暗号資産規制を金商法へ移管、改正法案が参院本会議で可決・成立

暗号資産の金商法移管法案が成立

暗号資産(仮想通貨)取引に係る規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移管する内容を含む「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が、7月15日の参議院本会議で賛成多数により可決され、成立した。

同法案は6月11日に衆議院本会議で可決された後、7月14日に参議院財政金融委員会で可決されていた。今回の参議院本会議での可決により、国会での審議を終えた。

同法案は、暗号資産が決済手段だけでなく投資対象として取引される実態を踏まえ、暗号資産取引に係る規制を資金決済法から金商法へ移管するものだ。金融庁の概要資料では、暗号資産を「有価証券とは別の金融商品」と位置付け、その性質を踏まえた規制を適用すると説明されている。

参議院本会議では、財政金融委員長による委員会での審査経過と結果の報告を経て採決が行われ、同法案は賛成多数で可決された。

前日の参議院財政金融委員会では、日本共産党の小池晃委員が反対討論を行った。暗号資産を国民の資産形成のための投資対象として扱うことや、本法案と関連して進められる申告分離課税、暗号資産ETFの解禁方針などを問題視した。そのほか、ミームコインの発行やDEXへの規制が今回の法案でも十分に整備されないと指摘した。法案は賛成多数で可決された。

また参議院財政金融委員会での法案可決後、附帯決議も全会一致で採択された。主な暗号資産関連事項は次のとおり。附帯決議とは、国会の委員会が法案を可決する際、法律の運用や今後の制度整備について政府に対応を求める意思表示である。一般に法律そのもののような法的拘束力はないが、政府にはその趣旨を尊重することが求められる。

  • 法改正や申告分離課税が、国として暗号資産投資に「お墨付き」を与えるものではないことを周知する。
  • 規制・分離課税の対象外となる暗号資産取引が存在することを国民へ説明する。
  • 適合性原則に準じた実効的な利用者保護と、リスク負担能力の範囲内で取引できる環境を整備する。
  • 無登録業者対策で金融庁と警察庁の連携を強化する。
  • 証券取引等監視委員会の体制・システムを強化する。
  • 暗号資産に関する国際的な制度整備や技術進展を踏まえ、必要に応じ、施行後5年を待たずに制度の見直しを検討する。

法案の主な内容

法案の主な内容としては、暗号資産取引に係る業規制の整備、暗号資産に関する情報公表制度の導入、不公正取引規制の整備などが盛り込まれている。暗号資産を投資対象とする投資運用行為や投資助言行為についても、それぞれ投資運用業、投資助言・代理業の規制対象となる。

情報公表制度では、発行者がいる暗号資産を「特定暗号資産」と位置付け、発行者による募集・売出し時の情報公表などを義務付ける。一方、ビットコインのように特定の発行者が存在しない暗号資産は、金融庁資料では「上記以外の暗号資産」の例として整理されている。ただし、暗号資産取引業者が取り扱う場合には、当該業者に暗号資産情報の公表義務が課される。

不公正取引規制では、暗号資産に関するインサイダー取引規制を整備する。暗号資産発行者、暗号資産取引業者、大量売買を行う者の関係者などが、未公表の重要事実を知りながら公表前に売買などを行うことを禁止する。未公表の重要事実の伝達や取引推奨も禁止対象となる。対象となるのは、国内の暗号資産取引業者が取り扱う暗号資産である。

また税制面では、金商法等の改正を前提に、一定の暗号資産を対象とする20%(所得税15%、個人住民税5%)の申告分離課税や、一定要件の下での損失の3年間の繰越控除が手当てされている。

ただし、税制上の「特定暗号資産」は、金商法上の「特定暗号資産」と定義が異なるため注意が必要だ。また、申告分離課税は、金商法等改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の対象取引から適用される。したがって具体的な適用年は、今後決まる改正法の施行日によって確定する。

参考:参議院

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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