
2026年2月6日、ビットコイン(BTC)が一時6万ドル付近まで急落し、仮想通貨市場に大きな衝撃が広がりました。
その後は小幅に反発したものの、年初来で26%下落と大幅な調整局面に入っており、ビットコインの先行きに注目が集まっています。
過去の暴落局面では、2014年の取引所破綻や2017年〜2018年のICOバブル崩壊、2022年のFTXショック後も、いずれも時間をかけて回復し、高値を更新してきました。
今回の下落は、ETFからの資金流出や地政学リスク、金融政策への警戒感など複数の外部要因によるもので、仮想通貨そのものの信頼性は保たれているとの声もあります。
市場の成熟や待機資金の増加といった足元の状況を踏まえれば、ビットコインは過去と同様に回復基調へ移行する可能性があると指摘されています。
今回の急落は一時的な調整局面との見方があり、長期的な成長トレンドの過程で生じた一時的な変動と捉える声も上がっています。
この記事の要点
- 2026年2月、ビットコインが約4か月で50%超の急落
- 暴落を受け「終焉論」と「反発期待」が市場で交錯
- 歴史的に80%超の下落後に回復した事例も複数存在
- 今回の下落はネットワーク健全で構造崩壊ではない
- 回復にはレバレッジ整理と制度整備など複合条件が必要
2026年2月:ビットコイン急落の真相と市場の動揺
2026年2月6日、ビットコイン(BTC)の価格が一時約6万ドル(約900万円)近辺まで急落し、仮想通貨市場に大きな衝撃が走りました。
価格はその後小幅に反発しましたが、2024年10月以来の安値圏にとどまり、週間で15%、年初来では26%の下落となる見込みです。
イーサリアム(ETH)など他の主要アルトコインも軒並み下落し、ETHは一時10ヶ月ぶりの安値である約1,770ドル(約28万円)付近まで下落しました。
仮想通貨市場全体の時価総額は急減し、わずか24時間で約1,110億ドル(約16.7兆円)が消失、約16億ドル(約2,500億円)相当のポジションが強制清算されたとの分析もあります。
パーク氏「新高値に向けたプロセス」
ビットコインが急落した複合的な要因
ETFからの資金流出が売り圧力を強化
今回の急落には、複数の要因が重なっていると指摘されています。
まず、機関投資家向けのビットコイン投資信託やETF(上場投資信託)から巨額の資金流出が発生し、市場の売り圧力を強めたとされています。
実際、ドイツ銀行の分析によれば、米国の現物BTC-ETFからは直近1月に30億ドル超が流出し、2025年11月(約70億ドル)以降、大口資金の流出傾向が続いていました。
地政学リスクと金融政策が投資家心理を冷却
加えて、地政学リスクの高まりも投資家心理の冷却要因となっています。
米国がベネズエラのマドゥロ大統領の拘束に踏み切ったことや、トランプ米大統領によるグリーンランド掌握発言など、2026年初めには地政学的な不安材料が相次ぎました。
これを受け、安全資産への退避を狙った資金が金や銀に流入し、両貴金属は歴史的高値を記録する一方、ビットコインなどリスク資産からは資金が流出する展開となっています。
FRB人事と株安がさらなる下落要因に
さらに、トランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ氏を指名した人事も不透明感を生みました。
ウォーシュ氏は仮想通貨に理解を示しているとされる一方で、市場では金融引き締め継続への警戒感が広がり、結果的にビットコイン相場の下落要因になったとする見方も出ています。
こうした中、ハイテク株中心のNASDAQ指数も直近1週間で約4.8%下落し、仮想通貨市場と伝統市場の下落が連動する動きが見られました。
仮想通貨暴落で市場参加者は何を見たか
パニック売りとロスカットによる市場混乱
急落に伴い、投資家心理は大きく冷え込み、「パニック売り」も散見されました。
取引所では証拠金取引におけるロスカット(強制売却)が相次ぎ、多くのポジションが清算されました。一方、市場関係者からは今回の下落を冷静に見る声も出ています。
強気派と悲観派、専門家の見解が分かれる
香港Web3協会のジョシュア・チュー共同議長は「ビットコインが6万ドルに向けて下げているのは、リスク管理を怠り、ビットコインを一方向の資産と見なしていた投機筋への報いであり、仮想通貨の終焉ではない」と指摘しています。
金や銀など「安全資産」とされる市場でも、レバレッジ過多やストーリー先行の局面では急激な調整が生じることがあります。
