
進化か固定化か、ソラナとイーサリアムの分岐点
ソラナ(SOL)共同創設者のアナトリー・ヤコヴェンコ氏は2026年1月18日、ブロックチェーンの持続可能性に関する設計思想を巡り、イーサリアム(ETH)共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏の見解に異議を唱えました。
ブテリン氏は、自身が提唱する「ウォークアウェイテスト」を軸に、創設者や中核開発者が関与しなくなった後も、ネットワークが安全かつ安定的に機能し続ける自己持続型モデルの重要性を強調しています。
これに対し、ヤコヴェンコ氏は「プロトコルが環境や利用者の要請に応じて変化を続けなければ、ブロックチェーンは競争力を失い、結果的に衰退する」と反論しました。
I actually think fairly differently on this. Solana needs to never stop iterating. It shouldn’t depend on any single group or individual to do so, but if it ever stops changing to fit the needs of its devs and users, it will die.
It needs to be so materially useful to humans… https://t.co/itqr1b5az4
— toly
(@toly) January 17, 2026
(前略)ソラナは進化を止めた瞬間に終わります。
特定の組織や個人に依存する必要はありませんが、開発者やユーザーのニーズに合わせて変わり続けることは絶対条件です。(中略)
生き残るための本質は「常に役に立ち続けること」です。
そのため、プロトコル変更の目的は開発者かユーザーの明確な課題を解決することであるべきです。ただし、すべての要望に応える必要はありません。むしろ、多くの要望を断る判断が不可欠です。(後略)
また、取引手数料を原資としたAI支援型の開発モデルなどを通じ、継続的な進化を前提とする設計思想こそがソラナの生存条件であるとの認識を示し、ブテリン氏の思想とは対照的な立場を鮮明にしています。
「共に勝者になり得る」
ブロックチェーン持続可能性を巡る基盤設計思想の対立
ブテリン氏が提唱する「ウォークアウェイテスト」
ブテリン氏は1月12日に自身のX(旧Twitter)で「イーサリアムは『ウォークアウェイテスト』を通過できる段階に到達すべきだ」と提唱しました。
ウォークアウェイテストは、創設者や主要開発者がプロジェクトから離れた場合でも、ネットワークが信頼性と有用性を維持したまま稼働し続ける状態を指しており、長期的にプロトコルの固定化による安定を志向する構想です。
ブテリン氏は、イーサリアムを金融やガバナンス分野で信頼の基盤となるツールに位置付け、「一度手にすれば使い続けられるハンマー」に例えつつ、頻繁な仕様変更を前提とする基盤技術では真の信頼性は確立できないとの認識を示しました。
このため、イーサリアムの価値は将来のアップデートではなく、現時点で提供可能な機能によって成立すべきだと主張しています。
その上で、量子耐性や抜本的なスケーラビリティといった技術的課題を克服した段階での固定化を見据えた、長期的なロードマップであるとの認識を示しています。
ヤコヴェンコ氏が示す進化継続型プロトコル論
ヤコヴェンコ氏は、こうしたブテリン氏の方向性に対し、根本的に異なる視点を提示しました。
1月18日のX投稿では「ソラナは決して進化を止めるべきではない」と明言し、開発者やユーザーの要求に応じた変化を怠れば、ネットワークは存在意義を失うと強調しています。
特定の組織や個人に依存することなく、継続的に改善が行われる構造が求められており、「有用性を失わないこと」が生存条件であるとの考えを示しました。
そのうえで、プロトコル変更の目的は開発者や利用者の具体的な課題解決に限定されるべきであり、全ての要望に応える必要はなく、多くの提案を退ける判断も不可欠だと述べています。
AI活用を含むソラナの将来開発モデル
さらにヤコヴェンコ氏は、ソラナの将来像としてAI技術を組み込んだ開発モデルにも言及しました。
取引活動によって経済的価値を生み出している開発者が、その一部を活用し、大規模言語モデル(LLM)などのAIを通じてプロトコル改善に貢献する循環を想定しています。
同氏は、AIが高度に整理された仕様を生成し、検証から実装までを担う可能性にも触れており、人手のみでは実現困難な速度でネットワークが進化する環境が生まれるとの見方を示しました。
こうした仕組みにより、ソラナの進化は特定の開発主体に依存せず、コミュニティ全体によって推進されるものになるとし、変化を前提としたネットワーク像を改めて強調しています。
固定化か進化継続か、思想の違いが鮮明に
このように、ブテリン氏とヤコヴェンコ氏は、ブロックチェーンの長期的な設計思想を巡り、対照的な立場を明確にしています。
ブテリン氏が一定の到達点でプロトコルを固定化し、不変性と信頼性を最優先する構想を描く一方で、ヤコヴェンコ氏は機能追加と適応を繰り返すことで有用性を維持し続ける戦略を主張しています。
両者の議論は、仮想通貨業界における基盤技術のあり方を巡る重要な論点として、引き続き注目を集めています。
リップルに公開討論を提案
伝統金融の参入で高まるソラナへの制度的評価
こうした設計思想を巡る議論が続く中、伝統的金融機関によるソラナへの関心も高まりを見せています。
米大手銀行モルガン・スタンレーは2026年1月6日、ビットコイン(BTC)およびソラナ、イーサリアムを対象とする現物型ETFの承認を、SEC(米証券取引委員会)に申請しました。
米国の大手銀行が仮想通貨ETFを申請するのは初の事例とされ、これまで慎重姿勢を維持してきた銀行セクターが、仮想通貨市場への関与を本格化させつつある兆候として受け止められています。
投資リサーチ企業モーニングスターのアナリストは、銀行の参入が市場全体の信認を高め、他の大手金融機関の追随を促す可能性があると指摘しています。
米国では2024年に初の現物ビットコインETFが承認されて以降、資産運用会社や金融機関による仮想通貨関連商品の展開が加速しています。
今回の申請も、その延長線上に位置付けられる動きであり、ソラナが制度金融の枠組みに組み込まれつつある現状を示しています。
ヤコヴェンコ氏が語る「人間にとって実用的であり続けるブロックチェーン」という理念と、伝統金融からの関心の高まりは、相互に補完し合う形で進行しています。
ブロックチェーンの持続可能性を巡る思想的対立は、理論的な議論にとどまらず、実世界における採用や制度的評価にも影響を与えつつあります。
ソラナ関連の注目記事はこちら
Source:アナトリー・ヤコヴェンコ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像
(@toly) 






コメント