クラリティ法案、民主党議員と業界代表が17日に協議再開|成立に向け最終調整へ

CLARITY法案、上院民主党が業界との協議再開へ

2026年1月16日、仮想通貨市場構造を包括的に定義する「CLARITY(クラリティ)法案」を巡り、米国上院民主党議員らが17日(日本時間)に業界代表者との協議を再開する予定であることが明らかになりました。

今回の協議再開は、上院銀行委員会で予定されていた重要な採決が直前で見送られたことを受けたもので、法案審議が再び調整局面に入ったことを示す動きとみられています。

背景には、大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が同法案への支持を撤回した影響があり、1月15日に予定されていた委員会でのマークアップ審議は急きょ中止となりました。

Coindeskの報道によると、民主党議員側と仮想通貨業界は、改めて意見調整の場を設けることで合意しており、法案成立に向けた交渉を継続する見通しです。

Coinbase支持撤回で波紋、CLARITY法案は再調整局面へ

アームストロングCEOの問題提起

CLARITY法案は、仮想通貨トークンを証券や商品(コモディティ)などに分類する明確な基準を定め、現物市場の監督権限をCFTC(米商品先物取引委員会)に付与することを中核とした法案です。

同法案は、仮想通貨業界が1年以上にわたり議会との対話や制度要望を重ねてきた経緯を踏まえてまとめられ、米国の仮想通貨規制における不透明さを解消することを目的としています。

一方で、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、現在の法案草案について「問題点が多すぎる」と指摘し、支持できないとの立場を明確にしました。

同氏は1月12日に公表された全278ページに及ぶ草案を精査した上で、X(旧Twitter)上で「現状のままでは、現行制度を維持するよりも悪い結果を招く可能性がある。不十分な法案であれば、成立しない方が望ましい」と述べ、法案に対する強い懸念を示しています。

この発言を受け、上院銀行委員会のティム・スコット委員長(共和党)は、1月15日朝に予定されていたマークアップ審議を延期すると発表し、法案内容について引き続き超党派で協議を進める考えを示しました。

CLARITY法案で表面化した銀行と業界の対立

アームストロング氏が問題視している論点には、株式などのトークン化証券を事実上制限する条項のほか、DeFi(分散型金融)規制に伴うユーザー取引データへのアクセス拡大、さらにCFTCの権限が相対的に弱まり、SEC(米証券取引委員会)の関与が強まる点などが含まれます。

なかでも最大の争点として浮上しているのが、ステーブルコインの利回りサービスを巡る規定です。

草案では、企業が顧客に対し、ステーブルコインを単に保有させるだけで利息やリワードを提供する行為を禁止する条項が盛り込まれており、アームストロング氏は、こうした規定が結果的に銀行に有利な競争環境をもたらすと批判しています。

実際、利回り付きステーブルコインを巡っては、銀行業界と仮想通貨業界の対立が先鋭化しており、大手銀行団体は、預金流出などのリスクを理由に、法案に利払い禁止規定を明確に盛り込むよう求めてきました。

これに対し、業界団体ブロックチェーン協会のサマー・マーシンガーCEOは「大手銀行による強い圧力が、革新的な金融サービスの競争機会を奪おうとしている」と述べ、銀行側の姿勢を強く批判しています。

業界内で分かれるCLARITY法案評価と成立の行方

リップルなどが評価、業界内で広がる法案支持

コインベースによる支持撤回は、法案成立を見据えていた関係者の間に波紋を広げましたが、その一方で、仮想通貨業界全体としては異なる立場も示されています。

Ripple(リップル)のブラッド・ガーリングハウスCEOは、市場構造法案について、仮想通貨分野における規制の不明確さを是正する枠組みとして評価し「消費者保護の強化にも資する重要な前進だ」との認識を示しています。

ティム・スコット議長と米上院銀行委員会の共和党が提案する市場構造に関する取り組みは、暗号資産に対して実現可能な枠組みを提供しつつ、消費者保護も継続するという点で大きな前進です。(中略)

私たちは議論の場に参加し、公正な討論を続けていきます。マークアップ(修正審議)の過程を通じて問題が解決できると、私は楽観的に考えています。

また、米国の仮想通貨業界団体であるデジタル商工会議所も、市場構造を定める法整備そのものに強い支持を示し「現行草案は最終形ではないものの、年内の法案成立に引き続きコミットし、焦点を絞った改善提案を行っていく」との声明を発表しました。

実際、コインベースの支持撤回が伝えられた後には、ステーブルコイン発行企業Circle(サークル)や投資会社a16z、取引所Kraken(クラーケン)、非営利団体Coin Centerなど、複数の主要プレイヤーが相次いで法案支持の姿勢を明らかにしています。

議会内で残る政治的ハードルと懸念

上院銀行委員会のティム・スコット委員長は「仮想通貨業界、金融セクター、与野党の同僚と建設的な協議を重ねている」と述べ、関係者が引き続き交渉のテーブルにとどまる意思を示している点を強調しました。

一方で、上院で法案を可決するためには、少なくとも民主党議員7名の賛成が必要とされており「公職者による仮想通貨ビジネスへの関与を制限する規定が盛り込まれていない」との指摘が一部の民主党議員から出ていることも明らかになっています。

こうした政治的な懸念や条文上の論点が解消されない限り、法案が最終合意に至るまでにはなお調整を要するとの見方もあり、今後の協議の行方が引き続き注目されます。

CLARITY法案が最終調整、米国仮想通貨規制は転換点に

米国議会における仮想通貨規制の枠組み整備は、制度設計の是非が問われる重要な局面を迎えています。

米下院では2025年7月、市場構造を定義する法案、いわゆる下院版CLARITY法案がすでに可決されており、同時期にはステーブルコイン規制を定めたGENIUS法も成立しました。

2025年に発足したトランプ政権は仮想通貨分野に対して前向きな姿勢を示しており、政権内でAI・仮想通貨政策を担当するデビッド・サックス氏は「市場構造法案の成立はこれまでになく現実味を帯びている。業界の将来を安定させるため、今こそ明確なルールを整備すべきだ」と述べ、関係者に最終局面での調整を促しています。

また、上院銀行委員会のティム・スコット委員長も、本法案が2026年の中間選挙前に成立するとの見通しを示しており、仮想通貨業界にとって長年求められてきた包括的な規制枠組みが現実のものとなる可能性が高まりつつあります。

民主党議員と業界代表による協議が再開される中、残された論点がどこまで整理され、合意形成に至るのかが、今後の米国仮想通貨規制の方向性を左右する重要な論点となっています。

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Source:Coindesk報道
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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