
この記事の要点
- Y Combinator共同創業者ポール・グレアム氏、民主党の反仮想通貨路線を批判
- ウォーレン議員主導の規制強化がシリコンバレー離反を招いたと主張
グレアム氏「反仮想通貨で民主党は莫大な代償」
米ベンチャーキャピタル「Y Combinator(ワイ・コンビネーター)」の共同創業者である投資家のポール・グレアム氏は2026年5月25日、自身のXで、エリザベス・ウォーレン上院議員が主導してきた仮想通貨への規制強化路線を「民主党による完全な自滅点だった」と批判しました。
同氏は投稿のなかで、ウォーレン議員による反仮想通貨キャンペーンが「何も成し遂げず、それでいて以前は民主党を支持していた強力なグループの大部分を遠ざけることで、民主党に莫大な代償を払わせた」と述べており、テック業界との関係悪化が政治的損失につながったとの認識を示しています。
そのうえで、2020年から2024年にかけての支持構造の変化に目を向けるよう呼びかけ、シリコンバレーが民主党陣営から離反した流れは偶発的なものではなく、党側の政策判断によって引き起こされたと述べています。
Warren's war on crypto was a pure own-goal by the Democrats. It achieved nothing, and it cost them enormously by alienating a large fraction of a powerful group who'd previously supported them. Look at the change from 2020 to 2024. pic.twitter.com/FOrvWQ8lJn
— Paul Graham (@paulg) May 25, 2026
ウォーレン氏の仮想通貨への強硬姿勢は、民主党にとって完全なオウンゴールだった。特に成果を上げることもないまま、これまで民主党を支持していた影響力の大きい層の多くを遠ざけ、大きな代償を払うことになった。
2020年から2024年にかけての変化を見れば、そのことは明らかだ。
今回の発言は、2028年大統領選挙を見据える民主党有力者がウォーレン議員の支持取り付けを進めていると報じられた直後に出されたもので、民主党内では、テック業界や仮想通貨(暗号資産)業界との関係修復をどう進めるかを巡る議論が再び強まりつつあります。
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シリコンバレー離反、民主党が払った代償
「本当に愚かだった」ゲンスラー手法への批判
グレアム氏は今回の投稿に先立つ別のXポストで、ウォーレン議員が「前回も民主党にとって惨事を引き起こした」と指摘しました。
同氏は、ウォーレン議員の影響力拡大を背景に進められた重要人事のうち、ゲイリー・ゲンスラー氏のSEC(米証券取引委員会)委員長就任がシリコンバレー離反を加速させたとの認識を示しています。
グレアム氏はかつて、ゲンスラー氏のSEC委員長としての手法を「本当に愚かだった」と評し、規制順守を目指す正当な企業が締め出される一方で、実際の詐欺は見逃されていたと批判しています。
2024年に動いたシリコンバレーの政治地図
グレアム氏が「2020年から2024年への変化を見よ」と呼びかけた背景には、テック創業者や投資家層の支持先が民主党から共和党へと大きく移った流れがあります。
仮想通貨業界はPAC(政治活動委員会)「Fairshake(フェアシェイク)」とその関連PACを通じて2024年選挙サイクルに1億3,300万ドル(約210億円)を超える資金を投入したとOpenSecretsが報告しており、規制政策への影響力拡大を目指す動きが強まっています。
こうした資金動員は規制環境にも反映されており、ステーブルコイン規制法「GENIUS(ジーニアス)法」は2025年7月に大統領署名で成立しました。
仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」も2026年5月14日に上院銀行委員会で15対9の超党派賛成多数で可決され、上院本会議での審議に向けた手続きが進められています。
ウォーレン路線が見誤った規制の重心
グレアム氏は、ウォーレン議員主導で進められた証券法ベースの執行について、業界の実際のリスク所在から外れていたとの認識を示しています。
2025年上半期にはAML(マネーロンダリング対策)関連の制裁金が9億ドル(約1,430億円)を超えた一方で、SECによる仮想通貨関連の執行罰金額は前年比97%減少したと、CertiK(サーティック)のSkynetレポートで明らかにされました。
規制の重心が証券分類からAMLへと移っている現状は、ウォーレン議員時代に進められた証券法優先のアプローチと、実際のリスク管理上の論点との間にズレがあったことを示すデータとして受け止められています。
仮想通貨の二重規制に終止符
2028年大統領選、民主党と業界の距離
米国では仮想通貨をめぐる規制環境が、SEC主導の執行路線から立法ベースの制度整備へと軸足を移しており、政治と業界の関係にも変化が広がっています。
ウォーレン議員はCLARITY(クラリティ)法案について「仮想通貨業界によって書かれた業界のための法案だ」と批判を続けており、業界寄りの法整備に歯止めをかける姿勢を維持しています。
一方で、2028年大統領選挙を視野に入れる民主党有力者がウォーレン議員との連携を進めるなか、シリコンバレーや仮想通貨業界との関係をどのように修復していくのかを巡る議論が党内で続いています。
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Source:Paul Graham氏X投稿 / Paul Graham氏X投稿②
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