バイナンス、EUでサービス継続困難か。MiCA申請却下見通しで

バイナンスがEU認可取得ならずか

世界最大の暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンス(Binance)が、7月から欧州連合(EU)の顧客にサービスを提供する資格を失う見通しであることが、事情に詳しい関係者2人の話で分かった。同社のライセンス申請が却下される見込みであるためだという。

欧州連合(EU)の暗号資産規則である「MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)」では、暗号資産企業は6月末までにライセンスを取得しなければ、EU域内の顧客向けサービスを継続できない。関係者によると、バイナンスがギリシャの市場規制当局に提出した申請は却下される見通しだ。

欧州の規制当局は、ビットコインなどの暗号資産を世界中で取引できる暗号資産取引所への監督強化を進めてきた。

MiCAでは、暗号資産企業はEU加盟国の規制当局にライセンスを申請する必要があり、取得したライセンスを「パスポート」として利用することで、27カ国で構成されるEU全域で事業を展開できる。

焦点となっているのは、数兆ドル規模の暗号資産業界に対する監督である。規制当局は長年、適切に監督されなければ同業界が市場を不安定化させ、投資家に損害を与える可能性があると警告してきた。

ギリシャ当局が申請を却下すれば、バイナンスはEUで事業を行う認可を得られないことになり、EU域内の同社顧客の今後は不透明となる。

ロイターの報道後、バイナンスはXに投稿し、詳細は明らかにしないまま、「秩序あるプロセスを支援し、ユーザーへの影響を最小限に抑える」意向を示した。

規制当局との協議

世界で3億人の顧客を持つバイナンスの広報担当者はこれに先立ち、同社はMiCAライセンスの取得を進めており、18カ月にわたり規制当局と協議してきたと述べていた。

同担当者によると、バイナンスはMiCA認可の要件を満たしていると考えている。同社は、ギリシャ資本市場委員会(Hellenic Capital Market Commission:HCMC)が申請の審査を完了し、同申請は要件に適合していると判断されたと理解しているという。

同担当者はロイターに対し、「HCMCから、これと異なる正式な示唆は受けていない」と述べた。

バイナンスの共同CEOであるリチャード・テン(Richard Teng)氏は2月、ギリシャの労働力とセキュリティ面での特性が、より大規模な金融センターと比べて、同社の欧州における規制上の拠点として優位性をもたらしていると述べていた。

テン氏の前任者で、CZとして知られるバイナンス創業者のチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、それ以前に米国の資金洗浄規制違反で有罪を認めていたが、2025年、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から恩赦を受けた。

HCMCは守秘義務を理由に、バイナンスの申請についてコメントを控えた。ライセンスがなければ、バイナンスは7月初めからEUで事業を継続する資格を得られないことになる。

EUの規則は、トランプ政権が米国の規制を緩和するなかでも、欧州における暗号資産業界の事業運営に規制監督をもたらした。

バイナンスは「2026年6月30日までに追加の最新情報を提供する」とし、MiCA認可手続きの遅れは、活動をEU域外に押し出すリスクがあると付け加えた。

暗号資産とは、ブロックチェーンと呼ばれる台帳に記録されるデジタルマネーの一種である。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Exclusive-Binance set to lose permission to operate in EU, sources say
(Reporting by Lefteris Papadimas and John O’Donnell. Editing by Elisa Martinuzzi, Anousha Sakoui and Alexander Smith)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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