チュー氏はこれを踏まえ「過剰な賭けや借り入れ、価格上昇のみを前提とした者たちは、今まさに市場変動とリスク管理の現実を痛感している」と述べ、今回の急落はマーケットの健全化プロセスだとの見解を示しました。
また、ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は2月1日、自身のX(旧Twitter)への投稿で、市場の急落を”セール(安売り)”に例え、「富裕層はこの局面を買い増しの好機と見ている」と述べました。
キヨサキ氏は現金を確保しつつ金・銀・ビットコインを追加購入する意向を示しており、「私は現金を手に、金・銀・ビットコインを安く買い増す準備をして待っている。さて、あなたはどうする?」と投資家に呼びかけています。
一方、ドイツ銀行のマリオン・ラブール氏は「既存投資家が仮想通貨への興味を失いつつあり、悲観論が広がっている」と分析しており、市場のモメンタム低下を指摘する声もあります。
ビットコインの先行きに対する不安が広がる中、過去の事例を手がかりに回復の可能性を探る動きも見られます。
ビットコイン調整リスク継続か
暴落からの復活、歴史が示すビットコインの底力
過去10年以上のビットコイン市場を振り返ると、大幅な暴落は何度も起きていますが、そのたびに乗り越え新たな高値を更新してきました。
2014年:Mt.Gox破綻と80%超の急落
2014年には当時世界最大のビットコイン取引所だったMt.Gox(マウントゴックス)の崩壊事件が発生し、市場は深刻な打撃を受けました。
ハッキングにより約85万BTCが消失したとされるこの事件でトレーダーの信認は大きく揺らぎ、ビットコイン価格は最高値1,100ドルから200ドルを下回る水準まで暴落しました。
画像:BiTBOより引用
下落率は実に82%に達し、ビットコインの存続に対する懐疑的な声が急増しました。
しかし、その後ビットコインは徐々に回復し、3年後の2017年には1,100ドルの水準を大きく超えて史上最高値を更新するまでに至りました。
2017年〜2018年:ICOバブル崩壊で85%下落
2017年末の「ICOブーム」の後、規制強化や詐欺的プロジェクトの発覚を受け、仮想通貨市場は急速に冷え込みました。
ビットコイン価格は2017年12月に約2万ドルの史上最高値を付けた後、2018年を通じて下落し続け、最終的に3,000ドル近辺まで下落しています。
画像:BiTBOより引用
ピークからの下落率は約85%に達し、多くの投資家がビットコインの将来に悲観的な見方を示しました。
この暴落局面でも、ビットコインはネットワークのセキュリティや利用者数を着実に伸ばし続け、2020年末には2万ドルの旧高値を取り戻しました。
2022年:FTX破綻とLUNA崩壊がもたらした77%下落
2022年にはTerra(LUNA)崩壊や大手仮想通貨取引所FTXの破綻といった業界の深刻なスキャンダルが相次ぎ、市場全体が連鎖的な暴落に見舞われました。
ビットコインは2021年11月に約6万9,000ドルの史上最高値を付けましたが、そこから1年余りで約77%下落し、2022年末には1万6,000ドル前後まで値を下げています。
画像:BiTBOより引用
この「暗号資産冬の時代」と呼ばれた弱気相場では、世界で超の時価総額が失われたとも推計され、再び「ビットコイン終焉論」が盛んに語られました。
その後、ビットコインは着実に信頼を取り戻し、2024年には強力な反発局面に転じています。
画像:BiTBOより引用
特に2024年後半から2025年にかけては、米国におけるビットコインETF承認や主要企業の参入といったポジティブなニュースが相次ぎました。
これらが追い風となり、2025年10月には過去最高値の約12万6,000ドル(約1,900万円)を記録しています。
画像:BiTBOより引用
「終焉論」を跳ね返してきた歴史的証拠
ビットコインはこれまで複数回の大幅下落を経ながらも、そのたびに回復し、最高値を更新してきた経緯があります。
一部報告によれば、ビットコインは過去に400回以上「終焉が近い」と指摘されながらも、その都度市場の信認を保ち続けてきました。
実際に過去の弱気相場では、価格が80%近く下落した局面もあったものの、数年の時間を経てその水準を大きく上回る価格帯へと回復する事例が繰り返されています。
こうした経緯を踏まえると、ビットコインは高いボラティリティを抱えながらも、長期的には上昇基調をたどってきた資産と位置づけられています。
ビットコインの歴史
2026年のビットコイン暴落は過去と何が違うのか?
