
富士通がアンソロピックと提携
富士通が、AIモデル「クロード(Claude)」を開発・提供する米アンソロピック(Anthropic)との戦略的提携を5月27日に発表した。
今回の提携で富士通は、アンソロピックの先端的なAI技術と、富士通が長年培ってきた業種・業務ノウハウ、ミッションクリティカル領域におけるシステム構築・運用力を組み合わせる。これにより、日本企業のAIトランスフォーメーション(AX)を加速するとともに、重要インフラをはじめとする社会基盤の安全性・信頼性の強化に貢献するという。
主な取り組みは、「クロード活用によるForward Deployed Engineer(FDE)事業の強化」、「サイバーセキュリティの進化」、「社内実践によるAI活用モデルの確立と展開」が挙げられている。
FDEは、顧客の現場に深く入り込み、技術を活用して課題解決を図る実働型エンジニアを指す。富士通はこれまで、パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)をはじめとする先進的なテクノロジーパートナーとの戦略的提携を通じ、FDEの実践知を蓄積してきたという。
富士通は、顧客の現場に入り込みながら、業種知見と、AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」や大規模言語モデル「Takane」などの自社テクノロジーを組み合わせ、AIのユースケース設計から実装・定着までを短期間で実現してしてきたとのこと。
今回取り組む「クロード活用によるFDE事業の強化」では、こうしたFDEモデルにクロードを組み合わせることで、単なるAI導入にとどまらない、顧客との密接な協業および業種別の知見を基盤とした、実際の業務価値に直結するAI活用を実現するとのことだ。
また「サイバーセキュリティの進化」では、AI時代のサイバー防御力強化に向け、企業や重要インフラおよび必須サービスのサイバー防御力の向上を推進するという。専門人材に依存した属人的なサイバー防衛から、人とAIが協業して迅速に対応できる次世代のセキュリティ運用モデルへの進化を目指すとのこと。
AIの技術進展に伴うサイバー防御への対応は大きな社会的課題となっている。富士通は日本政府と連携し、得られた知見を通じて、社会全体のセキュリティ強化に貢献するとしている。
そして「社内実践によるAI活用モデルの確立と展開」では、富士通グループ社員約10万人がクロードを活用し、業務の高度化、高速化を実施しながら、AIを安心・安全に使える形を実践的に検証するという。具体的には、富士通がもつAIの信頼性向上を可能とする技術を組み込みながら、AIの利用における安全性・透明性・制御性を担保する技術と運用の両面を確立するとのことだ。
富士通によると近年、AI技術は業務効率化の段階を超え、企業の競争力や社会システムの強靭性を左右する基盤技術になりつつあるという。また最先端のAIは強力であるため、使い方を誤ると想定外の影響を及ぼす可能性があるとのこと。とりわけ官公庁、金融、ヘルスケア、防衛、重要インフラなど、社会の根幹を支える領域では、AIの高度な性能を安心して使いこなせることが重要であり、実装や継続運用まで含めて価値を出し続ける体制が不可欠とのことだ。
なお富士通は今回の発表と同日、オープンAI(OpenAI)との連携開始も発表している。
参考:富士通
画像:PIXTA
関連ニュース
- 日立、アンソロピックと戦略提携。フィジカルAIの社会実装と29万人規模の業務改革推進へ
- アンソロピックのAI「Claude」、11年休眠の約5BTCウォレット復旧支援か
- アマゾン、アンソロピックに最大250億ドル追加投資。AI向けクラウド需要で提携拡大
- 米NSA、国防総省の供給網リスク指定後もアンソロピックの「Mythos Preview」利用か=報道
- 米連邦地裁、国防総省によるアンソロピックのブラックリスト指定を一時差し止め
参照元:ニュース – あたらしい経済


コメント