
この記事の要点
- 豪年金基金Hostplus、ビットコイン投資の提供を検討
- 対象は約220万人の加入者、運用資産は約16.6兆円規模
- 規制当局の承認を条件に、早ければ次年度中の提供開始を想定
- 豪州年金市場約500兆円全体への波及が注目される
豪年金基金Hostplus、220万人にビットコイン投資解禁を検討
2026年3月23日、1,500億豪ドル(約1,050億ドル/約16.6兆円)を運用するオーストラリアの年金基金Hostplus(ホストプラス)が、ビットコイン(BTC)などデジタル資産への投資機会の提供を検討していることが明らかになりました。
ブルームバーグによると、対象は約220万人の加入者で、規制当局の承認と商品設計の最終化が前提条件となっています。提供開始は早ければ次年度中が見込まれています。
提供は、加入者が自ら投資先を選べるセルフダイレクト型プラットフォーム「Choiceplus」を通じて行われる予定です。なお、同プラットフォームは現在、同基金の総資産の約1%を占めているとされています。
これまで仮想通貨投資に慎重だった大規模年金基金が方針転換を具体的に検討する動きとして、豪州年金市場全体への影響が注目されています。
決済・トークン化需要が拡大
加入者の声と規制環境が豪年金のBTC検討を後押し
加入者の7割が30代、デジタル資産への需要が急増
ホストプラスCIO(最高投資責任者)のサム・シシリア氏は、今回の検討について、加入者から仮想通貨投資へのアクセスを求める声が増加していることを背景として挙げています。
ブルームバーグによれば、同基金の加入者は平均年齢が30代半ばから後半と比較的若く、資産形成途上の世代が中心となっています。
こうした背景から、従来型資産に加えてデジタル資産への配分を求める声が高まっており、シシリア氏は「なぜ仮想通貨に投資できないのかと問い合わせてくる加入者が確かにいる」と述べています。
また、提供開始の時期については次年度も視野に入れているものの、規制当局の承認と最終的な商品設計の完成が前提条件になるとも語っています。
豪年金市場、仮想通貨に慎重姿勢から転換へ
オーストラリアの年金セクターは総資産約4兆5,000億豪ドル(約3.1兆ドル/約500兆円)にのぼる巨大市場ですが、仮想通貨を含むデジタル資産に対してはこれまで大半の基金が慎重な姿勢を維持してきました。
そうしたなか、Hostplusの検討範囲はビットコインだけでなく幅広いデジタル資産に及んでおり、リスク管理体制の整備や消費者保護の確保、オーストラリアの規制枠組みへの準拠について評価が進められているといいます。
同国では、住宅ローン負担の重い郊外を中心にビットコインへの関心が高まっており、メルボルン西部やシドニー北西部、クイーンズランドおよび西オーストラリアの一部地域に「仮想通貨ベルト」と呼ばれる需要層が形成されつつあることが郵便番号データから示されています。
こうした個人投資家レベルでの需要拡大が制度整備を後押しし、機関投資家による検討も進んでいるとみられています。
米国4州でBTC年金統合が具体化、豪州と連動
米国でも公的年金への仮想通貨統合が相次いでいます。インディアナ州では、マイク・ブラウン知事が2026年3月3日に法律(HB 1042)へ署名し、2027年7月1日までに公的退職年金制度においてビットコインを含む仮想通貨オプションの提供を義務付けました。
さらに、サウスダコタ州やロードアイランド州でもビットコイン関連の提案が浮上しており、ニューハンプシャー州ではすでに公的資金の最大5%をビットコインなどの主要仮想通貨に投資できる制度が導入されています。
公的年金制度と仮想通貨の接点は急速に拡大しており、規制対応を進めた基金が市場参加を主導する構図が各国で形成されつつあります。
「年金に仮想通貨導入の時期が来た」
各国の公的資金、ビットコインへの制度的参入が本格化
豪州年金市場では、Hostplusに先立ちAMPが2024年5月にビットコイン先物を通じた間接的な仮想通貨投資を開始しており、大手基金による参入の動きが広がっています。
Hostplusが規制承認を取得し提供を開始した場合、総資産4兆5,000億豪ドル規模の市場において、他の大手基金にも同様の検討が波及する可能性があります。
デジタル資産を公的制度にどこまで組み込むかをめぐる各国の判断が、仮想通貨市場への機関資金の流入規模に影響を与えるとみられています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.71 円 / 1豪ドル=110.92 円)
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Source:ブルームバーグ報道
サムネイル:AIによる生成画像







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