過去の調整と比較した異常な下落スピード
2026年2月に発生したビットコインの急落は、過去の下落局面と何が異なるのか注目されています。
今回の下落率は、2025年10月の過去最高値である12万ドル超から2026年2月時点で50%を超えており、大規模な調整局面にあります。さらに、ピークからわずか4〜5ヶ月という短期間での下落は、従来のサイクルと比べても異例のスピードです。
過去には、ピークから底値までに約1年を要するケースが多かったことから、今回の変動は市場参加者にとって強いインパクトを与えたとみられます。
ネットワークの安定が示す回復の土台
ただし、今回の下落では、仮想通貨そのものへの信認を揺るがすような内部要因は確認されていません。
2014年のMt.Gox破綻や2022年のFTXショックのようなシステミックリスクは存在せず、ビットコインのネットワークは現在も正常に稼働しています。
ノード数やハッシュレート(計算能力)も過去最高水準にあり、インフラ面での基盤は引き続き堅調です。
流動性減退とマクロ要因の複合的影響
市場構造面では、マクロ経済の変動や伝統的金融市場との連動性の高まりが指摘されています。
著名アナリストであるトム・リー氏は「今回の価格調整は需要の消滅ではなく、市場流動性の一時的な毀損による現象だ」と述べています。
またリー氏は、市場でのレバレッジ解消が進んだことにより、価格が一時的に大きく変動していると指摘しています。
実際、CryptoQuantのデータでは、暗号資産取引所に保管されているステーブルコイン残高が過去最高の720億ドル(約11.3兆円)を超えており、投資待機資金の存在が確認されています。
過去のデータからも、ステーブルコインの蓄積はその後の資金流入と価格回復につながるケースが多く、今回も同様の展開が期待されています。
さらに、近年では年金基金や上場企業などの新たな投資主体が参入しており、ビットコイン市場の成熟度は格段に向上しました。
2024年以降、各国でビットコインETFの承認や仮想通貨に関する規制整備が進み、市場の透明性と投資家保護体制の整備が進展しています。
投機対象から資産運用の手段に
22026年2月現在、ETF承認や制度整備を背景に、ビットコインは投機対象から資産運用の一手段として認識され始めています。
ただし、仮想通貨市場の拡大と構造変化は、これまで以上に外部環境への感応度を高める要因にもなっています。
特に株式市場や為替との相関性が強まる中、価格は地政学リスクや金融政策の変化を直接反映する構図が定着しつつあります。
こうした背景から、現在のビットコイン市場はマクロ経済的要因を反映する「成熟市場」としての性格を強めています。
「2026年は期待から実需へ」
ビットコイン回復シナリオに必要な4つの条件
2026年2月の急落を受け、ビットコイン市場が回復基調へ転じるには、いくつかの重要な条件が求められます。
市場関係者やアナリストは、次の4つの要素が回復のカギになると見ています。
1、金融環境の安定化
仮想通貨市場と金融政策は強く連動しており、過去の下落局面でも中央銀行の方針転換が価格に影響を与えてきました。
2026年初頭の急落も、FRBによる利上げ継続と景気後退懸念が重なったタイミングで発生しています。
今後、インフレ率の鈍化や政策金利の引き下げといった金融環境の緩和が進めば、リスク資産に対する投資資金が再び戻りやすい地合いが生まれる可能性があります。
2、投資家心理の正常化
価格の急落は投資家心理に直結しており、現在も「極度の恐怖」を示すセンチメントの中、新規投資の手控えや売却の加速が続いています。
一方、仮想通貨取引所におけるステーブルコイン残高は過去最高水準に達しており、市場には依然として大規模な「待機資金」が存在していると分析されています。
投資家心理が底打ちしてセンチメントが改善すれば、資金流入のきっかけとなる可能性があります。
3、市場レバレッジの整理
2026年の価格下落では、レバレッジ取引の過多が要因の一つとされており、強制清算による価格変動の増幅が確認されました。
しかし、信用取引の整理が進むことにより、市場は過剰なリスクポジションから解放され、健全性を取り戻すと期待されています。
市場分析者の間では「今回の下落は長期的成長に向けた健全な調整」とする認識が広がっています。
4、新規需要の創出
市場の需要を支える新たなファンダメンタルズの出現も、回復に向けた重要な条件です。
政策面で各国の規制整備や緩和が進めば、機関投資家の参入が進み、新たな資金流入の呼び水となる可能性が指摘されています。
加えて、ライトニングネットワークによる高速決済技術やスマートコントラクト活用の進展により、実需の広がりが価格面に寄与するとの見通しもあります。
相場反転に向けたシナリオと不確実性
以上の条件が整った場合、市場は段階的に下げ止まりから反発局面へと移行する可能性があります。
ただし、地政学的リスクの高まりや新たな規制強化など、予測不能な外部要因により回復が遅れるリスクも依然として存在します。
それでも、過去の市場サイクルを踏まえれば、ビットコインの回復力を評価する見方は依然として広く共有されています。
BTC価格反転の転換点に接近か
暴落は終わりかチャンスか?ビットコインの行方
2026年初頭の急落を受けて「ビットコインは終わったのか」との悲観論が広がる一方で、過去の相場推移を踏まえると、今回の下落が長期的な成長トレンドの終息を意味するとは限らないとの見方も出ています。
ビットコインは過去15年にわたり、深刻な調整局面を何度も経験しながらも、その都度回復を遂げてきました。
2014年の取引所破綻、2018年のICOバブル崩壊、2022年の業界スキャンダルといった局面でも、時間をかけて価格と信頼を取り戻してきた歴史があります。
今回の下落は、市場参加者の過熱やレバレッジ増加といった内部要因に加え、ETFからの資金流出、地政学リスクの高まり、金融政策への警戒感など、複数の外部要因が重なった結果とみられています。
一方、市場では待機資金の蓄積が進み、基盤技術の成長や制度整備、投資家層の拡大も着実に進んでいます。
こうした要因を背景に、相場は再び回復基調に向かうとの見方が市場関係者の間で強まりつつあります。
今回の急落をもってビットコインの終焉と結論づけるのは時期尚早であり、今後も冷静かつ長期的な視点で市場動向を見極めていくことが求められます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.09 円)
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