バックパックUS、元SEC代行委員長を取締役に。米パーペチュアル市場拡大へ

SEC・CFTC出身者を迎え米展開を強化

暗号資産取引所バックパックUS(Backpack US)が、元米証券取引委員会(SEC)代行委員長のマイケル・S・ピウォワー(Michael S. Piwowar)氏を取締役会メンバーに迎えたことを6月9日に発表した。

ピウォワー氏は、バラク・オバマ(Barack Obama)元米大統領に指名され、2013年から2018年までSEC委員を務めた人物。第1期ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権ではSEC代行委員長も歴任した。デジタル資産やICOを巡る規制上の論点について、米規制当局として早期から公に議論していた人物としても知られている。

ピウォワー氏は現在、ジョージタウン大学経営大学院附属の政策研究機関「サロス金融市場・政策センター(Psaros Center for Financial Markets and Policy)」のエグゼクティブ・ディレクターを務めている。同センターは金融規制と市場政策に特化した超党派のシンクタンクで、規制当局・議会・業界・学術界をつなぐ役割を担う。

ピウォワー氏は今回の就任に際し、「デジタル資産に関する米国の規制環境は新たな局面を迎えている。明確なルールと実効性のある監督を通じ、イノベーションを既存の金融市場構造へ取り込む動きが進んでいる」とコメント。「これまでのサイクルと異なるのは、規制の明確化と持続可能な市場インフラ整備への機運が高まっている点だ」と述べている。

またバックパックUSの社長を務めるマーク・ウェッジェン(Mark Wetjen)氏は、米商品先物取引委員会(CFTC)の委員および代行委員長を歴任した人物。同社はSECやCFTC、DTCCなど米国金融市場に知見を持つ体制を強化している。

今回の発表では、バックパックUSが米国でのパーペチュアル先物(無期限先物)取引の拡大を視野に入れていることも明らかになった。背景には、CFTCが予測市場プラットフォーム「カルシ(Kalshi)」に対し、規制対象として初となるビットコイン・パーペチュアル先物契約の提供を認めたことがある。

バックパックは現在、EUで規制下のパーペチュアル取引サービスを展開しており、今後は米国市場への拡大も進める構えだ。

ウェッジェン氏は、「CFTCによるビットコイン・パーペチュアル承認は、この市場における重要な転換点だ。これまでオフショアでのみ提供されてきた商品が、米国の規制対象取引所へ向かう流れが始まっている」とコメント。「CFTCとSECによる協調的なアプローチは、政策環境が大きく変化していることを示している」と述べた。

バックパックは、ソラナ(Solana)NFT「マッド・ラッツ(Mad Lads)」を手がけたチームが開発したウォレットプロジェクトとして始まり、現在は暗号資産取引所事業も展開している。今月初めには、従来型株式およびトークン化株式の双方を扱う証券取引プラットフォームの提供計画も発表していた。

また同社はIPO構想にも言及しており、総供給量10億枚の取引所トークン「BP」の37.5%を裏付けとする「ポストIPO」財務モデル案や、ステーキング参加者に株式価値を連動させるモデル構想なども示している。

なおバックパックは2024年、プレースホルダー(Placeholder VC)主導による1,700万ドル(当時約25.6億円)のシリーズA資金調達を実施。この資金調達にはロボット・ベンチャーズ(Robot Ventures)、ウィンターミュート(Wintermute)、シンガポール拠点の暗号資産マーケットメイカー・トレーディングファームのセリーニ(Selini)などが参加している。

米国株・ETF・暗号資産を単一口座で提供へ

なおバックパックは6月9日、トークン化米国株やETF、暗号資産、パーペチュアル先物、利回り商品などを単一口座で取引できる株式プラットフォーム「Backpack Securities」の公開ベータ開始も発表した。

同プラットフォームでは、株式の保有権をニューヨーク州法に基づく「証券エンタイトルメント」として管理。取引は週5日・24時間体制で提供されるほか、既存証券口座からの資産移管や配当、コーポレートアクションにも順次対応する予定だ。

またソラナ基盤のトークン化プロトコル「サンライズ(Sunrise)」と連携し、ユーザーは証券エンタイトルメントとトークン化証券を相互変換可能となる。これにより、ソラナ上での24時間365日の移転やDeFiプロトコルとの接続にも対応するという。

画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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