
この記事の要点
- Rippleら4社、トークン化米国債で初の銀行間決済を完了
- 公開ブロックチェーン上で5秒処理、24時間決済が射程
まずはRWA(現実資産)トークン化を詳しく
リップルら4社、トークン化米国債で初の銀行間決済
Ondo Finance(オンド・ファイナンス)は2026年5月6日、Ripple(リップル)、JPモルガン傘下のKinexys(キネクシス)、マスターカードと共同で、トークン化された米国債を使った初の国際間・銀行間ニアリアルタイム決済パイロットを完了したと発表しました。
従来の国際送金では、銀行営業時間や複数事業者をまたぐ手作業が決済処理の制約となっていましたが、今回のパイロットではブロックチェーン基盤と既存の銀行インフラを接続することで、国際送金を単一フローで処理する仕組みが構築されています。
取引の資産処理は分散型ブロックチェーン「XRPレジャー(XRP Ledger/XRPL)」上で5秒以内に完了しており、24時間365日体制での銀行間クロスボーダー決済が技術的に実行可能な水準に達していることが示されました。
XRPL上のRWA「35億ドル」到達
償還から着金まで、4社の連携と工程
XRPLと銀行網が連携「5秒決済」の構造
今回の取引は、リップルがXRPL上で流通するOndo Financeのトークン化米短期国債ファンド「OUSG」の一部を償還したことから開始されました。
Ondo Financeが償還処理を実行した後、法定通貨側の支払い指示はMTN・マルチトークンネットワーク経由でKinexysへ送信され、JPモルガンのブロックチェーン基盤がOndo Finance側の預金口座から資金引き落としを処理しています。
その後、JPモルガンのコルレス銀行(国際決済の仲介銀行)ネットワークを通じてリップルのシンガポール銀行口座へ米ドル資金が送金され、一連の決済フローが完了しています。
資産側の処理はXRPL上で5秒以内に完了し、法定通貨側の清算はJPモルガンの銀行インフラが担う構造となっており、公開ブロックチェーンと銀行決済網が単一の国際取引で同時稼働したケースは今回が初と位置づけられています。
償還インフラの遅れとMTNが埋めた溝
RWA(現実資産)のトークン化市場は急拡大してきた一方、償還や法定通貨決済を支える銀行側インフラの整備には遅れが残されていました。
ブロックチェーン上で資産を発行・移転する機能は整備が進む一方、決済部分は旧来の電信送金や手作業への依存が続き、銀行営業時間の制約も残されていました。
マスターカードのMTNは、オンチェーン資産と法定通貨決済を接続する中継基盤として機能しており、今回のパイロットではブロックチェーン側と銀行送金側をつなぐ役割を担っています。
グローバル銀行・公開ブロックチェーン・決済ネットワークが単一の国際決済フローとして統合稼働した事例はこれまでなく、今回のパイロットで初めて統合運用が確認されたとOndo Financeは説明しています。
ただし今回はパイロット段階にとどまっており、商業規模での展開には複数銀行や各国市場を横断できる決済インフラの整備が引き続き必要とされています。
ウォール街の巨人、トークン化事業を始動
7月にDTCC本番、商業化フェーズへ
DTCC(米国預託信託・清算会社)は2026年7月に証券トークン化の試験運用を開始し、10月の正式サービス化を予定しており、伝統金融インフラでもトークン化証券の実運用に向けた準備が進んでいます。
並行してXRPLを決済インフラとして活用する動きも広がっており、XRPL上のRWA残高はすでに35.6億ドル(約5,570億円)を突破しています。エネルギー・国債・決済など各分野での活用拡大も確認されています。
トークン化資産の発行から償還、国際送金までを単一フローで処理する運用モデルの確立に向け、参加各社は次段階となる商用実証の拡大を進める見通しです。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.32 円)
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Source:Ondo Finance発表
サムネイル:AIによる生成画像






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