SBI、シンガポール取引所Coinhakoを子会社化。アジアのデジタル資産戦略を加速

SBIホールディングス、シンガポール仮想通貨取引所Coinhakoの過半数株式を取得し子会社化

結論

2026年2月13日、SBIホールディングスは完全子会社SBI Ventures Asset Pte. Ltd.を通じて、シンガポールの暗号資産取引所Coinhako(コインハコ)の過半数株式を取得し、連結子会社化する方針を発表しました。

資本注入と既存株主からの株式取得を組み合わせる形で、アジア金融の要衝に戦略拠点を確保します。

 

これは単なる投資案件ではなく、北尾吉孝会長が10年以上にわたり構築してきた「デジタル資産のグローバルコリドー」構想における重要な一手と位置付けられます。

 

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3つの重要ポイント

・SBIはシンガポールの暗号資産取引所Coinhakoを子会社化する方針を発表
・日本・シンガポール・英国を結ぶデジタル資産インフラ構築が加速
・規制対応や制度差異など実務的課題も残る

シンガポールという選択

Coinhakoは2014年設立。

シンガポール金融管理局(MAS)による主要決済機関(Major Payment Institution)ライセンスを保有する暗号資産プラットフォームで、傘下のHako Technology Pte. Ltd.が同ライセンスを取得しています。

 

英領バージン諸島登録のAlpha Hako Ltd.も擁し、累計取引額は100億ドルを超え、100種類以上の暗号資産を取り扱っています。

10年以上の運営実績と、厳格な規制当局の認可を受けた基盤。

この二点は、SBIが重視してきた要素と一致します。

 

シンガポールは暗号資産の規制枠組みが明確で、機関投資家の参入環境が整備された市場です。

MASは決済サービス法(PSA)に基づく厳格なライセンス制度を整備しており、Coinhakoはその枠組みのもとで早期に認可を取得した事業者の一つです。

 

日本国内でSBI VCトレードを運営し、英国ではB2C2を傘下に収めてきたSBIにとって、規制遵守は長期的な事業基盤の前提条件です。

シンガポールは、その条件を満たす数少ない市場の一つといえます。

過半数取得が持つ意味

今回SBIが取得するのは過半数株式であり、資本参加にとどまらず経営権の掌握を意味します。

連結子会社化により、SBIはCoinhakoのガバナンスおよび事業戦略に直接関与できるようになります。

従来の個人向け取引サービスに加え、機関投資家向けカストディ、ステーブルコインを活用した決済インフラなど、高度な金融サービスの展開余地が広がります。

 

北尾会長は声明の中で、トークン化が進む時代においてデジタルアセットのグローバルインフラの重要性が高まっていると述べています。

トークン化株式やステーブルコインを含む次世代金融の実装に向けた基盤整備の一環とみられます。

 

具体的には、SBIが国内で進める株式トークン化の取り組みを、シンガポールを経由してアジア全域へ展開する構想も視野に入ります。

2025年12月、SBIはシンガポールのDigiFTと共同で、日本株を裏付け資産としたデジタル証券を発行する合弁会社を設立しています。

Coinhakoの基盤を活用することで、この動きをさらに加速させる可能性があります。

北尾構想の全体像

今回の買収は、SBIグループが長年進めてきたデジタル資産エコシステム構築の文脈の中に位置付けられます。

国内ではSBI VCトレードとビットポイントジャパンが2026年4月に統合予定であり、英国ではB2C2を通じて機関投資家向け流動性を提供しています。

さらに、リップル社株式を保有し、XRPを活用した国際送金インフラにも関与しています。

 

Coinhakoの連結子会社化により、日本・シンガポール・英国を結ぶ三角的な拠点構造が形成されます。

日本は規制整備が進み市場の透明性が高い。シンガポールはアジアの金融ハブとして機関投資家が集積する拠点。

英国は欧州市場へのゲートウェイとして機能します。

 

これら三拠点を押さえることで、時差を活用した24時間体制の流動性提供や、クロスボーダーでのデジタル資産流通の高度化が可能となります。

Coinhako共同創設者兼CEOのYusho Liu氏は、SBIのネットワークとリソースを活用し、機関投資家グレードのインフラ拡張を進めていく方針を示しています。

実務的な課題

一方で、統合に向けては複数の課題が想定されます。

第一に規制対応です。取引完了には関係当局の承認が前提となります。

MASは近年、暗号資産事業者への監督を強化しており、審査プロセスは厳格化しています。

 

第二に各国規制の差異です。

日本とシンガポールではステーブルコイン規制やトラベルルールの適用範囲が異なります。各国制度に適合しつつ効率的な国際送金・決済ネットワークを構築できるかが問われます。

 

第三にグループ内事業の役割整理です。

Coinhakoの統合によりシナジーが期待される一方、組織間調整の必要性も高まります。

東南アジア展開の起点

買収完了後、CoinhakoはSBIの支援のもと、ベトナムやインドネシアなど周辺諸国へのサービス拡大を視野に入れています。

東南アジアは若年人口比率が高く、金融包摂の観点から暗号資産の普及潜在力が高い地域です。

銀行口座を持たない層が多い地域では、スマートフォンを利用したデジタル決済が実用的な選択肢となり得ます。

 

ただし、各国の規制環境は流動的です。

伝統金融の堅実性とWeb3領域のスピード感をどう融合させるかが、今後の展開の鍵となります。

アジア市場における競争構図

今回の動きは、アジアの暗号資産市場における競争構図にも影響を与える可能性があります。

グローバル取引所が存在感を示す中、SBIは伝統金融の信用力と規制対応力を強みに、機関投資家向け市場で差別化を図る戦略を採っています。

取引量競争ではなく、トークン化証券やステーブルコイン決済といった金融インフラ領域で優位性を確立する構想です。

この戦略が進展すれば、日本発の金融グループがアジアのデジタル資産インフラ形成において重要な役割を担う可能性があります。

 

このように、暗号資産市場は金融インフラとしての役割を強めつつあり、個人投資家にとっても利用環境の整備が進んでいます。


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Q&A

Q. なぜシンガポールの取引所を買収するのですか?
規制環境が明確で機関投資家の参入環境が整っており、アジアの金融ハブとして機能しているためです。

Q. 子会社化によって何が変わりますか?
SBIが経営戦略に直接関与できるようになり、機関投資家向けサービスや決済インフラの高度化を進めやすくなります。

Q. 想定される課題はありますか?
規制承認の取得、各国制度の違いへの対応、グループ内事業の役割整理などが挙げられます。

まとめ

今回のCoinhako子会社化は、SBIグループが進めてきたデジタル資産戦略をアジア規模へ拡張する動きといえます。

規制環境が整ったシンガポールを拠点とすることで、機関投資家向けインフラ整備やクロスボーダーでのデジタル資産流通の高度化が期待されます。

一方で、各国規制への適合や組織統合といった実務的課題も残ります。伝統金融の信頼性とWeb3の革新性をどのように融合させるかが、今後の成否を左右する重要なポイントとなりそうです。

出典・引用

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参照元:CoinChoice(コインチョイス)

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