PNC銀行、米大手銀行初の「直接的なビットコイン取引」提供開始｜Coinbaseと提携

コインベースとの提携で「直接的なBTC取引機能」を実現
富裕層向け「PNC Private Bank」からサービス開始
銀行による「現物ビットコイン」採用の波及効果

コインベースとの提携で「直接的なBTC取引機能」を実現

米大手暗号資産取引所のCoinbase（コインベース）は2025年12月9日に、米国でトップ10に入る米大手銀行であるPNC Bank（PNC銀行）とのパートナーシップを拡大し、同銀行の顧客向けに「ビットコインへの直接アクセス機能」の提供を開始したことを発表しました。

PNC銀行はこの連携を通じて米国の主要銀行として初めて、外部取引所を経由せずに銀行口座内で直接ビットコイン（BTC）を現物取引・保有できるサービスを実現しました。

この新機能は、Coinbaseが提供する企業向けインフラ「Crypto-as-a-Service（CaaS）」を活用して構築されています。これにより、対象となるPNC銀行の顧客は、既存のデジタルバンキングプラットフォームから離れることなく、シームレスにビットコインを購入・売却・保有することが可能になります。

これまで米国の銀行顧客が仮想通貨に投資する場合、外部の取引所に別途口座を開設するか、あるいはビットコインETFなどの金融商品を通じるのが一般的でした。しかし今回のPNC銀行の取り組みは、銀行のアプリやウェブサイト内で「現物のビットコイン」を直接扱えるという点で画期的な事例となります。

Today marks a major milestone for institutional crypto adoption.@Coinbase’s Crypto-as-a-Service platform is now powering @PNCBank’s launch of direct bitcoin trading for PNC Private Bank clients – the first to market with such an offering among the major U.S. banks. pic.twitter.com/wwuOIRuBfK

— Coinbase Institutional (@CoinbaseInsto) December 9, 2025

本日、機関投資家による暗号資産の採用において、大きな節目を迎えました。

コインベースの提供するCrypto-as-a-Service（CaaS）プラットフォームが、PNC銀行のプライベートバンク顧客向けビットコイン（BTC）の直接取引サービスの開始を支えています。これは、米国の主要銀行の中で初めての市場参入となります。

富裕層向け「PNC Private Bank」からサービス開始

コインベースの公式発表によると、このビットコイン直接取引サービスは最初にPNC銀行の富裕層向け部門である「PNC Private Bank」の適格な顧客を対象に提供されるとのことです。

これによって、PNC銀行の対象顧客は自身のポートフォリオ管理画面を通じて、株式や債券などの従来の金融資産と同様にビットコインを管理できるようになります。この統合により、顧客は「信頼できる銀行環境」の中で、煩雑な資金移動や外部ウォレットの管理を行うことなく、デジタル資産市場へ参入できる利便性を手に入れることができます。

なお、コインベースが提供するCrypto-as-a-Service（CaaS）のプラットフォームは、PNC銀行のビットコイン取引機能において以下のような役割を担っています。

取引執行と保管（カストディ）：
ユーザーインターフェースはPNC銀行が提供するが、背後にある実際の取引執行やデジタル資産の安全な保管は、Coinbaseの機関投資家向けインフラが担当。
セキュリティとコンプライアンス：
Coinbaseの技術を採用することで、銀行レベルの厳格なセキュリティ基準と規制遵守を維持しながら、スピーディなサービス展開が可能に。
シームレスな統合：
APIベースの「Crypto-as-a-Service」により、銀行の既存システムと仮想通貨取引機能が完全に一体化。

PNC銀行の会長兼CEOであるウィリアム・デムチャック氏は、「顧客のデジタル資産への関心が高まり続ける中、彼らの財務生活全体に適合する安全なオプションを提供するのが我々の責任である」とコメントし、このサービスが顧客のニーズに応えるものであることを強調しました。