サークルUSDC凍結問題が再燃「15件の対応不備」を指摘|ZachXBT

この記事の要点

  • 調査者ZachXBTが2026年4月5日、サークルの凍結対応を公開告発
  • Driftハックで6時間・2億3,200万ドルが凍結されないまま流出
  • 2022年以降15件・420億円超の不正流出で不作為が累積と指摘
  • 正規ウォレット16件は凍結、ハック被害は放置の矛盾が露呈

USDC凍結の矛盾、公開調査で指摘

著名な仮想通貨リサーチャーであるZachXBT氏は2026年4月5日、サークル(Circle)のUSDC凍結対応に関する調査結果をX(Twitter)上に公開しました。

同氏は、2022年以降の15件のハッキング・詐欺事案において、合計4億2,000万ドル(約670億円)以上の不正USDコイン(USDC)流出に対し「サークルの凍結権限が一貫して行使されていなかった」と指摘しています。

2022年以降、4億2,000万ドル以上に及ぶコンプライアンス違反の疑いがあり、その中には、米国規制下のステーブルコイン発行体であるCircleが不正資金に対して最小限の対応しか取らなかったとされる事例が15件含まれています。

ZachXBT氏は直近の事例として、2026年4月1日に発生したDrift Protocolの約2億8,000万ドル(約447億円)流出に触れています。攻撃者はサークル自身が運営するクロスチェーン転送プロトコル(CCTP)を経由して、2億3,200万ドル相当のUSDCをソラナ(SOL)からイーサリアム(ETH)へ移動させました。

米国の営業時間帯に6時間以上、100件を超える取引が継続したにもかかわらず、凍結措置は行われないまま資金移動が完了しています。

一方で、サークルはわずか9日前の3月23日、ニューヨーク州の民事訴訟に関連して、無関係の正規ビジネスウォレット16件を凍結していました。

ZachXBT氏はこの対応差を「5年以上の調査で目撃した中で最も不適切な凍結だ」と表現しており、サークルの凍結基準そのものに疑問の声が集まっています。

サークルの凍結権限、実態と行使基準の乖離

「独自裁量」を持ちながら、なぜ止めなかったか

サークル社のスマートコントラクトには「blacklist(ブラックリスト)」機能が実装されており、制裁対応や当局の要請に基づいて特定のウォレットアドレスのUSDC移動を停止できるとされています。

利用規約上も、不正アクターに対して「独自の裁量」で制限を加える権限を自ら留保しています。

ただしサークルは今回の件について、「制裁、法執行命令、裁判所の指令がある場合に凍結する」との声明を発表しており、実際の運用では法的根拠なしの凍結には慎重な姿勢を示しました。

一方ZachXBT氏は、Driftの攻撃が米国の営業時間中に自社インフラ上で6時間にわたり進行していたことを踏まえ「法的命令がなくても独自裁量での対応は可能だったはずだ」と主張しています。

2022年以降15件、繰り返された凍結の遅延

ZachXBT氏は同投稿で、Drift事案以外にも2022年以降の15件を列挙し、対応の遅延や不作為が累積してきたと指摘しています。

2026年1月のSwapNet攻撃(被害額1,600万ドル)では、300万ドルのUSDCが2日間にわたり攻撃者のウォレットに留まりました。

法執行機関と民間専門家がサークルに凍結要請を提出しましたが、いずれも受け入れられず、被害者が裁判所命令を取得する数時間前に資金は別の資産に交換されています。

2025年2月のBybit流出事件(被害額15億ドル)でも、Tether(テザー)が数時間以内に関連アドレスを凍結したのに対し、サークルの対応は24時間遅れたとZachXBT氏は指摘しています。

ZachXBTは「自分もUSDCを保有しており、サークルの崩壊を望んでいるわけではない。しかし彼らのコンプライアンス判断は、現実の人々に現実の損害を与えてきた」と投稿を締めくくっています。

サークルの凍結構造、DeFiの設計原則と衝突

USDCはDeFi(分散型金融)プロトコル上でも流動性供給や担保資産として広く使われています。

サークルが単独の判断でUSDCを凍結できる構造は、「許可不要・検閲耐性」を前提とするDeFiの設計思想と根本的に相容れないとの指摘が以前から続いており、今回の事案はその矛盾を改めて表面化させました。

凍結機能を持ちながら使わなかった事案と、正規ウォレットを誤って凍結した事案が同時期に明らかになったことで「いつ・誰の・どの資産が止められるかわからない」という不確実性が、DeFi上でUSDCを利用する事業者や個人にとってのリスク要因として認識されつつあります。

法整備が進む中、サークルの凍結基準が問われる

米国では2025年7月18日にステーブルコイン規制「GENIUS法」が成立しました。同法はすべての発行体に対し、法的命令があった場合にUSDCを凍結・差押えできる技術的能力の保有を義務づけています。

同じ2026年3月3日には、FATF(金融活動作業部会)がステーブルコインとアンホステッドウォレットに関する報告書を公表しました。

報告書は発行体に対し、流通市場でも凍結・ブラックリスト化を可能にする技術的能力の維持を検討するよう求めており、ブロックチェーン分析を活用した資産の積極的な監視も提案しています。

GENIUS法とFATF報告書が相次いで発行体の技術的能力と監視義務を求める中、サークルが凍結基準の透明化にどう応じるかが注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.78 円)

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Source:ZachXBT氏X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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