存ウォレットと連携し、発行・償還・送金を一元管理できる環境を構築するとしています。
その後は銀行口座の接続や承認権限、利用者、運用ルールを設定し、最終的には資金管理や決済、流動性管理の業務でOUSDの発行・償還・送金を行うことを想定しています。
同社最高製品・戦略責任者のジャック・フォレステル氏は今回の発表で「多くの機関にとって難しいのは概念ではなく、運用の現実だ」と述べ、VSPによってステーブルコインを実際の決済業務へ組み込みやすくしたい考えを示しました。
「OUSD」140社超が参加
OUSD事業体に140社超、日本勢も参加
OUSDを発行するOpen Standardは、公式サイト上で年内の稼働開始を予定しており、手数料無料の発行・償還に加え、準備金収益のほぼ全てを参加企業へ配分する仕組みを採用しています。
同事業体によると、この枠組みには立ち上げ時点で140社超が参加しており、日本からはPayPay(ペイペイ)・三井住友フィナンシャルグループ・みずほフィナンシャルグループ・楽天グループの参画が既に報じられています。
国内ではこのほかにも、りそなホールディングスとJCBなどが個人向けステーブルコイン決済の実証を進めており、国内外でステーブルコイン決済の実用化に向けた動きが広がっています。
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Source:Visa公式発表
サムネイル:AIによる生成画像







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