【独自取材】ガイアックス峯荒夢氏が語る、DAOとステーブルコインの社会実装

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近年、Web3の社会実装が進む中で、DAO(自律分散型組織)やステーブルコインの活用がビジネスや地方創生の文脈で大きな注目を集めています。

そのような環境下で、株式会社ガイアックスはこれまでDAOの組成や運用支援を数多く手がけてきました。そのガイアックスが、2026年5月11日に事業者向け「ステーブルコイン決済導入支援サービス」の提供を発表しました。

本記事では、株式会社ガイアックスの峯荒夢氏に、DAOとステーブルコインの相乗効果、シェアリングエコノミーにおける活用の可能性、そして今後のWeb3決済の未来についてお話を伺いました。

【プロフィール】
峯 荒夢(みね あらむ)

株式会社ガイアックス Chief web3 Officer
Web3事業本部にて、DAO(自律分散型組織)の組成・運用支援や、ステーブルコインを活用した決済ソリューションの導入支援を牽引。シェアリングエコノミーやEC、地方創生など、多岐にわたる領域でブロックチェーン技術の社会実装に向けたプロジェクトを推進している。
Xアカウント:https://x.com/aramsan

DAOとステーブルコインの相乗効果

NFTMedia編集部(以下、編集部):2025年6月にYouTubeインタビュー(※1)にご出演いただいてから、1年間ほど経過しました。あれ以来、事業において変化はありましたか。

※1 株式会社ガイアックスへのインタビュー動画
【今こそ学ぶべき】DAOとは何か?自律する組織のリアルを紹介

峯荒夢(以下、峯):DAOを軸とした事業展開に変わりはないですが、ビジネスを広げるためDAOだけではなく、最近ではステーブルコイン領域にも進出しています。

例えば、総務省の「ふるさと住民登録制度」などを絡めて、ステーブルコインを活用した関係人口の創出など、もう少し広い範囲で事業展開ができないか検討しているところです。

編集部:DAOやステーブルコインに関して、自治体からはどれほど関心が集まっていますか。

峯:自治体からの注目はとても高いわけではないものの、「ソリューションの一つとしてあるよね」といった具合です。とはいえ、まだWeb3について知らないという方も多くいらっしゃいます。

編集部:2026年5月11日、貴社では事業者向けにステーブルコイン決済導入支援サービスを提供すると発表されました(※2)。このサービスが誕生した経緯をお聞かせください。

※2 プレスリリース ガイアックス、事業者向け「ステーブルコイン決済導入支援サービス」を提供開始

峯:ステーブルコインとDAOは相性が良いため、ステーブルコイン決済導入支援サービスの展開を決めました。

実は、現状のDAOでは活動資金の管理は極めてWeb2的です。というのも、日本の法律上は独自トークンを発行するハードルが高く、金融機関の口座で管理しているためです。

たとえ法人口座をつくったとしても、DAO内で決議された投票結果に従って資金が運用されるとは限りません。口座管理者の意思ひとつで資金の用途が決められてしまうからです。よって、ラグプル(資金の持ち逃げ)が起こるリスクも否定できません。

