
日立がAnthropicの「Project Glasswing」に参画
日立製作所が、米アンソロピック(Anthropic PBC)のAI活用セキュリティプログラム「プロジェクト・グラスウィング(Project Glasswing)」に参画する契約を締結した。日立が6月5日に発表した。
今回の契約により日立は、アンソロピックの先進的なAIモデル「クロード・ミュトス・プレビュー(Claude Mythos Preview)」へのアクセス権を得た。日立は同モデルを、エネルギー分野をはじめとする社会インフラ向けソフトウェア・プロダクトのサイバーセキュリティ強化に活用するという。
プロジェクト・グラスウィングは、重要なソフトウェアの保護と、AIの進化に伴い求められるサイバーセキュリティの実践を前進させることを目的とした共同イニシアチブだ。アンソロピックは同プログラムについて、未公開のフロンティアAIモデルであるミュトスを、防御的なセキュリティ用途に限定して活用し、重要ソフトウェアの脆弱性の特定・修正につなげる取り組みと説明している。
日立では、同社のサイバーセキュリティ専門部隊である「サイバーCoE(Cyber CoE)」がミュトスを活用する。具体的には、日立が開発・保守する社会インフラ向けソフトウェアの脆弱性の特定と修正に取り組むとのことだ。
日立は5月19日、アンソロピックとの戦略的パートナーシップ締結を発表していた。この提携では、社会インフラ領域における「フィジカルAI」の安全な社会実装と、日立グループ約29万人規模での自社業務改革を並行して進める方針が示されていた。
同提携では、日立の社会課題解決事業モデル「ルマーダ3.0(Lumada 3.0)」を強化し、電力、交通、製造、金融などのミッションクリティカル領域で、システム開発・運用の高度化やセキュリティ強化を進めるとしていた。また日立のサイバーCoEとアンソロピックが連携し、社会インフラ向けのサイバー攻撃検知や対応高度化にも取り組む方針だった。
今回のプロジェクト・グラスウィング参画は、こうした両社協業に加え、AIによるサイバー防御能力の向上と、重要インフラ保護に向けた取り組みをさらに進めるものとなる。
なおミュトスは、一般向けに広く提供されているAIモデルではない。アンソロピックの説明によると、同モデルはプロジェクト・グラスウィングの一環として、防御的なサイバーセキュリティ用途に限定して招待制で提供されている。アンソロピックのAPIリリースノートでも、ミュトスは防御的なサイバーセキュリティ作業向けのゲート付きリサーチプレビューであり、アクセスは招待制とされている。
アンソロピックは4月時点で、ミュトス自体を一般提供する計画はないと説明していた。一方で同社は、ミュトス級の能力を将来的に安全に一般提供するには、同モデルのサイバー能力が悪用されることを防ぐ堅牢なセーフガードが必要であり、その開発が課題になるとしている。
ミュトスをめぐっては、その高度な能力と利用管理も注目されている。4月には、米国家安全保障局(NSA)が米国防総省によるサプライチェーンリスク指定後もミュトスを使用していると、米ニュースサイトの「アクシオス(Axios)」が報じていた。報道では、ミュトスの高度なコーディング能力やエージェント型タスク能力が、サイバー攻撃を助長する可能性への懸念も指摘されていた。
画像:PIXTA
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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