
日本債券市場の変動が招いた仮想通貨市場の急落局面
スコット・ベセント米財務長官のは2026年1月21日、足元で進行している世界的な金融市場の不安定化について、日本の債券市場における変動が主因であるとの認識を示しました。
こうした市場環境の変化を受け、ビットコイン(BTC)はこの時期に下落し、一時89,000ドル(約1,400万円)を下回る水準となり、年初来で積み上げてきた上昇分をほぼ失ったと報じられています。
市場データによると、直近48時間で18億ドル超(約2,850億円)相当のレバレッジポジションが清算され、仮想通貨市場全体の時価総額は約2,250億ドル(約35兆円)減少しました。
こうした調整局面について、ベセント長官は「日本国債利回りの急騰が引き金となったリスクオフの動きである」と説明し、グリーンランド問題などの個別の地政学要因は直接の要因ではないと明言しています。
SCOTT BESSENT: Markets are going down because Japan's bond market just suffered a six-standard-deviation move in ten-year bonds over the past two days.
This has nothing to do with Greenland; it's all about the Japanese bond blowout.@SecScottBessent pic.twitter.com/sZqGdsHX3g
— Bannon’s WarRoom (@Bannons_WarRoom) January 20, 2026
スコット・ベセント米財務長官:
市場が下落しているのは、日本の債券市場で過去2日間にわたり10年物国債が6シグマの大変動を起こしたからです。
これはグリーンランドとは全く関係なく、すべて日本債券市場の暴騰が原因です。
仮想通貨市場が歴史的下落
日本国債利回りの変調が波及したグローバル金融市場
国債増発観測が押し上げた日本の長期金利
今回の市場調整は、日本の債券市場で観測された金利変動とほぼ同時に進行したと報じられています。
日本の10年物国債利回りは2日間で約19ベーシスポイント上昇し、この変動幅は2022年以来の水準に達しています。さらに30年物国債利回りも2003年以来とされる上昇幅を記録しました。
背景には、高市早苗首相が追加の財政出動を掲げて衆議院の解散および総選挙を表明したことがあり、市場では国債増発による財政負担拡大への警戒感が強まったとされています。
日本国債価格の下落に伴う利回りの上昇は海外市場にも波及し、日本国債を保有する海外投資家が資金を引き揚げるとの観測もあり、欧米の長期金利も上昇基調に転じています。
ベセント財務長官が指摘した債券市場の影響
一方、米国ではドナルド・トランプ大統領が欧州同盟国に対し、グリーンランド情勢をめぐる新たな関税措置に言及したことで、欧州における防衛費拡大や国債増発への懸念も浮上していました。
しかし、ベセント財務長官は1月20日に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)の場で、市場下落の要因について「過去2日間に日本の債券市場で統計的に『6シグマ』規模の変動が起きたためだ」と述べ、今回の混乱が日本国債利回りの上昇に起因するとの見方を示しました。
また、グリーンランドをめぐる議論や貿易摩擦とは無関係であると明確に否定しています。
あわせて同氏は、日本銀行が債券市場の安定確保に向けて適切な対応を講じる必要性にも言及し、政策当局の役割に触れました。
円キャリートレードを巡る市場の変化
こうした市場環境の変化を受け、長年にわたり超低金利を前提に形成されてきた円キャリートレードについては、変化を示唆する見方が出ています。
日本の利回り上昇を受け、日本の投資家による海外債券売却が進むとの観測が広がり、米国の長期国債利回りは直近で約8年ぶりとされる水準に達しました。
こうした金利上昇と流動性低下への懸念が株式市場にも影響したとされ、米国ではS&P500指数とナスダック指数が19日の取引でいずれも2%を超える下落を記録し、ダウ平均も1.76%安となりました。
安全資産とされる金には資金が流入し、価格は一時4,835ドル(約76万円)まで上昇し、史上最高値を更新しています。
ビットコインと主要アルトコインの下落
仮想通貨市場も、こうした世界的なリスク回避の動きの影響を受けたとみられています。
ビットコインは1月初旬に一時98,000ドル近辺まで上昇していたものの、その後は約10%下落し、2025年末以来の安値圏に沈んでいます。
直近2日間で発生した18億ドル規模の清算のうち、約93%がロングポジションであったとされ、レバレッジを伴うポジション解消が下落の一因になったとの見方があります。
時価総額ベースでも仮想通貨市場全体で約2,250億ドルが失われ、昨年11月中旬以来の調整局面となりました。
主要アルトコインも下落し、時価総額第2位のイーサリアム(ETH)は7%超下落して3,000ドル(約47万円)を割り込む水準で推移しています。
国際市場で意識された資金の流れ
市場関係者の間では、今回の一連の動きについて「米国売り(Sell America)」と表現する声も出ています。
米国株式、米国債、ドル、さらにはビットコインに至るまで売りが広がる一方で、日本円や金といった資産に資金が向かう動きがみられています。
実際、米国の仮想通貨関連株も下落しており、Coinbase株は前日比5.6%安、Circle社株も7.5%安となりました。
日本国債利回りの上昇は、低金利を前提とした国際的な資金循環に影響を与える可能性があるとされ、こうした動きが世界的な流動性低下につながるとの指摘もあります。
こうした環境下で、ビットコインは価値保存資産としての側面と、流動性縮小の影響を受けやすいリスク資産としての側面の双方が意識されている状況です。
中央銀行政策が左右する仮想通貨市場の動向
日銀の金融政策とビットコイン価格
日本の債券市場を起点とする今回の混乱を受け、各国中央銀行の政策対応にも市場の関心が集まっています。
とりわけ日本銀行が市場安定を目的として利上げを含む政策修正に踏み切った場合、グローバルな金融環境の引き締めにつながり、仮想通貨市場にとっては追加的な下押し圧力となる可能性が指摘されています。
ビットコイン価格は記事執筆時点で89,000ドル前後(約1,400万円)で推移しており、市場では主要なサポート水準とされる87,000ドル(約1,370万円)付近を維持できるかが注視されています。
著名投資家が示す仮想通貨市場の長期見通し
その一方で、長期的な視点では冷静な見方も示されています。
米スカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムーチ氏は、ダボス会議の場で「今回の下落はタイミングの問題に過ぎず、ビットコインの本質的なストーリーが損なわれたわけではない」と述べました。
規制環境の整備が想定よりも緩やかに進んでいる点には言及しつつも、仮想通貨市場の基盤そのものは維持されているとの認識を示しています。
同氏は2026年の市場についても慎重ながら前向きな見通しを示し、足元のボラティリティ上昇と中長期的な成長期待を切り分けて捉える姿勢を明らかにしました。
世界的金融情勢と仮想通貨相場の行方
仮想通貨市場では、世界的な金融情勢の影響を受ける状況が続いています。
今回の急落を通じて、市場参加者の間では中央銀行の政策変更やマクロ経済指標に対する警戒感が一段と高まっています。
今後も日本を含む各国の金融・財政動向次第で相場が大きく変動する可能性があり、投資家にとっては個別の仮想通貨材料だけでなく、グローバルな資金環境を踏まえた冷静な判断が求められる状況が続くとみられます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.23 円)
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Source:Coincentral報道
サムネイル:AIによる生成画像





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