編集部:たしかに、現状のDAOはWeb3的な組織でありながら、お金の管理は口座管理者へのトラスト(信用)で成立している状態ですね。

峯:このような背景から、より純度の高いDAOを作る上でステーブルコイン決済の需要が生まれてくるはずです。

資金管理をブロックチェーン的な仕組みにできれば、マルチシグ管理や、DAOの決定に基づいて複数名での署名を必須とするなど、DAO的な資金管理が実現します。

これからステーブルコイン決済の時代が到来するなかで、今回のサービスを通じてガイアックスが「DAO×ステーブルコイン」のポジションを築きたいという思いがあります。

編集部:ガイアックスでは、「美しい村DAO」など複数のDAO運営に携わっています。これらのDAOでもステーブルコインが導入されるのでしょうか。

峯:現状ではまだ導入は実現していません。しかし、ぜひともステーブルコイン決済を取り入れたいと考えており、現在は関係者の方々と交通整理をしているところです。

決済手数料の削減とシェアリングエコノミーへの応用

編集部:今回発表されたステーブルコイン決済導入支援サービスは、法人間の送金ニーズにも対応するのでしょうか。

峯:もちろんです。企業のEC取引もそうですし、ガイアックスはシェアリングエコノミーの会社なので、ギグワークのように「分割して支払う」というシーンが多いです。

これまでは決済サービスであるStripeの分割受け取り機能などを活用して実装する場面が多かったのですが、ここをステーブルコインに置き換えることで、決済手数料を下げられるメリットがあります。

編集部:従来の決済サービスの場合では、プラットフォーム側の判断でBANされてしまうリスクもありますしね。ちなみに、ステーブルコイン決済の導入支援において、特に相性の良い業界はありますか。

峯:業界はあまり問わないものの、一般的なECが置き換わるというのは考えづらいです。なぜなら、ユーザーの立場では既存のクレジットカード決済でも十分に便利ですからね。

それよりは、シェアリングエコノミーのようにトータルとしてメリットのある領域での活用を想定しています。

編集部:ステーブルコインのサービスを発表されて、世間からの反響はありましたか。

峯:はい。「こういうことはできるのか」、「実際どういうことができるのか」といった問い合わせが多く届いています。

また、ステーブルコインを使って先行者としてマーケティングしていきたいというお声も届いています。今は、これらのクライアントとステーブルコインの活用方法について議論を進めているところです。

導入フローと開発の進め方

編集部:ステーブルコインについて、具体的にはどの銘柄をサポートするのでしょうか。

峯:各チェーンで発行されるJPYCとUSDCの2つです。

編集部:ステーブルコイン決済の導入は、すでにローンチしているサービスと、これから新しく作るサービスのどちらでの活用を想定されていますか。

峯:双方に対応できます。ただし、すでに稼働中のサービスに組み込む場合はシステムの改造が大規模になるため、どちらかというと新規プロダクトでの導入を想定しています。

企業からの相談窓口と導入フロー

編集部:料金体系に関して教えてください。

峯:相談は無料で、設計や企画の段階から個別に費用をいただいています。保守に関しても、ガイアックスが請け負うのであればいただきますし、クライアントさんが自社でやられるのであれば一切かからないという形です。

編集部:本格的に始動する段階で費用が発生する仕組みですね。どれくらいの費用感をイメージしておけばよいでしょうか。

峯:BtoBという形でお受けしているので、最低300万円〜というところの規模感です。そこさえクリアしていれば、ECなどをはじめ業種を問わず幅広くご相談いただけます。

編集部:最後に、ガイアックスへ導入の相談をしたい企業が、事前に準備しておくべきことや注意点はありますか。

峯:特にないので、気軽にご相談いただければと思っています。わからないことがあったら、それを含めてお問い合わせいただいて構いません。

編集部:DAOからステーブルコインまで、事業の幅がどんどん広がっていますね。直近はこの2軸で展開されていくということで、市場のポテンシャルも非常に高そうです。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビューを終えて

DAO(自律分散型組織)の運営において、「資金管理の透明性と安全性」は長らく課題とされてきた。ブロックチェーン上の組織でありながら、法定通貨の管理においては一部の管理者に権限が集中し、持ち逃げ(ラグプル)のリスクを孕んでいたからだ。

ガイアックスが提供するステーブルコイン決済は、この矛盾を解決し、真の意味での自律分散的な資金運用を可能にする重要なピースとなる。

日本国内でもJPYCやUSDCなどのステーブルコインを取り巻く法整備やインフラ整備が着実に進んでいる。数年後には、我々の日常的な決済手段の中にステーブルコインが当たり前のように組み込まれる未来が待っているはずだ。

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