
この記事の要点
- 2026年4月13日、韓国銀行が仮想通貨規制強化を提言
- 韓銀は仮想通貨取引所へのサーキットブレーカー導入を要求
- 提言の背景にはビッサムの62万BTC誤送金事件
- デジタル資産基本法への反映が見込まれ業界構造に影響
韓国中銀、仮想通貨にも「取引一時停止」導入を提言
2026年4月13日、韓国銀行(中央銀行)が国内の仮想通貨取引所にも株式市場と同様の「サーキットブレーカー(取引一時停止措置)」を導入すべきだと提言したことが明らかになりました。
釜山日報によると、韓国銀行は同日公表した「2025年度支給決済報告書」のなかで、同年2月に発生した大手取引所Bithumb(ビッサム)の62兆ウォン(6.8兆円)規模のビットコイン誤送金事件を取り上げ、再発防止に向けた制度整備の必要性を訴えています。
サーキットブレーカーとは、資産価格が急変動した際に取引を一時停止する仕組みで、韓国の株式市場では、コスピやコスダック指数が前日比8%以上下落した状態が1分間続くと、20分間の取引停止が発動されます。
今回の提言が立法に反映されれば、価格急変時に取引を一時停止する仕組みが、韓国の仮想通貨取引所にも導入される見通しです。
韓国銀行は今後成立が見込まれる「デジタル資産基本法」にサーキットブレーカーを含む安全装置を盛り込むよう立法府に要請しており、規制整備の方向性をめぐる主要論点として議論が進んでいると伝えられています。
報酬イベントでBTC誤計上
ビッサム60兆ウォン誤送金、内部統制が機能せず
担当者のミスで「62万ウォン」が「62万BTC」に
事件は2026年2月6日夜に発生し、ビッサムが顧客向けイベントの当選金として62万ウォン(約6万7,000円)相当のビットコインを支給する予定だったところ、担当者が単位を取り違えました。
この入力ミスにより、実際には62万BTC(当時レートで約60兆ウォン・約6.6兆円)が顧客のウォレットへ誤送信される事態となっています。
これを受け取った一部の顧客が大量売却に動いたことで、ビッサム上のビットコイン価格は一時9,800万ウォンから8,100万ウォンへと約15%急落し、他の利用者にもパニック売りや自動売却による損失が広がりました。
20分間気付かれず、ビッサム内部統制の致命的死角
報道によると、韓国銀行は事件の核心的な原因として、運営リスクを防止するための内部統制装置が機能していなかった点を指摘しています。
当時のビッサムでは、上級者の決裁や内部監視部門の確認を経ずに担当者がビットコインなどを送付できる体制となっており、内部帳簿と実際のブロックチェーン上のウォレット残高との照合も1日1回にとどまっていました。
さらに事件の発生から認知までに20分、取引所としての対応着手までにさらに20分を要し、対応の遅れが被害拡大を招いた一因になったと分析されています。
ビッサムは異常取引検知システム(FDS)を独自に運用していたものの、今回のケースでは正常作動に失敗しました。
韓国中銀が求める二重確認システムとリアルタイム照合
報道によれば、韓国銀行は顧客への支払いに際し、入力エラーをシステム的に事前検知・制御できる二重確認システムを取引所に整備するよう求めています。
あわせて、取引所の仮想資産内部帳簿とブロックチェーン上の残高との整合性をリアルタイムかつ自動的に確認できる仕組みや、人的ミスによる誤送金を事前に遮断するITシステムの導入も打ち出しています。
これらの提言は個別の取引所への対応を超えた業界全体の制度整備をめぐる議論へと広がっており、今後成立が見込まれるデジタル資産基本法の審議にも直接反映される見通しです。
成人の仮想通貨保有率「27%」
ビッサムIPOが延期、規制強化議論の中心に
ビッサムは誤送金されたうち回収できなかった7 BTCについて裁判所に凍結を申請したと伝えられており、事件の事後処理は司法手続きに移っています。
事件後は当局による厳しい監督・調査の対象となり、当初予定していた新規株式公開(IPO)も2028年へと延期する判断を迫られました。
韓国でデジタル資産基本法の制定が現実味を帯びるなか、今回の韓国銀行の提言が立法にどこまで反映されるかが、国内仮想通貨市場の制度設計を左右する重要な焦点となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ウォン=0.11 円)
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Source:釜山日報
サムネイル:AIによる生成画像





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