
Visa、企業向け送金網Visa Directで新決済モデル
2026年1月14日、米決済大手Visa(ビザ)はBVNK社との戦略的提携を通じて、自社のリアルタイム送金ネットワーク「Visa Direct」にステーブルコイン決済機能を導入する方針であることが明らかになりました。
BVNKは年間300億ドル(約4.7兆円)超のステーブルコイン決済を処理する実績を持つ企業で、Visa Directにおけるデジタル資金移動を技術面から支援するとしています。
今回の提携により、Visa Directでは特定の法人顧客が送金原資としてステーブルコインを利用できるようになります。また、受取人はデジタルウォレットでステーブルコインを直接受領できる仕組みが提供されます。
BVNKはVisaとの提携について「より広範な顧客ニーズに対応する送金手段を拡充し、エンドユーザーが資金へアクセスする選択肢を広げる取り組みだ」とコメントしています。
法人向けステーブルコイン事業支援
Visa Directを基盤としたステーブルコイン決済の実証展開
法定通貨と併用されるステーブルコイン送金モデル
VisaとBVNKの提携は、Visa Directにおけるステーブルコイン活用の有効性を検証するパイロットプログラムの一環とされています。
BVNKによれば、Visa Directを利用する企業顧客は、従来の法定通貨に加えて、送金原資としてステーブルコインを事前に準備・充当できるようになります。
これにより、Visa Direct上での資金管理や送金手段に柔軟性が生まれ、企業が用途や取引条件に応じて決済手段を選択できる環境が整備されます。
ステーブルコイン活用による国際決済の進化
加えて、受取側は銀行口座やカード決済を経由せず、ステーブルコイン対応のウォレットで資金を即時に受領できる仕組みになるとBVNKは説明しています。
本取り組みはまず、デジタル資産決済に対する需要が高い市場を対象に開始され、その後、段階的に対象地域を拡大していく方針です。
なお、Visaのベンチャー投資部門であるVisa Venturesは2025年5月にBVNKへ出資を行っており、今回のVisa Directへの統合は、こうした資本関係を背景とした両社の協業を実運用フェーズへと進める「次の段階」に位置付けられています。
ステーブルコイン決済インフラを拡張
企業決済で進むステーブルコイン活用と市場の拡大
Rapyd調査が示す企業のステーブルコイン需要
2026年に公表されたRapyd社のステーブルコイン関連レポートによると、企業によるステーブルコイン活用は急速に拡大しています。
調査対象となった企業の64%がすでに利用しているか、今後3年以内に導入を計画していることが明らかになりました。
背景には、送金の高速化や国際送金の効率向上、コスト削減といった実務上の利点があり、企業財務の分野においてステーブルコインが実用段階へ移行しつつある状況が示されています。
ステーブルコイン需要を背景に進む業界再編
こうした動きを受け、ブロックチェーン関連企業による事業拡大も進んでいます。
米Polygon Labsは2026年1月、ステーブルコイン取引需要の高まりを背景に、仮想通貨決済企業Coinmeおよびインフラ企業Sequenceを総額2億5,000万ドル(約400億円)超で買収すると発表しました。
一方、既存の決済大手も同様に、同分野での主導権確保に動いています。
VisaやMastercardといったグローバル決済企業は、ステーブルコインを含むデジタル資産を決済ネットワークへ取り込む取り組みを進めています。
Visaによれば、同社におけるステーブルコイン決済の利用額は年換算で45億ドル(約7,100億円)規模にとどまる一方、総決済高14.2兆ドル(約2,250兆円)と比べれば小さい水準でありながら、月次ベースでは顕著な成長が確認されています。
2026年時点でステーブルコイン決済は拡大局面に入りつつあり、今回のVisaとBVNKによる提携は、その潮流を象徴する動きの一つと見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.56 円)
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Source:BVNK発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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