
ヘイズ氏がZECに強気「1,000ドル到達」を示唆
仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏は2025年12月29日、自身のX(旧Twitter)で、プライバシー特化型の仮想通貨ジーキャッシュ(Zcash/ZEC)が今後1,000ドル(約15万6,000円)に達する可能性を示唆しました。
ヘイズ氏は投稿の中で「熊たちの涙は私の糧になる」と述べ、悲観的な投資家(ベア派)の存在が自らの糧になるとの考えを示すとともに、Zcashについて「最初の目標は1,000ドル」と言及しました。
The tears of the bears shall be my sustenance. $ZEC first stop $1k pic.twitter.com/FPCZbNxMTj
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) December 29, 2025
熊たちの涙を糧にする。
ZECの最初の到達点は1,000ドル。
同氏は、プライバシー需要の拡大や機関投資家からの関心、そして供給量の動向を背景に、ZEC価格が4桁台に上昇し得るとの見方を示しています。
一方で、一部メディアは市場環境に関してリスク要因にも言及しており、規制当局の動向や流動性に注意を払う必要性を指摘しています。
ZEC半減期に合わせた管理を呼びかけ
Zcash価格の動きとヘイズ氏発言の影響
Zcash価格の推移と市場の反応
Zcashは、ヘイズ氏による強気発言の後に価格が急騰し、現在は1 ZECあたり約530ドル(約8万2,000円)前後で推移しており、直近では約40%上昇しています。
過去1ヶ月間でも15%近く上昇しており、年初来では780%超の上昇率を記録するなど、主要な仮想通貨の中でも相対的に大きな上昇率となっています。
価格上昇を支える需要・供給・資金の要因
ヘイズ氏がZcashに強気の背景には、プライバシー需要の高まりと供給面での変化があると見られています。
オンチェーンデータによれば、流通中のZcashの約30%がシールドアドレス(匿名アドレス)で保有されており、完全な匿名取引への需要増加が示唆されています。
また、2025年末にかけて機関投資家によるZcash市場への参入も相次ぎ、米資産運用大手Grayscale(グレースケール)がZcashの専用投資ファンドを新設したことで、将来的な現物ETF上場への期待感が広がりました。
ヘイズ氏自身も2025年11月に、迎えたZcashのブロック報酬半減に触れ、新規発行枚数の減少による将来的な流動性収縮が価格上昇の追い風になると指摘しました。
Zcash相場の変動リスクと下落シナリオ
ただしヘイズ氏は、楽観的な見通しでありながらも一時的な急落の可能性を否定していません。
同氏は、Zcash価格が一時400ドル(約6万2,000円)近辺まで下落する展開も起こり得ると認めており、強い変動性に対する警戒も併せて示しました。
市場関係者の間では、レバレッジ環境が依然不安定であることから、大口投資家のポジション解消に伴う連鎖的な清算(ロスカット)イベントが引き続き価格変動のリスク要因になると分析されています。
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機関投資家と規制が交錯するプライバシー通貨市場
機関投資家の参入で再評価されるZcashの価値
こうした中、プライバシー通貨を巡り、市場ではその価値を再評価する動きが強まっています。
11月には、ウィンクルボス兄弟が関与する新興企業サイファーパンク・テクノロジーズがZcashの1,800万ドル(約28億円)の追加取得に踏み切りました。
タイラー・ウィンクルボス氏は「ビットコインがデジタルゴールドであるなら、Zcashは暗号化されたビットコイン、すなわちデジタル現金だ」と述べ、プライバシー通貨に関する自身の見解を示しています。
プライバシー通貨を巡る規制リスク
一方で規制当局のスタンスは依然厳しく、プライバシー通貨市場には逆風も残ります。
EU(欧州連合)では仮想通貨交換業者によるZcashやモネロ(Monero/XMR)などの匿名通貨の取扱いを2027年以降禁止する法案が承認済みで、米欧においてプライバシー技術の開発者が訴追対象となるケースも現れています。
規制リスクが残る一方で、プライバシー保護を巡る社会的関心の高まりを背景に、Zcashをはじめとするプライバシー通貨に注目する動きも市場でみられます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.24 円)
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Source:アーサー・ヘイズ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






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